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窓用100dBの防犯アラームを「モバイルPCの置き引き」対策に衝動買い

ASCII.jp / 2023年5月19日 11時30分

窓用防犯アラーム警報機を自宅のテラス窓用に取り付けた後、モバイルPCの離席時の置き引き防止アラーム装置として追加で衝動買い

防犯ガジェットの普及と現状

 今から20年ほど前、筆者がまだ某社のモバイルPCの商品企画や商品戦略に関わっていた頃、空港のラウンジやホテル、カフェではフリーWiFiが普及し、企業ではオン・ザ・ウェイ(移動中)や宿泊先のホテルでモバイルPCを使って仕事をするということが、先進ビジネスパーソンの間では当たり前の様になってきていた。

 そんな時にチームメイトのモバイルPCのエンジニアと筆者で、後付けできるモバイルPCの盗難防止アラームユニットを作ろうという話で盛り上がった。幸い支援してくれるというメーカーさんが現れ、勢いで作ってしまったのが「Security Alarm System」(SAS)という極めて普通の名前のユニットだった。

20年ほど前に友人のエンジニアと筆者で企画して作ったモバイルPC置き引き防止アラームシステム(SAS)。これも当時100dBで話題になったが、安全大国日本ではそれほど売れなかった。モバイルPCの下敷きとしてセットして安全装置のピンを抜くのが楽しかった

 単3乾電池で駆動する棒状のスタンド型ユニットは、載せたモバイルPCが持ち上げられ軽くなるとるSAS底面のスイッチボタンが飛び出しスイッチオンとなり、大音量の100dBで鳴り周囲は大騒ぎとなる。設置はSASの上にモバイルPCを載せて、重量でSAS底面のスイッチボタンを押し込み同時にSASの側面にあるピンを引き抜くだけだ。

 イメージは戦争ドラマでおなじみの手榴弾のピンを抜いて、またホールドし続けているイメージだ。運悪くアラームが鳴りだすと再度ピンを挿し戻すまで、100dBの大音量は鳴りやまない仕組みだ。きっと現在でも即使える仕様だ。

 制作者の二人はシンプルな構造と使いやすさで大満足だったが、当時はほとんど売れず、協力してくれたメーカーさんにはご迷惑をかけてしまった。モバイルPCの盗難(置き引き)への脅威の感じ方や対応策は今も当時と変わらないかもしれないが、どうも日本は基本的に安全な国らしく、あれから今までの間に発売されたモバイルPCの防犯ガジェットも、筆者の知る限りキングジムのTrene(以降、トレネ)だけのような気がする。

何年か前にも買ったULTRA-SLIM WINDOW ALERT。薄くてガラス窓に貼れるのが特徴だ。理由は分からないが販売店によって1個1000円くらいから4000円くらいまである

 実はモバイルPCの防犯とは関係なく、最近は物騒な事件が多く自宅のセキュリティ周りを見直そうと考えて、この世界ではけっこう定番でコスパの優れたドーベルマン・セキュリティの「ULTRA-SLIM WINDOW ALERT」(以降、薄型「窓用防犯アラーム警報機」)を我が家のテラス窓用に2セット購入した。

パッケージの中には本体、取説(英文)、丸いステッカー、販社からあと3枚ほどの日本語のステッカーが付いてくる

 以前、同じ窓用防犯アラーム警報機を購入した時は海外で売られているパッケージそのモノだったが、今回ネットショップで購入した商品は日本語で「防犯装置作動中」を示すステッカーが3サイズ付属していた。この窓用防犯アラーム警報機は、国内でも販売店によって価格が4倍くらい違う場合があるので要注意だ。もちろん筆者はざっと見て一番安いと思ったお店で、送料込み1個1090円で購入した。

 窓用防犯アラーム警報機は、振動を感知すると大音量100dBで30秒間鳴り続ける。駆動用にLR44ボタン電池を3個を本体の下半分のカバーの中に内蔵している。本体の上半分の中央には、丸穴の開いたスピーカー、スピーカーの左下は赤いLEDランプ、右側には電源オン/オフのための小さなスライドスイッチがある。

バッテリーはLR44が3個、本体には電源オンオフスイッチと、スピーカー、LEDランプがある

 スライドスイッチを「ON」にすると、まずLEDライトが4回赤く点滅し5回目の点灯時にスピーカーから「ピッ」という音が鳴り消灯すると、振動センサーやそれに連動したアラームを鳴らす「ARMED」(武装した)状態となって待機する。本番ではなく誤操作で何らかの振動や力が加わってアラームが大音量で鳴った場合は、速やかにスライドスイッチをオフにすることで、アラームは停止する。

実際に我が家のテラス窓に取り付けた。我が家はガラスではなくアルミサッシに取り付けた

 今回、筆者宅ではこの2個の窓用防犯アラーム警報機を、テラス側の窓ガラスではなくサッシ側に取り付けた。基本的に厚さは8mmほどなので、引き違い窓や扉にでもサッシ部のどこにでも取り付けることが可能だ。今回は同時にテラス窓のガラス部分に「ガラス破り防止シート」も取り付けて全体としての防犯性能を高めた。

同時に防犯性を増すために「ガラス破り防止シート」も貼り付けた
最近950円という超破格で手に入れたキングジムの「荷物を見守る」トレネ。上品でお洒落だが緊急時の音量の威嚇度が弱いのが残念だ

