arrows Nに共感した若者たちが考える僕らのスマホ! アースデイ東京2023で語り合う
ASCII.jp / 2023年4月25日 12時0分
4月15~16日の2日間、代々⽊公園(東京都)にて、温暖化など地球の未来を考えるイベント「アースデイ東京2023@代々木公園」が開催され、土日あわせて約6万人が来場しました。また、FCNTのスマホブランド「arrows」が特別協賛で参加し、出展ブースもにぎわっていましたが、なぜarrowsが地球の未来を考えるイベントに出展したのか? そして会場のブースの様子やトークショーなどをレポートします。
アースデイは地球のことを考える日
アースデイは、「エコ」「オーガニック」「持続可能な社会」といった地球環境を考えるイベント。1970年にアメリカで始まり、現在は世界175ヵ国、約5億人が参加する世界最大の地球フェスティバルとして知られています。日本では2001年にアースデイ東京が始まり、今年は3月11日~5月30日の期間、今回の代々木公園でのフェスティバルを中心に、様々な場所で開催されています。
会場では、オーガニックやリサイクルといった「地球に優しそう」な素材を使ったアイテムを展示・販売するスモールブランドや、無農薬やヴィーガンといった「体によさそう」なキッチンカーなど約200社が出展し、規模の大きなフリーマーケットやマルシェといった雰囲気です。さらにステージではミュージシャンのライブなども行なわれ、1日いても飽きることはありません。この日は好天に恵まれたこともあって来場者は多く、その大半は20~30代の家族連れという印象。
運営スタッフの中には、中学生から大学生の集まりである「アースデイ東京ユース」の姿を、あちこちで見ました。彼らは自分たちがやってみたいSDGsに関連したアクションを、企業や行政と連携して創る団体、とのことなのですが、明るく楽しく自己啓発活動をしているという印象。この日はarrowsとの共同企画のほか、企業関係者をゲストに招いたトークプログラムを運営していました。
来場者の中から30代の夫婦に話を聞くと「初参加ですが、色々なお店があって面白いですね。子供も楽しんでいるので、来てよかったです」と言葉を弾ませます。またアースデイ東京ユースの一員としてarrowsのトークイベントを手伝い、将来政治家を志しているという高校3年の女性は「今のうちにできることをしたい、楽しみながら色々勉強したい」と語ってくれました。
両者に共通するのは「同じ性能や機能なら、環境負荷の低い商品を選びたいです」(30代主婦)、「素材はもちろんですが、生産から廃棄まで、トータルで見て環境負荷の低い“エシカル”な商品だとうれしいです」(高校3年生・スタッフ)というもの。SDGsやサスティナビリティという言葉に続き、エシカルという言葉が出ましたが、これがこれからの時代のキーワードであり、FCNT(arrows)がアースデイに参加した大きな理由なのです。
多くの人が足を止めたFCNTブース 再生プラスチックでスマホスタンドが作れるワークショップも
代々木公園イベント広場の渋谷側ゲートには、arrowsのロゴが入ったゲートと出展ブースがお出迎え。ブース内では、ペットボトルキャップを材料として、オリジナルスマホスタンドが作成できるコーナーを設置。樹脂成型プロセスを実際に体験できるとあって好評を博していました。
もちろん実際にarrows Nに触れられるほか、分解した状態での展示コーナーも用意。どのようなリサイクル材によって製造されたのか、わかりやすく展示されていました。株式会社NTTドコモの協力により、その場でarrows Nを購入・契約することも可能でした。
特に目を惹いたのは、株式会社Gabが運営するエシカルブランドに特化した「エシカルな暮らしLAB」とコラボした「エシカル×ガジェットライフ」をテーマにした、幅広いエシカルライフスタイルアイテムの展示です。エシカルな暮らしLABは、有楽町マルイの6階に実店舗を持つ、日本最大級のエシカルブランドセレクトショップ。60種類近いアイテムの中からいくつかを展示していました。
