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Galaxy S23は前機種以上の販売が予想されるも、半導体需要縮小で苦しい業績続くSamsung

ASCII.jp / 2023年4月22日 10時0分

 半導体からデバイスまで手がけるSamsung(サムスン)が、4月末に発表する第1四半期決算のガイダンスを発表した。営業利益は前年同期比95%減少、2009年以来の低水準となる模様だ。

国内でも好調なスタートを切ったと見られる「Galaxy S23 Ultra」。高価な製品ではあるが、性能も極めて高い。Androidでのトップシェアの実力を示していると言える

2022年通年の売上高は過去最高 だがQ4の営業利益は8年ぶりの低水準

 経済環境の変化のスピードが加速する中、Samsungもローラーコースターのような状況にある。

 Samsungが今年1月に発表した2022年通年および2022年第4四半期の決算によると、通年の売上高は過去最高の302兆2300億ウォン(約30兆2000億円)となった。2021年の279兆6000億ウォン(約27億9600万円)から8%のプラス。スマートフォンや家電を含むDX(Device eXperience)、半導体やディスプレーを含むDS(Device Solution)なども、通年ではプラス成長となっている。

 一方で、2022年の営業利益は43兆3800億ウォン(約4兆3400億円)、こちらは前年比8.26%のマイナスとなった。四半期別で見ると、2022年第1四半期を頂点に、第2、第3、第4と売り上げは減少傾向。

 第4四半期は、営業利益が前年同期比69%減少の4兆3100億ウォン(約4300億円)。これは、スマートフォンの不振などで営業利益が大きく減少した2014年第3四半期以来のレベルとなった。同期にDX、DSは前年比マイナス成長となった。なかでも価格が下落傾向にあるメモリ、そしてモバイルが足を引っ張った。

好調な出足が予想されているGalaxy S23だが、 メモリ需要が厳しい状況か 生産量も調整に入る模様

 第4四半期の決算を発表した1月の時点でも簡単に業績が上向くという予想は出ていなかったが、4月に入って発表した第1四半期のガイダンスはやはり苦しい内容となった(https://news.samsung.com/global/samsung-electronics-announces-earnings-guidance-for-first-quarter-2023)。

 Samsungは売上高を約63兆ウォン(約6兆3000億円)、営業利益を約6000億ウォン(約600億円)と発表した。売上高は前年同期比19%マイナス、営業利益は95%マイナスとなる。

 Samsungは2022年10月に、翌年の投資に変化はないという見通しを示していたようだが、1月はメモリの製造ライン最適化を進めていると発表していた。そして今回のガイダンス発表と同日、生産量を削減することも明らかにしたとReutersが報じている(https://jp.reuters.com/article/samsung-elec-results-idJPKBN2W4001)。

 一方で、2月に世界で発表、国内でも発売されたばかりの最新フラッグシップ「Galaxy S23」は好調な様子。事前予約の段階で、韓国では100万台(+とUltraを含むシリーズ全体)を突破したことが発表されていた。グローバルでも事前予約の段階で同時期のGalaxy S22と比較して良好。高価な最上位モデルであるUltraが60%を占めているという。

SamsungがBingに移行するという憶測が衝撃を呼ぶ

 Samsungといえば、AndroidのGoogleとは蜜月の仲。だが、変化しない関係はない。New York Timesが検索とジェネレーティブAIの文脈でGoogle内部のプロジェクトを報じた記事で、「SamsungがGoogle検索からMicrosoftのBingへの移行を検討している」と報じたことが話題になっている(https://www.nytimes.com/2023/04/16/technology/google-search-engine-ai.html)。

 SamsungもMicrosoftも、今回の記事に対してのコメントを控えているが、「Samsungが乗り換え検討中という脅威」によりGoogle社員はパニックになったとのこと。また、同紙ではGoogleがSamsungより受け取っている金額は年30億ドル(約4000億円)にも及ぶと見積もっている。もちろんGoogleの売上高全体を考慮すると決して大きな金額ではないが、Samsungのシェアは19.4%(2022年第4四半期、https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS50146623)。全体ではAppleに次いで2位だが、Androidではトップメーカーだ。

 AndroidでBingをデフォルトの検索エンジンにする――-ちょっと前なら考えにくい組み合わせだが、「ChatGPT」がもたらしたAIと検索分野への衝撃は大きい。変化のスピードに対応しようとするSamsungの戦略がここにあったとしても不思議ではない。

 

筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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