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OPPOの折りたたみスマホ「Find N2」は横型ワイド画面が使いやすい

ASCII.jp / 2023年5月18日 12時0分

OPPO Find N2

 OPPOの横折り式のスマートフォン「Find N2」は他社の折りたたみスマートフォンとは異なり、本体を開くと横手方向に長い画面となるデザインだ。このスタイルは5月10日にグーグルが発表した「Pixel Fold」も追従しており、折りたたみスマートフォンの中でも今後1つのカテゴリーの製品として他社の追従があるかもしれない。Find N2を試用する機会があったのでレビューをお届けする。

小型ボディーで片手でも使いやすい

 Find N2は名前からわかるようにOPPOの2機種目となる横折り式のスマートフォンで、初代モデル「Find N」より本体サイズの薄型軽量化と、カメラの性能アップなどが計られている。チップセットはSnapdragon 8+ Gen 1を採用。閉じたときのディスプレーサイズは5.54型(2120×1080ドット)でアスペクト比は18:9。閉じたままでも一般的なスマートフォンと同等の感覚で操作できる。なお前モデルは5.49型(1972×988ドット)だったのでディスプレーサイズは大型化されている。パンチホール式のフロントカメラは3200万画素だ。

18:9のディスプレーは操作しやすい

 背面は5000万画素の広角カメラ、4800万画素の超広角カメラ、3200万画素の2倍望遠カメラを搭載。ハッセルブラッドと提携しており、カメラ性能もかなり高い。本体サイズが他社の折りたたみスマートフォンより小ぶりなので、写真や動画を撮るときに片手で持っても楽に保持できる。折りたたみモデルであることを意識せず使うことができるのだ。バッテリーは4520mAhで67Wの急速充電に対応している。

トリプルカメラはかなりの高画質

 本体サイズは閉じたときが約132.2×72.6×14.6mm、開いたときが約132.2×140.5×7.4mmとなる。前モデルとの比較では厚さがそれぞれ15.6mm、8mmだったのでかなり薄くなった。重量も前モデルが275gだったのに対し、Find N2は233gとなり一般的なスマートフォンに近づいた。

233gと折りたたみスマートフォンとしては軽量だ

 ヒンジ部分はすき間なく閉じることができる。ただし防水には非対応だ。写真では見にくいがOPPOのロゴも入っており、同社の製品であることをさりげなくアピールしている。

隙間なくヒンジを閉じることができる

 本体を開くと7.1型(1920×1792ドット)のディスプレーが現れる。120Hz駆動対応で最大輝度は1550ニト。横向きなので写真や動画をそのまま表示しても上下の余白は少なく見やすい。なおPixel Foldは開いたときのディスプレーサイズが7.6型であり、Find N2より一回り大きい。

7.1型ディスプレーは横方向が長い

 もちろん縦向きにすることもできる。プリインストールアプリは見慣れないものが多いが、Find N2は現時点では中国のみの発売のためグーグル系のアプリは非搭載。OSはAndroid 13ベースのColorOS 13を採用している。

ディスプレーを縦方向に回転させた

 開けば7.4mmという厚さは、超小型のタブレットとして使うときも片手で十分保持できる。カメラ部分は出っ張っているが、本体とは曲面で接合されているためあまり目立たないような工夫がされている。

開いたときの厚みは7.4mmだ

折りたたみディスプレーに便利なUI

 Find N2は複数のアプリの表示を手軽にできる。ディスプレーの端にあるハンドル(縦の細いライン)から内側にスワイプするとアプリ一覧が表示される。ここから分割起動したいアプリのアイコンを画面上にスワイプすると、アプリをポップアップ表示、あるいは分割して表示させることができる。

ハンドルをスワイプしてアプリのショートカットを表示

 別のアプリを起動中でも、その上に小さい画面でポップアップ表示できれば、たとえばブラウザーの上に電卓を表示させ、検索した料金を電卓を使って計算するといったこともできる。7.1型の大きい画面ならばポップアップ画面も邪魔にならない。

これはデスクトップに表示した例だが、ポップアップ画面も邪魔にならない

 2つのアプリの分割表示では左右均等の表示のほか、真ん中のハンドルを動かせば片側のウィンドウをより広げた状態でも表示できる。SNSを開きながらの検索など、この使い方も便利だろう。

