巨大な空冷CPUクーラーが実装できるB760Mゲーミングマザーボード、「NH-D15」「忍者 五」「AK620」で試してみた
ASCII.jp / 2023年5月10日 13時30分
ハイエンドよりもメインストリームのパイが大きいのは当然のこと。そのメインストリームには製品がひしめきあっている。そんな中から、自分好みのデザイン、自分が求めるスペックを選び出すのは難しいものだ。今回は鉄板のメインストリーム向けゲーミングマザーボードのMSI「MAG B760M MORTAR WIFI」を紹介する。シルバーのヒートシンクがPC内部にアクセントを求める方にマッチするほか、ホワイトPC自作のベースにも最適。スペックとしてはMAG B760M MORTAR WIFIと言うよりはMAG B760M MORTARシリーズとして紹介しよう。シリーズには4モデルもあるので求めるスペックが見つかるはずだ。
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小さめでもゲーミングの要求を満たしてくれる拡張性
MAG B760M MORTAR WIFIはmicroATXフォームファクタ。拡張性ではMini-ITX以上、ATX以下、一方サイズはATXより小さく、Mini-ITXよりは大きい。ただ、現在ではビデオカード以外の拡張カードを挿す機会も減り、一方でMini-ITX向けケースでは昨今のハイエンドビデオカードがサイズ的、熱量的に収まりづらくなってきている。つまり、3スロット超のハイエンドビデオカードをメインにPCを組もうというならば、microATXこそ拡張性、サイズ感、そして価格や冷却性能の点でバランスよい選択肢と言えるのではないだろうか。
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拡張性の点では、MAG B760M MORTAR WIFIにはPCI Express 5.0 x16スロットのほか、3.0 x1スロットが1基、4.0 x4スロットが1基ある。レイアウト的にも仮にちょうど3スロットか、それ以下のビデオカードとの組み合わせなら最下段のx4スロットが利用できる。そのうえメモリスロットは4本。一般的に2スロット止まりのMini-ITXでは実現し得ない128GB超の大容量メモリも実現可能だ。M.2スロットは控え目のGen4×2スロットだが、OS用、データ用としてドライブを分ける一般的な利用スタイルであれば問題ない。それにストレージは4ポートのSerial ATAでもカバーできるほか、USBやネットワークなどの外部接続でもカバーできる。
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メモリに関して補足すると、本製品はDDR5モデルだ。DDR4モデルは別途「MAG B760M MORTAR WIFI DDR4」が用意されているのでそちらを検討いただきたい。ただ、DDR5メモリも最近はまずまず安くなってきている。以前のように同容量で2倍以上なんてこともなくなった。お手元のDDR4メモリを流用したいならDDR4モデルのほうがよいが、これから新規で組むならDDR5メモリを選んだほうが将来性の点ではよいのではないだろうか。
MAG B760M MORTAR WIFIはゲーミングモデルなので、インターフェースも充実している。ネットワークでは有線LANが2.5GbE(Realtek)、無線LANがWi-Fi 6E(Intel)とどちらも高速。USB Type-CもリアにUSB 3.2 Gen2x2 Type-C、フロント用にUSB 3.2 Gen2 Type-Cヘッダーを備えている。非ゲーミングモデルでは省かれがちなType-Cをダブルで搭載しているのは心強い。
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このように、メインストリームクラスのゲーミングPCのベースとしては申し分ない。
ホワイトPC自作にもオススメ。シルバーヒートシンクモデル
MAG B760M MORTAR WIFIの特徴と言えるのがシルバーのヒートシンク。ヘアライン加工が施されてマットな表面処理は、ケースに納めるとホワイトのようでありながらやや明るい印象だ。最近、メモリはもちろんビデオカードにもホワイトモデルが増えてきている。MAG B760M MORTAR WIFIはホワイトPC自作用マザーボードとしても有力候補と言えるだろう。
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バックパネルはホワイト。ホワイトPCにこだわる方ならここもポイントが高いだろう。端子を見ると、USB 2.0×4、USB 3.2 Gen2×3、USB 3.2 Gen2x2 Type-C×1、そして映像出力にHDMI×1、DisplayPort×1、ネットワークが有線2.5GbEと無線Wi-Fi 6E用のアンテナ、そしてS/PDIFを含むオーディオ入出力がある。
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ちなみに、MSIのIntel B760搭載MAG MORTARシリーズは4モデル展開ですべてシルバーヒートシンクのmicroATX。DDR5モデルとDDR4モデルがそれぞれ2つずつで、デザイン上では通常モデルがM.2ヒートシンク1基、MAXモデルが2基となる。
