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シャオミの2万円切りスマホ「Redmi 12C」は、実際のところ使えるのか?

ASCII.jp / 2023年5月7日 12時0分

 これまで低価格ながら、しっかり使える性能を持つスマートフォンをリリースしてきたシャオミだが、2023年の新製品として「Redmi 12C」を発売した。価格は1万9800円から。値上げだらけの昨今、うれしい価格設定だが、この価格でも使える機種になっているのだろうか。

シャオミから登場した1万9800円からの「Redmi 12C」

シャオミの低価格機は毎回注目が集まる

 シャオミの低価格機といえば、2020年には「Redmi Note 9S」が話題になった。2万9800円でミドルハイクラスのプロセッサー、6GBメモリー、128GBストレージとそれまでの相場観とは違うハイスペックで登場した。

 その後も、2021年の「Redmi 9T」、2022年の「Redmi Note 11」としっかり使える低価格機を出している。とにかく安い機種が希望なら、筆者もオススメしていた。

 しかし世の中は変わり、世界的な物価上昇とともに円安も進行している。そんな状況でさらに価格を下げて1万円台で登場したシャオミの低価格機がどうなっているのか見ていこう。

残念ながらスペックはかなり低い USB端子もmicroUSB

 Redmi 12Cは、SoCに「MediaTek Helio G85」を搭載する。おなじみのSnapdragonシリーズと違い、性能のランクがわかりづらいが、2~3年前のミドルクラス程度となる。

背面はプラスチックな質感だが、安っぽさを感じない処理がなされている

 さらに気になるのはメモリーが3GBと少ないこと。Redmi 12Cには4GBタイプもあるようだが、MVNOでのセット販売、量販店などでの一般販売、いずれも現在出回ってるのは3GBタイプが中心のようだ。

 最近の低価格スマートフォンでは「メモリー拡張」といった表現で、ストレージの一部を仮想メモリーとして使える機能をアピールしている製品があるが、Redmi 12Cも同様に、3GBモデルでは2GBの割り当てで合計5GBになるという。ただし、仮想メモリー自体はPCでも昔から使われている技術で目新しいものではなく、アクセス速度も遅くなる。

 ディスプレーは、6.71型液晶で解像度も720×1650。Android機ではフルHD以上の解像度が多いなかではちょっとさびしい。カメラはメインが5000万画素でポートレート撮影用の補助レンズを搭載する。この構成を2眼と言っていいのか微妙なところ。フロントカメラは500万画素で、ともにフルHD/30fpsの動画撮影に対応する。

リアのカメラは実質上1眼カメラ
フロントのカメラは液晶の切り欠きが少ない配置
下部の端子はmicroUSB。スピーカーも下部に1つでモノラル

 そして非常に細かなことだが、これまでのシャオミ機では画面フィルムが最初から装着されていたが、Redmi 12Cはそうではなかった。また、ケースも付属していない。その半面、ACアダプターと充電ケーブルが付属し、箱も他のRedmiシリーズと同じく、少し立派なものが使われている。

購入時に貼られているフィルムは着けたまま使えるものではない

 物価高騰や円安のなかで登場した低価格機種のため、スペック的にやや絞られたのも致し方ないのかもしれない。

さすがにちょっと遅いが、安定したら普通に使えるのも確か

 実際に使ってみると、SoCが少し前のミドルクラス級ということもあって、一度起動していまえばほぼ普通に使えてしまう。キャリアモデルの中でも安価なエントリークラスだと、なにかの動作をするたびに待たされるような機種も現実にあるが、それに比べればかなりマシな印象を持つ。

画面の粗さは肉眼ではさほど感じにくい

 ただし、アプリの起動が遅く、動かしているアプリが多くなってくるとさらに遅くなるという印象は受けた。特に初期設定のときにはアプリ更新などさまざまなタスクが同時に走っているが、かなり動作が遅くなり、日本語入力も入力ボックスにタッチして文字盤が表示されるまで間が空くなどの問題があった。

