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ソニー、背面開放型のモニターヘッドホン「MDR-MV1」を発表

ASCII.jp / 2023年4月11日 10時50分

 ソニーは4月11日、背面開放型のモニターヘッドホン「MDR-MV1」を発表した。価格はオープンプライス。実売価格は5万9000円前後になる見込み。5月12日の発売を予定している。

 立体音響やハイレゾコンテンツの制作に適したクリエイター向けのモニターヘッドホン。1989年の「MDR-CD900ST」がデジタル時代、2019年の「MDR-M1ST」がハイレゾの時代の音楽制作に向けたモニターヘッドホンだったとすると、MDR-MV1は360 Reality Audioなど、これからのイマーシブサウンドの時代に合わせた製品とも言える。

 ハウジングを密閉型ではなく、立体的な空間表現に優れる、オープンバック型にしたという点もポイントだ。アルミ製のハウジングはパンチングメタル処理が施されており、質感が高いだけでなく、軽量性と丈夫さを両立。当初はハウジングのフェイス部をアルミ板、それを取り付ける周囲を樹脂で試作していたが、1枚板を山状に加工し、高精度に穴を開けるという手の込んだ工法にして軽量性を追究したという。

側面にもスリッドが開けられている。ここも一枚のアルミ板を曲げて表現している。
ドライバーの一部が見える。

 直径40mmのドライバーも専用開発。5Hz~80kHzをカバーする超広帯域となっており、振動板に設けた波形の凹凸(コルゲーション)を最適化して低域の歪みを減らしている。また、背面に音響負荷ダクトを直結した“ビートレスポンスコントロール”により、開放型では不足しがちな低域の量感を補い、中音域の分離感や正確なリズムの再現を向上させている。

 インピーダンスは25Ωで音圧感度は100dB/mW。

イヤーパッドは交換可能。簡単に取り外せる。

 本体は約223gと非常に軽量で、長時間の作業でも負担が少ない。スエード調の人工皮革イヤーパッドはフィット感にも優れている。長期間にわたって使えるよう、サービスパーツとしてイヤーパッドを有償で提供する(4000円+税)。着脱式のケーブルは、ネジでしっかりと止める信頼性の高いスタイルで、長さ2.5m/6.3mm端子。6.3mm端子を3.5mm端子に変換する約20cmのプラグアダプターも同梱する。

ケーブルはヘッドホンにネジ止めでしっかりと固定できる。

 なお、MDR-CD900STやMDR-M1STはソニー・ミュージカルソリューションズの取り扱いで有償修理のみの扱いだったが、MDR-MV1はソニーマーケティングの取り扱いとなるため、1年保証が付く。モニターヘッドホンはプロのエンジニアだけでなく、映像配信やDTM、リスニング中心に使う個人にも人気があるので、嬉しいポイントだろう。

ウォークマンとの組み合わせ
右が30年以上に渡って人気があるMDR-CD900STだ。

スタジオの音を再現する個人最適化技術も

 加えて、「360 Virtual Mixing Environment」(以下、360VME)というソフトウェアも用意している。ソニーは、360 Reality Audioの制作用に「360 WalkMix Creator」というプラグインを用意しており、その機能としてヘッドホン向けの仮想サラウンド(VIRTUALIZER-READY FOR HEADPHONES)を提供している。360VMEはこれよりもさらに進んだ個人最適化を提供。ヘッドホンを使用する人の耳の近くに置いたマイクで耳や頭部での反射といった個人差を計測し、プロファイルを作る。これを適用することで、ヘッドホンを使った作業でもスタジオのリファレンス環境と遜色ない音が実現できるようになる。

デスクトップ作業のイメージ

 360 Reality Audioの高品位な制作には、13chのスピーカーが設置されたスタジオでの作業が必要となるが、現代の音楽制作ではPCを中心としたホームスタジオでの作業が増えつつある。デスクトップ環境での作業も多く、多数のスピーカーを置くことは難しい。そんなシーンで360VMEは活躍するだろう。ソニーと協力するリファレンススタジオの音をヘッドホンでも再現できるようにすることで、個人最適化され、忠実度が高く、さまざまな場所で作業できる環境が作れる。

リファレンススタジオのイメージ。スピーカーは側面に5台、天井に4台、床上に4台置かれている。

 なお、測定サービスを提供するスタジオは現状では、MIL Studio(東京)、The Hit Factory(ニューヨーク)、Gold Diggers Sound(ロサンゼルス)の3つで、料金が別途かかる。価格は未定だが、MIL Studioの場合、500ドルぐらいをベースに検討しているという。

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