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AndroidだけどApple CarPlayが使える!? 「CarlinKit Tbox Plus」で車内エンタメを拡張!

ASCII.jp / 2023年5月6日 10時0分

 10年ぶりに新車を購入したところ、Apple CarPlayに対応していたので使ってみたら、音楽やナビ機能はいいけど動画が見られないことにちょっと不満。そこで、Amazon.co.jpで見つけた車載ディスプレーと連動できるガジェット「CarlinKit Tbox Plus」を購入して、動画も見られる環境を目指したので、今回はその使い方などを紹介する。

AndroidだけどApple CarPlayってどういうこと?

 前回の記事ではApple CarPlayの得手不得手や使い勝手について紹介した(初めて使うと意外と知らないことが多い「Apple CarPlay」を超活用する方法)。単に音楽を聴いたり、ナビゲーションを利用したり、電話をしたりといった使い方で十分という人なら、手持ちのスマホを接続するだけで十分活用できる。

 ただ、Apple CarPlayに対応したものだけでは、利用できるアプリが少なすぎだと感じたり、特に動画が見られないのが残念という人は、今回紹介する「CarlinKit Tbox Plus」を導入すれば、Apple CarPlayではできなかったことができるようになる。当然、動画が表示されるからといって運転中に画面を注視することはご法度。あくまで、同乗者に動画を楽しんでもらうための方法として紹介する。

「CarlinKit Tbox Plus」のパッケージ
パッケージの中身。本体とUSBケーブルは端子の違いで2種類同梱している。このほかにマニュアルもある

 CarlinKit Tbox PlusはAndroid 12を搭載した、いわば画面のないスマホで、CPUに8コアのQualcomm QCM6125を採用し、メモリー4GB、ストレージ64GBを搭載したもの。SIMスロットもあるので、SIMを差せば4Gでの通信や通話もできる。そして面白いのが、Android Autoとして接続するのではなく、Apple CarPlayとして接続して、画面もApple CarPlayライクになっているところ。それでいて、Google Playが利用できるので、アプリを自由にインストールできる(後述するが、一部できないものもある)ので、YouTubeもPrime VideoもNetflixも見られるのだ。

本体のサイズは実測で80.0(W)×79.5(D)×14.6(H)mm
裏面には技適の表示がある。本体は動作中熱くなるので、裏面の穴は塞がないほうがよさそうだ
インターフェースはnanoSIMスロットとUSB Type-C、microSDカードスロットがある

 このようなアイテムは、今回紹介する製品のほかにもいろいろ出回っていて、Amazon.co.jpで「Apple CarPlay YouTube」などで検索するとたくさん出てくる。その中で本製品を選んだポイントとしては、OSが新しいことと、CPUやメモリーなどのスペックが比較的いいこと、技適に対応していること。やはり、スペックを重視しないと動作が緩慢になる可能性があるので、そのあたりの見極めが重要だ。

 あと、本製品はUSB接続でのApple CarPlayに対応していることが条件で、一部車種以外は利用できると謳っている。車内に接続して置きっぱなしにできるため、その都度ケーブル接続することもなく(USBポートが少ない車種だと、ほかのスマホを充電できないという問題が発生するが)、むしろ筆者の場合はクルマのWi-Fiスポットに接続したいので、そのほうがありがたかった。

今回、Apple CarPlayを試したのは、筆者が昨年購入し、今年納車された日産「エクストレイル(T33)」

CarlinKit Tbox Plusの接続から設定までを解説

CarlinKit Tbox PlusはUSBに接続して使う。本体を隠したい場合は、別途長めのケーブルを用意して、見えないところに設置しよう

 CarlinKit Tbox Plusを使うには、まずUSB接続でApple CarPlayとして登録する。最初起動したときは、画面の解像度を確認するため再起動されるが、その後はApple CarPlayライクな画面が表示される。最初は言語が英語になっているので、設定から日本語にしよう。入力するキーボードも同様だ。

「設定」の「言語」で日本語の順番をトップにする
起動時に「走行中はビデオを見ないように」とのアラート

 あとは、Wi-Fiで車内のWi-Fiスポットへ接続するように設定する。何かしらのネット接続の手段がないと利用できない。

筆者はWi-Fiで車内Wi-Fiスポットに接続した

 次にGoogleアカウントを設定すれば、Google Playでアプリをダウンロードできるようになる。

Google Playを起動すると、普通にアプリを検索してインストールできる

 動作がどうなるのかちょっと心配だったが、iPhoneでApple CarPlayを操作していたときと変わらず、むしろ通信環境の問題で画像の表示にもたついたほうが気になる程度だった。

 インターフェースは、Apple CarPlayライク(厳密にはAndroidの画面)なので基本的な操作で迷うことはないはず。ただ、設定部分がAndroidのようなので、iPhoneしか使ってない人はそこだけ戸惑うかもしれない。また、設定の「ランチャースタイルタイプ」でアイコン表示タイプか、2画面タイプかを選択できる。

設定の「ランチャースタイルタイプ」で、画面表示のデザインを変更できる
こちらがデフォルトの「スタイル1」
こちらが「スタイル2」。時計表示が大きいので、個人的にはこちらのほうが好み

