Bing AIを仕事に生かす秘訣:効果的なプロンプト構築術
ASCII.jp / 2023年5月19日 11時30分
Bing Chatの苦手な領域を事前に理解しよう
GPT-4をベースにした「Bing Chat」は最新情報を検索したうえで、回答できる優れもの。他愛のない会話をしても楽しいが、時短とクオリティアップのために「たたき台」を活用しよう。
GPT-4はそもそも完ぺきな回答をするものではない。そのため、単純な調べ物は従来の検索サービスを使った方がいい。まずは、Bing Chatが苦手なことをチェックしてみよう。
例えば、筆者の名前で検索すると、執筆したことのない書籍がしれっと入ってくる。それ以外の部分は合っているので、第三者であれば信じてしまうことだろう。
基本的に、テキスト生成AIを仕事で活用する際、最終的なアウトプットを作ろうと思わないほうがいい。AIっぽさが残っていると、クオリティが低くなってしまう。特に、Bing AIは既存の情報を参考にしているので、同じ質問をするとほぼ同じ回答が返ってくる。そのままアウトプットすると、例えば、Googleにコピー判定されて、検索結果の順位を落とされてしまう可能性がある。そもそも、内容が間違っていることもあるので、最低でもファクトチェックは必要だ。
時短とクオリティアップのために「たたき台」を活用しよう
Bing Chat活用のおすすめは「たたき台を作ってもらう」こと。資料でもなんでも0→1のところで時間がかかるものだ。ここを秒で作ってもらうことで、業務効率を爆上げするのが正解だ。
例えば、「デジタルリテラシーの向上」というテーマでプレゼンをすると仮定し、「デジタルリテラシーの向上に関する資料を作成します。構成案を考えてください」と入力してみる。
さらっと4部構成と、総務省の「令和3年版 情報通信白書」といった信頼できるソースを提示してくれた。もう少し、項目数を増やしてほしいので「10項目考えてください」と入力する。即10項目出てきた。最初の「1パスワードの管理方法」の本文も出力させようとすると、箇条書きにする傾向があったので、「箇条書きは絶対に使わないでください」とプロンプトを追加した。「箇条書きは使わないでください」くらいの優しい言い方だと、指示を無視して使ってくるので注意が必要だ。
とは言え、ものの数分でプレゼン資料10枚分の構成案と、その本文を生成できるのは凄い。ここから自分で作成することで、圧倒的な時短とクオリティアップが可能になる。
まともな原稿を出力するのはまだ難しいが、見出しやキャッチコピーを考えるのはお手の物。数を出すのも一瞬なので、その中から選べばいい。ここで活躍するのが、「会話のスタイル」だ。通常は「バランスよく」でいいのだが、この時ばかりは「創造的に」を選んだ方がバリエーション豊かな結果が得られる。
例えば、「デジタルリテラシーを向上させるテーマでプレゼンを実施します。この講座タイトルを10個考えてください」と入力してみると、「バランスよく」では以下の10個が生成された。
- デジタルリテラシーとは何か?
- デジタルリテラシーを高めるためのスキルと方法
- デジタルリテラシーを向上させるためのツールとアプリ
- デジタルリテラシーを向上させるためのトレーニング方法
- デジタルリテラシーを向上させるための実践的なアイデア
- デジタルリテラシーを向上させるための成功事例
- デジタルリテラシーを向上させるための課題と解決策
- デジタルリテラシーを向上させるためのベストプラクティス
- デジタルリテラシーを向上させるためのトレンドと将来展望
- デジタルリテラシーを向上させるための自己学習方法
「創造的に」では以下の10個が生成された。違いは明らかだろう。想定とは違う方向の見出しもあるが、何なら、その内容のプレゼンを聞きたい、と思わせるクオリティだ。
- デジタル時代に必要なスキルとは?~デジタルリテラシーの基礎~
- デジタルリテラシーを高めるための5つのポイント
- デジタルネイティブとデジタルイミグラントの違いと共生の方法
- デジタルリテラシーの4つの要素:情報、コミュニケーション、創造、問題解決
- デジタルリテラシーを身につけるための実践的なワークショップ
- デジタルリテラシーとメディアリテラシーの関係と重要性
- デジタルリテラシーを活かすためのオンラインコミュニティの作り方と活用法
- デジタルリテラシーを教えるための教育法とカリキュラムの例
- デジタルリテラシーに関する最新の研究とトレンド
- デジタルリテラシーがもたらす社会的な影響と課題
Bing Chatは表組みを作成可能
Bing Chatは表形式で出力することも可能。例えば、「Bing ChatとChatGPTの違いを表で比較してください」と入力すれば、さくっと比較表が作成できる。対応してくれるプロンプトであれば、プレゼン資料などで役立つ情報が瞬時に得られるので試してみよう。
ただし、iPhone 13とiPhone 14の比較表を指示したのに、iPhone 14とiPhone 14 Plusの表を作るなど、意図しない結果になることもあるし、ネットに情報が少ない項目については、表組にできないことも多い。
今回は自分のホームページを読み込んだが、もっと内容を充実させなければならないと反省した。今後はChatGPTに読まれることを前提にして、ホームページの内容を書くようになるのかもしれない。
Bing AIは、検索に強くチューニングされているので、あまり複雑な作業をするのには向いていない。また、ChatGPTのほうが、よりこちらの指示に対して柔軟に対応してくれる傾向がある。ただし、やはり、Bing AIは最新の情報を利用しつつ、GPT-4ベースの賢さを利用できるのが強味だ。目的に合わせて、Bing ChatとChatGPTを使い分けよう。
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