最強カメラだけじゃないGalaxy S23シリーズの魅力! 日本でどう展開する?
ASCII.jp / 2023年4月20日 10時0分
祝! Galaxy S23シリーズ日本発売! スペックには現れない魅力が詰まっている
グローバル市場でも高い人気を誇る「Galaxy S23」シリーズの2モデルが日本でも発売になった。ドコモとauは「Galaxy S23 Ultra」と「Galaxy S23」を、楽天モバイルは「Galaxy S23」を取り扱う。どちらもチップセットにSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxyを搭載するハイスペックなスマートフォンだ。またGalaxy S23 Ultraはシリーズ初の2億画素カメラも搭載している。
フラッグシップモデルに相応しいハイスペックなモデルだが、今回の新製品はスペック上の数値では見えない魅力が隠されている。サムスン電子はこの2製品をどのように日本で展開していくのだろうか?
ナイトグラフィーで夜景も自在の「失敗しないカメラ」
Galaxy S23シリーズのカメラはサムスンが「ナイトグラフィー(Nightography)」と呼ぶ暗所撮影性能の強さを大きな特徴としている。今やミドルレンジクラスのスマートフォンでも5000万画素クラスのカメラを搭載しており、明るいシーンでは意外ときれいな写真が撮れるものだ。
一方で、暗いシーンの撮影は各メーカーが明るいレンズやAI処理を駆使して、昼間と変わらぬ撮影体験を提供しようと切磋琢磨している。「昼間の写真はきれいなのに、夜景になると急にノイズが乗ったり顔が真っ暗になってしまう」なんて経験は誰にもあるだろう。
サムスンのナイトグラフィーは特に夜間撮影のAI性能を高めており、全体が明るく写るだけではなく顔写真も明るくきれいに写せる「ナイトポートレート」を実現。明るい場所も暗い場所も気にすることなく撮影に没頭できる。さらにビデオの夜間撮影性能も高めているため、夜の屋外イベントや暗い室内でのパーティー動画なども明るく撮影できるのだ。
Galaxy S23 Ultraは2億画素カメラをピクセルビニング技術により、暗いシーンでは「4x4=16ピクセル」を1ピクセルとして使う。夜間撮影性能はほかのスマートフォンを1歩以上リードしていると言えるだろう。
また、Galaxy S23 Ultraの2億画素カメラは、等倍(1倍)で撮影しても後から写真の一部を拡大しても細かい部分をしっかりと表現してくれる。超広角(1200万画素)カメラの搭載はもちろん、望遠は3.5倍(1000万画素)に加え10倍(1000万画素)と贅沢にも2つを乗せている。中でも10倍望遠はデジタルで100倍までに対応する「スペースズーム」を搭載。望遠カメラの組み合わせは前モデル「Galaxy S22 Ultra」と同等だが、Galaxy S23 UltraではOIS角度を2倍にしたことでよりブレにも強くなっている。
このようにGalaxy S23 Ultraのカメラは、スペック上は「2億画素」が大きく目立つが、実際にカメラを使ってみると「ナイトグラフィー」「遠近自在のクワッドカメラ」「2倍のOIS性能」により静止画も動画も美しく撮影できる。スマートフォンユーザー誰もが願っている「どんなシーンでもほぼ撮影に失敗しないカメラ」をGalaxy S23 Ultraは搭載していると言えるだろう。
Galaxy S23シリーズの日本発表会にはサムスン本社からビジュアルソリューションチームのジョシュア・チョ副社長も日本にかけつけ、大きく進化したカメラ性能をメディア関係者に説明した。開発のトップが発表会に訪れるのは異例のことでもあり、サムスンが日本でGalaxy S23シリーズを本気で売り込もうと考えている姿勢の表れとも感じられた。
小型モデルのGalaxy S23はメインカメラの画質は5000万画素だが、ナイトグラフィーはGalaxy S23 Ultraと同等のAI処理エンジンを採用。6.1型ディスプレーの小型モデルであり、片手でも楽に使うことができる点は日本人にも受けるだろう。また、フロントカメラはGalaxy S23、Galaxy S23 Ultraどちらも1200万画素で、セルフィー性能は変わらず、このフロントカメラもナイトグラフィー対応だ。夜景をバッグにした自撮りもGalaxy S23は明るく美しく写せるのだ。
「マニア向け」だけではない1TBモデルを投入
新製品2機種のうち注目が集まるのは上位モデルとなるGalaxy S23 Ultraだが、4月6日に行なわれた新製品発表会では会場から大きな歓声が上がる1コマもあった。それはau限定のストレージ容量1TBモデルの発表だ。1TBもの大容量が必要となるのは現時点ではゲーマーか動画をメインに撮影するYouTuberが大半かもしれない。しかし、Galaxy S23 Ultraは2億画素での写真撮影が可能なうえに、4K/60fpsや8K動画の撮影にも対応する。高画質な写真や動画を撮影するとなると、microSDスロットを搭載していないGalaxy S23 Ultraのストレージ容量は「あればあるだけ」大容量であることに越したことはない。