実際にアプリをインストールして使う

 それでは、アプリをインストールしてどこまで使えるのか検証してみた。まず動画系だが、デフォルトで「YouTube」と「NetFlix」、「VLC」がインストールされており、これらは問題なく利用できる。ほかにインストールしてみたのが「TVer」。こちらは、動画は見られるものの、一度動画を表示すると戻るボタンがないため動画一覧へ戻れない。このあたりがApple CarPlayに最適化されていない弊害だろう。

YouTubeの画面。下から上へのスワイプで関連動画が表示される

 また、筆者はnasneを所有しているので「torne mobile」をインストールしようとしたのだが、できなかった。また、「Video&TV SideView」はインストールできたものの、再生しようとすると「root化されているため再生できない」という旨が表示され、やはり利用できなかった。root化を解除すれば利用できるかもしれないが、そこまでは試していない。

 続いて、SNS系では「Twitter」や「Instagram」「TikTok」をインストールしてみたが、いずれも問題なく利用できた。ただ、TikTokは縦動画なので上下いっぱいに小さく表示されるだけだが、TwitterやInstagramは、画像を画面の横幅いっぱいに表示するため、非常に見づらい。

Twitterの画面。縦画面が基本のアプリは、このような横長画面だと不向き。画像があると横幅いっぱいに表示してしまう

 そこで画面分割機能を使ってみたところ、Instagramは画面分割に対応しておらず、Twitterは横幅が狭まったのでかなり見やすくなった。音声入力ボタンを使ったテキスト入力は可能だが、スマホの方が圧倒的に扱いやすいのでApple CarPlayで利用するかどうかは疑問だ。

左画面にブラウザー、右画面にTwitterを表示したもの。これだけ狭まればかなり見やすくなる

 続いて音楽系だと「YouTube Music」と「Spotify」があらかじめインストールされており、「LINE Music」や「Amazon Music」なども利用できた。ただ、スマホのアプリと同じインターフェースだったので、Apple CarPlayのように再生重視の仕様のほうが、車内では使い勝手がいいかもしれない。

LINE Musicの画面。Apple CarPlayのLINE Musicだと、スマホで再生する楽曲を決めて、Apple CarPlayの画面でそれを再生するという感じだが、こちらはLINE Musicアプリのフル機能が使える

 地図は「Google Map」を使ったが、ナビはできるものの、通常の平面地図は常に北向きの表示なので見づらい。「Yahoo!カーナビ」のようなカーナビアプリのほうが使いやすいかも。

Google Mapの画面。経路探索してナビはできるものの、北を上にした画面なのでドライバーが道を確認する際はわかりづらい

 ドライブに有用なアプリ、たとえば首都高速道路の状況を確認できる「mew-ti」と地図表示を2画面表示すると、かなり便利になる。Apple CarPlayも積極的にこうしたアプリが対応になればいいのだが、アプリ側次第なので今後に期待だ。

「mew-ti」アプリを起動すると、やはり横幅いっぱいに表示されて大変見づらい。そこで赤い矢印で示したフローティングボタンをタップ
メニューアイコンが表示されるので、「画面分割」を選択
あとは、別のアプリを立ち上げると、右側にmew-tiが表示される。これなら見やすくなる
ちなみに、メニューアイコンにある「タスク管理」をタップすれば、アプリ切り替えや上へスワイプでタスクの終了ができる

 このように、普段使っているアプリを試してみたが、音楽系や動画系アプリ、「Showroom」のような配信系アプリなどを同乗者が楽しめるものの、カーナビやmew-tiのようなドライブに有用なアプリ以外は、無理して利用する必要はないなと感じた。ただ、ブラウザーで検索して、目的地を地図で表示し、ナビさせるという使い方もできるので、使い方次第ではかなり活用できるだろう。

Apple CarPlayっぽいUIで動画が見られて満足

 今回はCarlinKit Tbox Plusを使ってみたが、Apple CarPlayで動画を再生したいという目的は達成できたし、現状Apple CarPlayに非対応の「ドライブに有用なアプリ」も利用できるので、家族と一緒に旅行へ行くときも快適に移動できそうだ。SDカードに保存した動画も再生できるので、旅行で撮影した動画をすぐに楽しむなんてこともできる。

 ハンズフリーフォン機能は、CarlinKit Tbox PlusとスマホをBluetoothでペアリングすると利用できる。また、デフォルトでインストールされている「AutoKit」アプリを使うと、BluetoothでペアリングしたiPhoneのApple CarPlayが使えるようになる。CarlinKit Tbox PlusとApple CarPlayは切り替えられるので、使い分けること可能だ。

 ただし、スマホとの接続はワイヤレス接続のみのため、スマホのWi-Fi接続が解除されるので、筆者のように車内Wi-Fiスポットを利用している場合は注意が必要だ。

Bluetoothでペアリングしておけば、ハンズフリーフォンとしても利用できる
AutoKitアプリを使うと、ペアリングされた機器でApple CarPlayが有効なら、ワイヤレス接続でApple CarPlayの表示が可能になる

 CarlinKit Tbox Plusの価格は3万5599円で、場合によってはセールだったりクーポンだったりで安くなっていることもある。筆者はちょうどタイムセールをしていたので、2万2559円で入手した。いろいろと検索すれば、より安く入手できるかもしれない。Apple CarPlayに満足していないのであれば、こうした製品を利用するのも1つの手だ。

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