音量ボタンなどは右側面にある

 それでもセットアップなどが終われば、動作が落ち着いてくる。初めにRedmi 12Cを手にして電源を入れたときは動作のひっかかりを強く感じるかもしれないが、徐々に普通に動くようになる。

 というわけで、快適に使い続けたいならば、動かすアプリは最小限に絞るのがいいだろう。最近ではいろんなお店に行くたびに、初回クーポンなどでユーザーにアプリをインストールさせようとするが、そんなことにならないように常にアプリの整理を心がける必要がある。

 また、ディスプレイの解像度はさすがに低く感じる。また液晶ゆえに視野角が有機ELに比べて狭いが、電車の中などで横からののぞき見がしずらいと考えると逆にメリットと言えるかもしれない。

 サウンドについては、スピーカーは下部に1つだけのモノラル。その代わりにイヤホン端子がある。

イヤホン端子は上部に配置

格安SIM的には4Gまでのサポートだが いたって普通のデュアルSIM機

 次に、格安SIMを利用する視点から見てみる。まず、eSIMには非対応。その代わりに物理SIM×2枚が利用できる。2枚目のSIMがeSIMか物理SIMのどちらがいいかはユーザー次第だが、即日開通させてすぐ使いたいという必要がなければ、現時点では物理SIM×2枚の方が使い勝手がいいだろう。

 また、5Gには非対応だが、4Gの対応バンドは1/2/3/4/5/7/8/13/18/19/26/28/66/38/40/41とドコモ/au/ソフトバンク/楽天モバイルの4社で使え、プラチナバンドもサポートするためエリアの点で問題になることはないだろう。

クイック設定パネルからモバイル通信のアイコンを長押しでSIMの切り替えができる
SIMの設定画面でデータを切り替え可能

 2枚のSIMを切り替えて使う人にとっても、操作は比較的簡単だ。上からスワイプすると開くクイック設定パネルから、モバイル通信のアイコンを長押し、そこで出るメニューからSIMの1と2を切り替える。最近の例だと、Pixelシリーズで使えるAndroid 13の標準UIでは、通信先の切り替えが面倒だったりするが、それと比べると簡単だ。

 なお、本体ストレージは64GBと今となっては少なめ。となると、重要なのはmicroSDカードの増設。その点Redmi 12Cでは物理SIM2枚とは別にmicroSDカードの利用が可能で、データをカードに退避させることもしやすい。

物理SIM2枚にプラスして、microSDカードも装着できる

ただ、旧機種のRedmi Note 11が買えるなら、そっちが良さそう!?

 Redmi 12C単体で見れば、少し前のエントリー機という印象は否めないものの、使い物にならないわけではなく、動画を見るというような用途ならまったく気にならない。

 ただし、現時点では2022年発売のRedmi Note 11という選択肢もあるので、同じ2万円前後ならRedmi Note 11の方がオススメと言えるだろう。Snapdragon 680や4GBメモリーを搭載するなど、全体的に快適に利用でき、一般の人が普通に使える性能を持っているからだ。

入門用のスマホとして考えるなら もう少し性能が上の機種がいいだろう

 最近では、Redmi 12Cをはじめとして、使い方によっては我慢を強いられるスペックの機種が増えてきた。近い価格帯で言えば、同じSoCのモトローラ「moto g13」やOPPOの「OPPO A77」。さらにはaiwaデジタルの製品などだ。

 これらの機種は安価ゆえに「入門用」という表現が使われがちだが、スマートフォンのさまざまな使われ方を考えれば、入門者であればこそ、もう少し上の性能を持った機種が望ましいだろう。

 Redmi 12Cを初めとして、このクラスの機種を選ぶときは、とにかく安く動画再生機が欲しい場合や、SIMを2枚使える機種が必要という風に目的がハッキリしている方がいいだろう。格安SIMの契約時に安く買えるスマートフォンとして、これからRedmi 12Cを目にする機会も多くなるはずで、機種を選ぶ際に参考にしてほしい。

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