GalaxyのハイエンドモデルがmicroSDカードスロットを廃止したのはすでに2年前の「Galaxy S21」シリーズから。今でもmicroSDカード対応を希望する声は多いと言う。しかし、4K動画の長時間録画などでは、データの書き込み速度がmicroSDカードでは追いつかないこともあるという。
サムスンは2年前から高画質動画を扱う時代が来ることを先読みし、microSDカードではなく内蔵のストレージ容量を高める方向に動いていたのだ。そして、これまでは海外でしか発売されなかった最上位(最高ストレージ容量)モデルを日本で出すということは、Galaxy S23 Ultraのカメラ性能、特に動画性能を日本のユーザーにも不自由なく思う存分使ってほしいとサムスンは考えているのだろう。
なお、海外では256GBモデルを予約すると512GBモデルになるといった「メモリ容量倍増キャンペーン」が多くの国で行なわれた。日本ではキャリア販売となることからこのキャンペーンは販売システム上難しく、その代わりに「Wストレージキャンペーン」として512GBモデル購入者には256GBモデルとの差額を、1TBモデル購入者には512GBモデルとの差額をAmazonギフト券で還元してくれる。
「地球にやさしい」環境を考えたスマホ
Galaxy S23シリーズはスマートフォン本体に多くのリサイクル素材を採用している。前モデルからすでに海洋投棄された魚網を回収して得られたプラスチックの再生素材を本体内部のパーツに使用していたが、Galaxy S23 Ultraではその使用量を倍にしている。
またこれまでは専用スタイラス「Sペン」の内部のパーツなど、目に見えない部分にリサイクル素材が使われていたが、Galaxy S23 Ultraでは本体のフレームに再生アルミニウムを使用し、さらに背面は再生PETフィルムで仕上げた上に、前後を再生ガラスでサンドイッチ。外装部分にも積極的にリサイクル素材を使っているのだ。
スマートフォンの年間出荷台数は全世界で10億台を超えている。そこに再生素材を使うことは業界全体の動きだけではなく、地球環境を考えれば十分意義のあることだろう。Galaxy S23シリーズの発表会会場でもリサイクル素材の採用への取り組みは大きく説明されたが、サムスンのショールームでもある東京・原宿の「Galaxy Harajuku」でもGalaxy S23シリーズの展示エリアにはどのような素材がどのようなパーツとして使われているかという説明が大きく掲示されている。
リサイクル素材と聞くと「廃材再利用」というイメージが湧く人もいるかもしれない。しかし、サムスン電子ジャパンのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)、小林謙一氏によると「サステナブルの取り組みはサムスン全体として取り組んでいるもの」であり、さらに「海外ではこの取り組みが若い世代に評価されている」という。
情報だけではなく十分な製品に囲まれて生まれ育ったZ世代にとって、これからの製品選びの時に視点に入るのは価格や性能だけではなく、その企業がどれだけ地球環境を考えているか、という点も重要視されているというのだ。実際に海外のサムスンストアもサステナブルに関する展示はしっかり行なわれており、日本でも同様に「地球にやさしいGalaxy」をアピールしていくようだ。
ところで、Galaxy S23シリーズからサムスンは日本でのブランド展開を従来の「Galaxy」から社名の「Samsung」に変更した。これまではスマートフォンを強化する狙いなどから日本独自にGalaxyの名前で展開をしていたが、サムスンはスマートフォンの専業企業ではない。グループではチップセット、カメラセンサー、ディスプレーなどの開発もしている。
そして地球環境への取り組みとして、2025年までに「すべての製品に再生素材を取り入れる」「梱包材へのプラスチックの廃止」などの活動を進めているところだ。社会貢献をグループ全体として取り組んでいる姿勢を見せるためにも、日本でも「サムスン」の名前で製品展開することは理にかなったものと言えるだろう。
スマートフォン本体の性能に申し分なく、失敗しないカメラを搭載し、しかも地球環境にやさしい製品であるGalaxy S23シリーズ。日本ではキャリアからの販売となるが、サムスンの製品に込めた熱いメッセージを、ぜひ日本の消費者にも届けてほしい。
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