窓用防犯アラーム警報機を 「モバイルPCの置き引き防止ツール」に転用

 窓用防犯アラーム警報機を何度かテストしている内に、自宅以外のカフェやコワーキングオフィスなどでモバイルPCを使って作業している時、急な電話受けやドリンクバーやトイレなどの席外し時の「モバイルPCの置き引き防止ツール」に使えそうな予感がした。

両者はサイズ的にはだいぶ違うが、モバイルPC狙う敵から守るコンパニオンとしては許せる大きさだ

 実は先日、破格の950円で特売してたキングジムのトレネ(発売時6800円+税)をウェブで見かけて衝動買いした。スマホとBluetooth連携してステータスを監視できたり、窓用防犯アラーム警報機同様にセンサー機能でアラーム音も鳴らしてくれるが、いかんせんそのサウンドが上品過ぎて、悪意を持ってモバイルPCを持ち逃げしようと画策する人間を威圧するには力不足なのだ。

離席時のイメージはこんな感じで上に置くだけ

 幸いにも厚さ8mm程度の窓用防犯アラーム警報機なら、蓋を閉じたモバイルPCやポメラの上にただ置くだけでも盗難防止効果はありそうだ。しかし窓用防犯アラーム警報機を放り投げてモバイルPC本体だけを持っていかれそうな感じもあるので、最強は窓用防犯アラーム警報機の裏側のテープを剥がしてモバイルPCのディスプレー裏に接着しておくことかもしれない。

裏面の粘着テープでモバイルPCに貼り付けたイメージ。ちょっと度胸が要る
ポメラの液晶裏に貼り付けるとかなり大きいが敵に与える脅威も大きい

 何度か盗難時のパターンや対応を考えている内に、窓用防犯アラーム警報機に以前から付属している丸いステッカーが使えそうな気がしてきた。実はこのステッカーは窓用防犯アラーム警報機をテラス窓などに室内側から貼り付けた時に、窓の外側から透けて見える丸い粘着テープの接着面の部分を隠すと同時に、外部から侵入を試みる人間の目につくように貼る威圧シールだ。

おあつらえ向きなステッカーがオマケで付いているのでこれを使う

 真っ赤な背景に大きなロゴで「ALARM」「PROTECTED BY DOBERMAN SECURITY」と書かれた侵入しようという気迫を挫く目的のステッカーだ。これを窓用防犯アラーム警報機の裏面の粘着テープ部分に注意深く貼り付けることで、モバイルPCの上に置くだけの「置き引き盗難防止アラーム警報機(改)」のでき上がりだ。

ULTRA-SLIM WINDOW ALERTの粘着テープ側に、オマケのステッカーを貼ってモバイルPCの液晶を閉めて上に置くだけで盗難防止の威嚇には十分な凄味がある。表側を上にして置くと簡単に大音量のアラートが鳴る前に、スライドスイッチを切られてしまう。裏側を向けるだけで触れることもできない
裏側

 カフェやコワーキングスペースなど同じ空間に他人が同時にいる場所で、少しの間でも離席をする場合はまず「置き引き盗難防止アラーム警報機(改)」の表面のスライドスイッチの電源を入れ、LEDが赤く4回点滅して5回目に「ピッ」という音が鳴るまでにうつ伏せにして、先ほど貼り付けた赤いシールを上に向けてバイルPCのカバーやキーボードの上にそっと置くだけだ。

最近、近所のファミレスで原稿を書くことの多い筆者は、ドリンクバーに行くときは広げたポメラのキーボードに「置き引き盗難防止アラーム警報機(改)」を裏向けて置いて離席する

 もし貴方の離席中に誰かがモバイルPCを動かしたり持ち上げたりしたら、突然100dBの大音量で「置き引き盗難防止アラーム警報機(改)」が30秒間鳴って周囲に緊急事態を知らせてくれる。大音量を停止するには電源オン/オフ・スライドスイッチをオフ側にスライドするしか手段はない。

 「置き引き盗難防止アラーム警報機(改)」を何度か使っているオーナーなら、うつ伏せに置いてしまったアラームをできる限り速やかに停止させることは、さほど難しくはない。しかし初めてこの大音響を聞いた置き引き目的の輩は、間違いなく焦って対応ができないだろう。

この大きさならモバイルPCのケースにもシャツのポケットにも簡単に入って持ち運べる

 平和な日本。私の知る限りレガシーなケンジントンロックを除けば、この20年で発売されたモバイルPCの盗難防止ガジェットはたった2つだけだ。ひとつは冒頭でご紹介した私が友人のエンジニアと企画製造した100dB大音響のガチなSAS。そしてもうひとつは、キングジムのカフェワーカーのためのオシャレピヨピヨ系。

ファミレスでの原稿書きや企画書作りの3種の神器は、モバイルPC+ポモドーロタイマー+「置き引き盗難防止アラーム警報機(改)」の3つだ

 最近は、近所のガストで朝ご飯を食べながら原稿を書くことの多い筆者。今後はモバイルPCやポメラと一緒に生産性向上のために、タイムマネジメントのできるポモドーロタイマー付きバッテリーバンクと「置き引き盗難防止アラーム警報機(改)」の3点セットを持って出かける予定だ。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:ULTRA-SLIM WINDOW ALERT ・購入:Yahoo!ショッピング ・価格:1090円

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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