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音もれを打ち消す、ながら聴きイヤホンの新提案、NTTソノリティ「nwm MBE001」

ASCII.jp / 2023年4月24日 13時0分

nwm MBE001

 ライフスタイルが多様化する中、耳をふさがないタイプのイヤホンが増えてきている。課題は音質の確保と周囲に音もれしないようにすることである。この課題にユニークなアプローチで取り組んでいるのが、NTTソノリティだ。

音の打ち消しあいで音もれを防ぐPSZ技術

 NTTソノリティのPSZ技術は、ドライバーから一定の距離が離れた場所に逆相の音波を当て、音もれを打ち消す技術だ。イヤホンで広く使われているアクティブ・ノイズ・キャンセリング処理(ANC技術)を耳の外側で実現するイメージと言える。

nwm MBE001
装着イメージ
nwm MBE001
PSZのイメージ

 「nwm MBE001」は、この技術を応用した完全ワイヤレスイヤホンで、耳掛け式になっている。Bluetooth伝送に対応し、コーデックはAACのほかにaptXにも対応している。ドライバーには口径12mmというかなり大型のダイナミックドライバーが用いられている。特殊なドライバーを使用しないため自然な音質が担保されるだろう。

 nwm MBE001はもともとクラウドファンディングで展開されてきたが、4月3日に一般販売が開始になった。価格はオープンプライスで、実売価格は2万4000円前後だ。

デスクサイドに置き、テレワークに便利なデザイン

 製品のパッケージはエコを意識したものだがデザインが凝っている。ケースは大きめだが、平たいのでジーパンの前ポケットなどにも入れにくくはない。ただし、ケースにバッテリーが内蔵されていないため、持ち運んでいる際にイヤホンの充電が進むわけではない。持ち運びというよりは、デスクトップに置いて置き、パソコンなどと組み合わせたリモートワークに向いた製品のように思う。

nwm MBE001

 本体の再生時間は最大で6時間ということだ。充電中のLED明滅も上品。新しいコンセプトの製品ではあるが、意外と手作り感が少ないのはNTTグループの製品という大きな背景があるせいかもしれない。

 ケースを開くと、2つのイヤホンがフラットに置かれている。耳掛けフックを持つ本体は、下部に機能ボタンが設けられていて、クリックやホールドで再生や音量操作など機能操作をする。

 装着してみると、耳たぶにクリップで挟む感じでとてもつけやすく外れにくい。軽いので長時間つけていても違和感は少ないだろう。

nwm MBE001

自宅にひとりでする作業や にぎやかな屋外で周囲の音を聴きながら音楽を楽しみたい場合に便利

 音楽を聞いてみると、中高域の再現が思っていたよりも優れていて、楽器音が明瞭かつくっきりと聞こえる。ハープとピアノの曲などアコースティック系の楽器の音は自然で響きもいい。音場感も良く、クロスフィードをかけたようにやや前方に音像が感じられる。

 女性ヴォーカルは透明感があって良いが、男性ヴォーカルだとやや軽く感じられる。やはり完全開放型という性質上、低域の再現には限界があるようだ。ロックやメタルなどは苦手分野となるだろう。

 また、外の音が素通しで聞こえてくるので、完全な開放感が味わえる。レストランなどで使用した際には、装着していないのと同様に店内のBGMが聞こえ、店員たちの会話も普通に聞こえてくる。周囲とのコミュニケーションを重視するという用途に向いているといえる。

 肝心な音もれに対しては、接触センサーを指で抑えるという方式で外側の音を聞いてみた。再生している音圧にもよるが、完全にオーブンであることを考えれば少ないと思う。ただ、完全に消えるわけではなく、部屋にひとりでいるなど静かな環境では、腕の長さくらいの距離まで離しても小さく音が鳴っているのが分かる。BGMが流れている程度のファミリーレストランで試した際には、ロックを再生していても、腕の長さほどの距離では、なにかの音が鳴っているがその詳細は分からない程度にしか聞こえない。

 静かで周囲に人がいる、図書館などでの使用では避けた方がいいが、骨伝導タイプやオーディオグラスに比べれば相対的に音が良く、音楽再生の汎用性はあると思う。低域再生については如何ともし難いと思うが、ジャンルを選べば普通に音楽再生にも使える面白い製品だと思う。

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