2つのアプリの表示も自在

 今回は試せなかったが、別売の専用スタイラス「OPPO Pen」(599元、約1万2000円)を使えば手書き入力にも対応してる。OPPO Penのサイズは長さ128mm、重量10.5g。充電式で、一度の充電で11時間の使用が可能。筆圧にも対応し、OPPO開発のO-HAPTICS for Pen機能により画面タッチした際にペン側にタッチの感触が伝わるという。紙に書いている感覚で手書きできるとのことである。

手書きを可能にするOPPO Pen(OPPOのECサイトの写真より)

 ヒンジは完全に開く途中の部分でも、ある程度の角度で止めて使うことができる。実際に折り曲げてみると止められる角度の範囲はサムスンの「Galaxy Z Fold4」と比べると狭いようだ。とはいえ、実用上は問題ない角度であり、机の上に置いて動画を見るときなどにも十分使える。

画面を曲げても途中でヒンジは止まる
最大の角度はこの程度だ

 カメラや動画再生、音楽再生など一部のアプリは、ヒンジを曲げた状態でアプリの画面を2つに分割表示できる。カメラなら上側がライブプレビュー、下側にシャッターボタンなど操作系のボタンが並ぶ。すべてのアプリが対応しているわけではないが、サードパーティーのアプリの中には他メーカーの折りたたみスマートフォンの分割表示に対応しているものもあり、そのようなアプリならFind N2でも分割表示ができる。

カメラアプリなどはヒンジを曲げた状態で分割表示できる

 Snapdragon 8+ Gen 1を搭載しており、本体の操作性は全体的にきびきびしている。2つのアプリの同時表示も問題ない。AnTuTuのスコアは1063304と好スコアだった。

AnTuTuのスコア結果

ハイエンドモデルと変わらぬ高性能なカメラ

 本体を開いたときのカメラUIは大画面を両手で使うレイアウトとなっている。真ん中にプレビュー、左側にモードや設定の切り替え、右側にシャッターボタンなどが並ぶ。開いた状態では片手で持って撮影することは現実的ではなく、このUIは慣れればすぐに操作を切り替えできるので理にかなったものだと感じられた。もちろん本体を閉じれば片手持ちで撮影できるが、開いた状態のほうがプレビューも大きく表示されるためより撮影しやすいだろう。

本体を開いたときのカメラUI

 本体を曲げてのカメラ操作は三脚いらずで、集合写真を撮るときなど使い道は多そうだ。風景写真を撮るときでもちょうどいい高さにベンチなどがあれば、Find N2を置いてそのまま撮影ができる。そして高画質な3つのカメラを搭載しているため、どの画角で撮影してもきれいな写真や動画を保存できるわけだ。

画面を曲げれば三脚いらずの撮影も可能

 内側の7.1型ディスプレーにも3200万画素カメラは搭載しているが、メインカメラを使って自撮りする際はアウトディスプレーでプレビューしながらの撮影もできる。

メインカメラを使った自撮りもしやすい

 では実際にFind N2で撮った作例をいくつか紹介しよう。

超広角撮影。標準ではドットビニングにより4000×3000ドット(1200万画素)となる
超広角で4800万画素に固定して撮影
標準撮影。こちらもドットビニングで4096×3072ドット(1200万画素)
標準で5000万画素撮影
2倍撮影。標準では同様に3280×2264ドットとなる
デジタル10倍撮影
ボケを比較するためポートレートで開放撮影
ポートレートで絞りを最小にしてみた
マクロ撮影モードではこの程度まで近寄れる
ハッセルブラッドのXPANモード
標準でナイトモード撮影

【まとめ】小型で使いやすくカメラも高性能 日本人好みな折りたたみモデル

 Find N2は閉じたときのサイズが小さいため、片手でも操作でき最近のスマートフォンよりも軽快に操作できる。動画を見るときなどは画面を広げれば7.1型となり、タブレットほどの大きさはないものの一般的なスマートフォンより十分にサイズは大きい。そして3つのカメラはいずれも高画質だ。

 ポケットにも入る大きさで大画面を使えるFind N2は日本の市場にもあった折りたたみスマートフォンと感じられた。中国以外での販売に期待したいものだ。

日本でも受けそうなサイズと性能の製品だ

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