抜群の装着感に驚き! 8年ぶりの刷新とげたレジェンド級ゲーミングヘッドセット
ASCII.jp / 2023年5月30日 11時0分
2023年5月、ゲーミングギアブランド「HyperX」に新たな有線ゲーミングヘッドセット「Cloud III Gaming Headset」(Cloud III BK 727A8AA、Cloud III BK/RD 727A9AAが加わった。現在でも高い支持を得ている「Cloud II」から、装着感や耐久性をグレードアップし、スタンダードな要素を一層進化させた後継機だ。汎用性の高さやマイクの音質の向上、わかりやすい制御ソフトなども特徴的であり、ヘッドセットの決定版ともいえる仕上がりになっている。
本稿では、Cloud III Gaming Headsetの進化したポイントに触れつつ、実際に筆者が2週間ほど使用したインプレッションをお届けする。
まず、HyperXとは
「We Are All Gamers(私たちはみなゲーマーである)」をコンセプトに掲げるHyperXは、2022年で20周年を迎えたゲーミングブランドだ。マウスやキーボード、マイクといったさまざまな製品を展開しており、本稿でも扱うヘッドセット分野においては、世界No.1シェアを誇っているとのことだ。前述の名機「Cloud II」の功績も大きいだろう。
なお、当初HyperXはKingston Technologyのゲーミング部門という位置づけであったが、2021年2月にOMENシリーズなどで有名なHPに買収された。これにより、HPが展開するパソコンの一部モデルには、最初からHyperXのヘッドセットを同梱するなどの施策も実施されている。パソコン本体に強いHPと、その周辺機器に強いHyperXがタッグを組んだ形だ。
さまざなポップカルチャーのインフルエンサーと提携も1つの強みであり、格闘ゲームのレジェンド、ウメハラ選手だけでなくNBAのプレイヤーなどと幅広く展開しているのが特徴的だ。日本では今年4月、プロゲーミングチームSCARZともスポンサー契約を結んでおり、その存在感を増しているようだ。
まさに“正統進化” 雲のようにやわらかな付け心地
「Cloud III Gaming Headset」は、2015年に発売された「Cloud II Gaming Headset」の後継機だ。8年前のモデルながら快適性、耐久性、良い音質の3拍子が評価され、未だに根強い人気を持っている点が特徴となる。担当者曰く「8年の歳月をかけて自信をもって後継機種と言えるモデルが完成した」とのことだ。
具体的には、プレイヤーに触れる耳とバンドのパッド部分、ヘッドバンドのスチール部分、耐久性の向上、再設計されたドライバー、空間オーディオへの対応、マイクの音質向上、そして幅広いデバイスへの対応といった、さまざまな点で進化している。
付け心地の面で最も重要なイヤーパッドの厚みは増している。Cloud IIよりさらに柔らかくなり、形状が変化するメモリーフォームによって快適性がグッと上がっている。
装着すると、その柔らかさと違和感のなさがわかる。筆者の耳はやや平均よりも大きく立ち耳気味(いわゆる猿耳というやつだ)だが、そんな筆者の大きな耳でもすっぽりと包み込んでくれた。その名のとおり雲のような付け心地だ。
ヘッドバンド部分も同様で、頭にかかる負担は限りなく低い。これは長時間遊び続けるゲーマーにとって非常にありがたく、例えば競技性の高いゲームをプレイしている最中に、耳が痛くていったんヘッドセットを外すなんてことをしなくてすむ。ゲームへの没入感を損なわない効果があるといえるだろう。
また、フレーム部分はスチール製のスライダーを使っていて曲がっても大丈夫な素材となっているそうだ。発表会ではこんな曲げ方を実演するほどだ。それ故に、頭全体への締め付けが少ない。前述のふかふかなイヤーパッドも相まって、付け心地は非常に良好だ。
フラットでカスタム性の高い音質
付け心地の次に重要なのは、音質だ。ドライバーのサイズはCloud IIと同じ53mmであるが、形状が変わっている。後ろに広がっていく人間の耳の形状にあったドライバーの角度にして、音が耳に直接届く工夫をしている。ドライバーの改善によって音質も向上している。
音楽を聴いてみると、バランスのいい音という印象で、とくにどこの音域が強調されているわけでもなく、フラットだ。ヘッドフォンの形状のおかげか、音の広がりを感じられ、さまざまな音がふわっといろんな方向に広がって、耳に到達するような印象を持った。
また、制御ソフト「HyperX NGENUITY」を使って、イコライザーで音を自由にカスタマイズすることもできる。ベース(低い音)カットやトレブル(高い音)カットなどのプリセットも用意されているので、細かく調整しなくても好みの音を見つけられる場合もある。
Windows側とHyperX NGENUITYで設定することで、「DTS:Xサラウンドシステム」にも対応している。一部のゲームではとくに音の定位がより鮮明になるのでおすすめだ(ゲームによっては精確な低位が損なわれる可能性があるので、FPSなどをプレイする場合は注意してほしい)。なお、詳しくは述べないがASMRなどにも向いている。
パワーアップしたマイクと、豊富な対応プラットフォーム
ヘッドセットとして忘れてはいけないのはマイクだ。改善要望が多い点だったそうだが、ドライバーサイズが6mmから10mmへ大幅に改善し、クリアな音質に生まれ変わっている。
筆者のボイスチャット仲間によると、普段使用している他社のマイク(約1万円ほど)とほぼ変わらない品質らしい。ゲームのチャットなどでは十分な音質を持っているということだ。また、曲げやすくもなっていて、口元への位置調節も簡単に行なえる。ミュート状態がわかるLEDランプを搭載しているのもうれしいポイントだ。取り外すこともできるので、用途に応じて使うのがいいだろう。
また、複数プラットフォームへの接続性も向上している。3.5mm端子、USB Type-C、USB Type-Aに対応することで、パソコン/PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/モバイル機器など、ゲーマーが触るだろう多くの機器に対応している。有線なので、複数の端末を行き来することも簡単だ。最近はコントローラーに3.5mm端子がついていることが多いので、取り回しもいい。
長時間装着することで起きる痛みからの解放 多くのユーザーにマッチするといえるモデル
ここまで述べてきたとおり、快適な装着感と、(イヤフォンではなく)ヘッドフォンならではの良好でカスタム性の高い音質、対応プラットフォームの豊富さなど、ヘッドセットにほしい機能を高水準に詰め込んでいる印象を受ける。さまざまなゲーム機で遊ぶマルチなゲーマーはもちろん、長い時間遊びたいFPSゲーマー、仕事中でもプライベートでも常に音楽を聴いていたいユーザーと、汎用性が高く、多くのユーザーにマッチするヘッドセットだと思う。
筆者はこれまで悩まされてきた、度々ゲーム中に一旦ヘッドセットを外して耳の痛みに耐える時間というのが、まったくないことにはとても驚いた。とくにボイスチャットをしている際はヘッドセットを外す時間は極力少なくしたいもので、とても助かる。立ち耳の読者にはとくにオススメしたい。
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