ブースを訪れた20代の女性は「最初、なんでスマホがあるのかわからなかったけれど、リサイクル素材で作られているからなんですね。いわれてみると、ありそうでなかったような気がしますね」と興味津々の様子でした。
arrows×アースデイ東京ユース企画 スマホの「今」をクイズ形式で学ぶ
FCNTのAndroidスマートフォン「arrows N F-51C」は、2月10日に発売したばかりの、arrowsリブランドの初号機です。リブランドのテーマは、ズバリ「エシカル」。ではエシカルについて、アースデイ東京ユースブースで行なわれた「クイズで学ぼう!エシカルなスマートフォンの選び方」の様子から、学んでいきたいと思います。
まず、2022年段階で、全世界でスマートフォンは何台利用されているのでしょう? 答えは45億台。全人口80億人のうち、ざっくり半分の人がスマホを所有している、というわけです。もちろん2台持ちの人もいるので、単純にそのような事はないのですが。
では、2022年に全世界のスマホが排出したCO2量は? というと、1億4600万トンなのだとか。これは製造から使用、そして廃棄までを含めた量になります。その中で1年間で作られるスマホの台数は? というと約14億台なのだそう。荒井さんは「この14億台を生産する時のCO2排出量を減らすことができれば、かなりのCO2を低減することができるハズ」と説きます。
ですが、環境配慮を謳うスマホブランドは、世界を見渡してもFCNTを含めわずか3社しかないのです。その中で、arrows Nは「日本企画、日本産」のみならず、製造に太陽光エネルギーを用い、さらに部品重量の約2/3をリサイクル素材で占めており、真新しい(バージン)アルミニウムなら10万トンあたり約33.9トンの削減を達成したのだそう。
エシカルとは「自分や社会、地球環境にとって良いものを積極的に選ぶ」ことであり、それをFCNTはメーカー側の責任として達成しよう、というわけです。
エシカルとスマホについてディスカッション 面白いアイデアが飛び出したワークショップ
荒井さんによるクイズの後は、学生たちと参加者たちによるワークショップが行なわれました。お題はズバリ「エシカルなスマホ」。参加者からは「買い替えの頻度を減らすことがエシカルなのでは?」との提言が。買い替える要因として、電池寿命の話と、機能拡張(OSアップデート)が上がると、荒井さんから「長寿命化として使い始めの電池もちが4年間続く充電技術と、OSアップデート3回で長寿命化を図りました。メーカーとしてはどんどん買い替えてもらいたいのですが、長く使った方が環境に優しいですからね」と、技術面では長寿命化を果たしていると説明。
すると学生たちから「成長するスマホ」という声が。「携帯ゲームのように、成長していくと愛着が湧くのでは?」といった機能面から長期間使えるスマホがよいのでは? との話が飛び出しました。
そして次は「arrowsが売れるには、どうすればよいのか」がテーマに。そこで出てきたのは素材のことで「木質素材を使ってエコ感をアピールしたらよいのでは?」という意見も。同席したFCNT プロダクト事業部 第三開発部 福永寿行さんからは「実は木材は現在検討している素材です。水分に弱かったり落下した際に割れやすいといった問題がありますが、継続して検討していきます」と前向きな回答が得られ、参加者たちからは「おお~」と驚きの声が。そのほか、「スマホを選ぶ際に重要なのはカメラ。カメラが交換できるといいのでは?」といった意見も出ました。
今年、ブランド誕生11年を迎えたarrowsシリーズ。荒井さんは「スマホは、普段使う上で必要な機能は十分すぎるところまで来ていると思います。となると、次に進むべきは環境だと考えています」と、新時代のarrowsは環境に配慮したブランドにすると明言。スマートフォンの世界にarrowsはエシカルという一矢を報いるか、注目していきましょう!
