Google Pixelの新製品に見た「ミライのスマホとタブレット」
ASCII.jp / 2023年5月13日 9時0分
グーグルが2023年の開発者会議「Google I/O」を開催しました。今回のイベントでは、新たに日本語にも対応するグーグルのAIチャットボット「Bard(バード)」や、Google Pixelの新しいデバイスの話題が盛りだくさんでした。グーグルのAIにより、私たちが日ごろ使っているデジタルデバイスがどのように変わろうとしているのか、Google I/Oの発表を受けて考察してみたいと思います。
グーグル「Bard」が日本語対応
Bardは現在グーグルが開発を進める大規模言語モデルの「PaLM2」をベースにした生成AIチャットボットです。ライバルにはOpenAIの大規模言語モデルである「GPT」をベースとする、あの有名な「ChatGPT」があります。
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Bardは現在グーグルによる試験運用中のサービスとして、Chromeなどウェブブラウザー上で利用できます。URLは「https://bard.google.com/」。事前にGoogleアカウントをつくる必要があります。
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Google I/Oがスタートした日本時間の5月11日から、Bardが日本語にも対応しています。筆者も試してみました。質問の内容にもよると思いますが、ChatGPTよりもBardの方が回答の生成が早くできるようです。回答のテキスト全文が素速く、一息に生成されるBardのユーザーインターフェースの方が、せっかちな筆者には合っているようにも感じます。
AIチャットボットはタブレットの価値を変える?
Google I/Oの基調講演では、グーグルによるPixelシリーズ初のタブレット「Google Pixel Tablet」の詳細が明らかにされました。高性能な純正チップセット「Tensor G2」を搭載する11インチのAndroidタブレットです。日本でも6月20日に発売されます。
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本機のもっとも興味深いポイントは、専用の充電スピーカーホルダーにタブレットを装着すると、Google Nest Hubシリーズのような据置型スマートディスプレーになるところです。スピーカーホルダーに内蔵するスピーカーがパワフルなサウンドを再生する、エンターテインメント連携もまたユニークです。
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ブラウザー版のBardも、音声によるテキスト入力機能を使ってAIに質問を伝えられます。Pixel Tabletの音声入力インターフェースをGoogleアシスタントだけでなくBardの利用にも最適化できれば、人とコミュニケーションを交わせるAIロボットとしてもタブレットの価値が拡大しそうです。Pixel Tabletは高精細なディスプレーを搭載しているので、画面にアバターなどを表示してタブレットをキャラクター化できれば、さらに深くのめり込んでしまうと思います。
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リアルタイム翻訳のストレスを解消するデュアル スクリーン
今年のGoogle I/O 基調講演では、Pixelシリーズ初の折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」も発表されました。7.6インチの正方形に近いディスプレーを縦に構えて、中心を垂直方向に折りたたむデザインです。発売は7月中旬を予定しています。
本機にもグーグル純正のTensor G2チップが採用されています。高性能なカメラ、テーブルトップモードでより快適に楽しめる動画視聴など見どころは盛りだくさんです。筆者はグーグルがAndroid 14をリリースするタイミングに合わせて、本機に提供を予定する「Dual Screen Interpreter Mode」に注目しました。本体の内側と外側に搭載する両方のディスプレーに、リアルタイム翻訳の内容を表示できる機能です。
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同じTensor G2チップを搭載するGoogle Pixel 7でも、リアルタイム翻訳がとてもスピーディーにできます。日本語と英語間での翻訳に関しては、その精度が実用に耐えられるほどハイレベルであると筆者は思います。今まではスマホに話しかけてから、「ほらっ、見て!」と会話の相手にスマホの画面を向ける行為に何となく気後れしてしまいました。Pixel Foldは本体外側に搭載する5.8インチのカバーディスプレーを相手に向けて翻訳を見せられるので、コミュニケーションがいくぶんかスムーズになりそうです。
あとは訳文を同時に音声で再生したり、画面にアバターを表示して相手に訳文を楽しく読んでもらう工夫をプラスしたいところ。Pixel Foldのデュアル スクリーンを活用した、サードパーティのリアルタイム翻訳アプリの登場も楽しみです。
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今年のGoogle I/Oでは広がり続けるAndroidのエコシステムの展望も紹介されました。グーグルはサムスンと連携して「XRグラス」を開発しているそうです。グーグルのチャットAI、外国語翻訳などのサービスをより快適に活用するために欠かせないデバイスにもなるのでしょうか。続報を楽しみに待ちましょう。
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筆者紹介――山本 敦 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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