ソニー、Xperiaの新モデル「Xperia 1 V」とSIMフリー版、「Xperia 10 V」を発表

ASCII.jp / 2023年5月11日 13時3分

　ソニーは11日、Xperiaのフラッグシップ「Xperia 1 V」とミドルクラスの「Xperia 10 V」をグローバルで発表した。あわせてSIMフリー版のXperia 1 Vも発表。7月下旬以降の発売で、価格は19万5000円前後を予定している。

3D iToFセンサーがなくなったがカメラが進化した「Xperia 1 V」

　Xperia 1 Vは6.5型の有機ELディスプレー（4K、21:9、120Hz、HDR）はそのままに、SoCにSnapdragon 8 Gen 2を搭載。メモリーは12GBまたは16GB、ストレージは256GBまたは512GB（最大1TBのmicroSD対応）、バッテリーは5000mAhの大容量で、フルステージスピーカーを採用するなど、普段使いからエンタメ用途まで不満なく使えるスペックになっている。5Gはミリ波にも対応する。

　本体サイズは約71×165×8.3mm、重量は187gと、全モデル比で1mm厚くなり、2g増えた。カラバリはブラック、カーキグリーン、プラチナシルバーの3色が用意される。

　大きく進化したのはカメラで、これまで1220万画素にこだわっていたXperiaだったが、Xperia 1 Vから24mm相当の標準レンズが有効画素4800万になった（フルアスペクト画素数は5200万）。センサーも新開発の2層トランジスタ画素積層型「Exmor T for mobile」を搭載し、低照度性能が前モデルと比べ約2倍向上しているという。そのほか16mm相当の超広角、と85-125mm相当の望遠レンズは前モデルと変わらず1220万画素だ。

3D iToFセンサーが廃止になった。また、フラッシュの右側にある穴は声優先マイク

　また、今回から3D iToFセンサーが非搭載になったのもトピック。Xperia 1 VではAI性能を大幅に高めたので、必要なくなったとのこと。ToFセンサーが苦手としていた遠くの被写体や画面の端にいる被写体も、AIにより深度情報をリアルタイムに推定して高精度にAFを合わせることが可能で、正確なホワイトバランスや周囲の状況に合わせた設定をAIがしてくれる。動画性能も、カラーグレーディングを施さなくても人肌の質感を美しく描写してくれる「S-Cinetone for mobile」でシネマティックな画作りを実現する。

　新しくカメラ機能に加わった「商品レビュー用設定」は、顔ではなく商品にピントを合わせてくれる。さらにカメラの横には声優先マイク（正面の被写体の声を鮮明に集音する）もあるので、たとえばガジェットレビューなどをしているYouTuberやVlogerにはうれしい機能だ。

　なお、フロントカメラは前モデルからの変更はなく、1220万画素のまま。

　ゲーミング機能のゲームエンハンサーは、シャッターボタンでスクショができるという機能が加わった以外は大きな変更はなし。ゲーマーにとって朗報なのは、ゲーミングアタッチメントの「Xperia Stream」がそのまま使えるということだろう。本体を強力に冷やしつつ、有線LAN接続で安定したプレイができるのは、対戦型ゲームをするうえで非常に心強い。

　そのほか、防水防塵や指紋認証、イヤホンジャックやハイレゾ対応など、従来からの好評な部分はすべて継承している。また物理SIM+eSIMのデュアルSIMに対応する。

　SIMフリーモデルの差違は、ミリ波がカット、メモリーとストレージが16GB+512GBのみといったところ。それ以外は通常モデルと変わらない。ミリ波が必要ないのであればSIMフリーモデルも選択肢に入れてみてはいかがだろう。

サイズが大きくなったのに軽くなったバッテリーも長持ちの「Xperia 10 V」

　ミッドレンジの「Xperia 10 V」はディスプレーサイズが0.1型大きくなり、Xperia 5シリーズと同じ6.1型になったことが特徴。パネルは有機ELで解像度は1080×2520ドット、輝度は前モデル比で1.5倍向上した。本体サイズは約68×155×8.3mmと横に1mm、縦に2mm大型化したにもかかわらず、重量は159gと2gも減っている。5000mAh以上のバッテリーを搭載する5Gスマホの中で世界最軽量という記録をまた更新した。

　スペックはSoCがSnapdragon 695と変わらず。メモリーは6GB、ストレージは128GB、バッテリーは前述のように5000mAh、そしてフロントにステレオスピーカーを備えている。カメラは3眼で、超広角（16mm相当）と望遠（54mm相当）、フロントカメラは800万画素と変わらないが、標準（26mm相当）は4800万画素と、ハイエンドのXperia 1 Vと同じ画素数になった。センサーサイズは従来の1/2.8型から1/2型へと大型化、暗所性能が約60％向上している。光学式手ぶれ補正は動画、静止画ともに対応するので、ブレを気にせず撮影できるのもメリット。

　フロントステレオスピーカーは前モデル比で音圧が20％アップ。ディスプレー前面にスピーカーが配置されているので、左右のバランスが良く、違和感なく動画やゲームが楽しめるのもシリーズでおなじみ。さらに3.5mmのオーディオジャックや楽曲を立体的に再現する360 Reality Audio Upmix、ワイヤードでもワイヤレスでもハイレゾが楽しめるなど、ハイエンドに匹敵するエンタメ機能を備えている。