このように、MAG B760M MORTARはメモリ仕様やヒートシンクといったPC DIYユーザーのこだわりに応えるラインナップだ。
なお、ブラックPCが組みたいという方もいらっしゃるだろう。コスパのよいMAG B760シリーズでブラックモデルはないか……とお探しなら「MAG B760 TOMAHAWK WIFI」「MAG B760 TOMAHAWK WIFI DDR4」がオススメだ。microATXではなくATXフォームファクタだが、デザインはヒートシンクカラーが異なるくらいの違い。拡張スロットの帯域やM.2スロットが1つ増える、いくつかのUSBが増えるといったスペック上の違いもある。こちらもDDR5モデル、DDR4モデルが用意されているので、お好みのメモリでモデルを選ぼう。
余裕のあるVRM設計に大型ヒートシンク。空冷クーラーとの相性も◎
ただ、ホワイトっぽいというだけではない。MAG B760M MORTAR WIFIのヒートシンクはMSIならではの超大型ヒートシンクを採用しているので冷却性能も優れている。とくにCPUソケット左のヒートシンクはVRM部分からバックパネルまで一体でかつ彫り込みも多い。冷却性能の目安となる表面積もかなり大きく、VRMの発熱を効率的に冷やすことができる。
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なお、大型ヒートシンクということで空冷CPUクーラーとのフィッティングを気にする方もいらっしゃるかもしれない。たしかにCPUソケットの上辺、左辺はリテンションホールとのスペースも小さめだが、ヒートシンク側も一段高さを低くしており、やぐらのすぐ上からヒートパイプがはみ出す、あるいはヒートシンクが突き出るCPUクーラーでも干渉が抑えられている。実際、大型CPUクーラーで人気のNoctua「NH-D15」、サイズ「忍者 五」、DeepCool「AK620」でも問題なく装着可能だ。どちらかと言えば、ケースとの干渉に注意したほうがよいだろう。
DeepCool「AK620」装着例
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サイズ「忍者 五」装着例
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Noctua「NH-D15」装着例
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ここでゲーミングの本命、VRM設計を見ていきたい。高性能CPUを組み合わせた際に性能を引き出せるかどうかは、CPUクーラーとVRMの二つとも重要だ。
MAG B760M MORTAR WIFIのVRMは12+1+1フェーズ構成。フェーズダブラーは用いておらず、1フェーズに対し直接2つのMOSFETが接続されているDuet Rail Power System(DRPS)回路を採用している。MOSFETは75A対応のSmart Power Stage(SPS)。そしてここに電力を供給するEPS12Vは2系統搭載している。十分な電力供給に、75A×12フェーズのCPU用VRMが組み合わされることで、CPUのブーストを引き出し持続させる。
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冷却性能を求める方は注目したいモデル
今回は、コスパのよいゲーミングPC、小さくても十分な機能かつ見た目も重視したいというニーズに応えるMSIのMAG B760M MORTAR WIFIをご紹介した。中段で説明したとおり、同シリーズでは既存のDDR4メモリを使いまわしたい方も、新規でDDR5移行を検討している方も、対応モデルが用意されている。拡張スロットに関しては、CPUが扱えるPCI Expressレーン数的にATXとmicroATXの差は小さい。エンスージアストのニーズを除けば、メインストリーム用途ではもはやmicroATXで十分という考え方もできる。PCケースでもmicroATXはATXモデルと比べると若干割安で、コスパを求めるならよい選択肢と言える。
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MAG B760M MORTARシリーズの推しはやはりヒートシンクデザイン。シルバーカラーはホワイトPCにも最適と説明したとおりだが、ブラックPCの中にひとつ差し色が欲しいという方にもオススメだ。形状としては非常にシンプルで嫌味がなく、冷却性能でも大型でしっかりとした設計。その下のVRMもかなり余裕を持たせた設計なので、大型ヒートシンクと合わせ、適度なエアフローがあれば高性能CPUを組み合わせても温度上昇に悩まされることがない。ちょうどこれからゴールデンウィークを迎える。この連休でゲーミングPCを組むならMSI「MAG B760M MORTAR WIFI」で決まりだ。
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