FCNTの荒井氏が語るアースデイの手応え
アースデイの2日目(16日)にスマホに関するクイズ大会とワークショップが開催されました。この両セッションに登壇したFCNTのプロダクト&サービス企画統括部の荒井厚介さんに、このイベントに出展した理由とトークセッションの手応えを聞きました。
──FCNT(arrows)としてアースデイに出展した理由を教えてください。
荒井 arrows Nはarrowsリブランドの第1弾として発売させていただきましたが、商品単体というだけではなく、そもそもブランドとしての価値観をきちんとお客様に知ってもらう必要があると思いました。どのイベントに出ようかと考えたときに、環境やエシカル、サスティナブルといった商品コンセプトにおいてアースデイは最適だなと。規模感もコロナ前で10万人以上が来場していますし、来場者もアースデイの考え方に共感している方が多いので、我々の商品にも共感を覚えていただけるのではないかと考えました。
arrowsというブランドとarrows Nという商品を、環境やエシカルに感度が高い方たちに知っていたく場としてアースデイを選びました。実際にブースに立っていると「arrows」を知らず、環境問題などに関心の深い方が多く、そういった方たちに共感頂くことができました。
──たしかにお客さんの中でも「スマホとエシカルが結びつかなかった」という方が結構いました。
荒井 そうですね。かなりインパクトがあったようです。これが普通のイベントだったらどれくらいの人に響くのかは未知数だと思うんですよ。しかし、今回ブースに来ていただいた人と話すと、まず話を聞いてもらえるんですね。すると我々のやろうとしていることに関心を持っていただけるんです。すぐに買い替えていただけるワケではないんですけど(笑)、次買い替えるときの候補に入れてみると言ってくださる方もいました。それだけでもアースデイ効果はありました。
──デジタルとかモバイル系のイベントだと、まずはスペックの話になりますからね(笑)。今回、海外の方も多く来場していましたね。
荒井 とくにヨーロッパの方たちは環境意識が強いですからね。先ほどドイツから来た方と話しましたが、環境を訴えたスマホは初めて見たけどたしかにそうだよね、とすぐに理解していただけました。グローバルに向けてもアピールが必要ですね。
──クイズ大会とワークショップ、それぞれ若い方が多かったように見えたのですが、いかがでしたか?
荒井 10代からご年配の方まで、幅広く聞いていただけたと思います。最初のクイズ大会はシニアの方が熱心に質問してらして、ワークショップでは若い人たちが熱心にスマホと環境について話し合っていました。とくにシニアの方は「エシカルとスマホ」が縁遠い関係だと思っていたけど、セッションを通じて気付いていただけたのがよかったですね。一人でも多くの方に「arrows N」のコンセプトを知っていただけたというだけでも、今回出展した甲斐がありました。
──ワークショップでは若者らしい面白いアイデアがたくさん出ましたね。
荒井 そうですね。やっぱりみなさん電池持ちを気にしていて、我々作り手側は電池をどれだけ持たせるかという考えになるのですが、彼らは「そもそも減らない」という考えで。振って発電して常に電池を充電しているというアイデアは非常にユニークでした。あと、SDGs的にスマホの素材をプラスチックではなく木材にするというのもいい目の付け所です。プラスチックはリサイクルできるから良いという意見もありましたし、みなさんスマホの素材についていろいろ考えているんだなと。
──実現できるかどうかはともかく、新鮮なアイデアがたくさん出ましたね。
荒井 もちろん、こういうイベントに来ている方たちなので、もともと環境意識があるのは間違いありませんが、自分たちが日常的に使っているスマホだからこそアイデアも出しやすかったのかもしれません。我々としてもありがたい気付きをいただきました。たとえば、天然素材だからという理由で選んでも、果たしてそれがいいのか、どこかで環境に負荷がかかってるんじゃないかなど、どういう観点で採用するのかを考えないといけませんね。
──また、出展されたほかの企業の方たちとは、今後何か展開がありそうですか?
荒井 だいぶ横の繋がりができたと思うので、サスティナブルやエシカルというキーワードで何かやれるといいですね。もちろん、アースデイそのものですとか、トークをお手伝いいただいたユースのみんなとか、今後も継続してお付き合いしたいですね。あと、FCNTというとらくらくシリーズなどでシニアのイメージが強いですが、このarrows Nではユースの人たちのような若い層(10~20代)にもアピールしていきたいですね。
──ありがとうございました。
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