eスポーツ仕様の超ハイスペックゲーミングノート「Vector GP68 HX 12V」シリーズレビュー
ASCII.jp / 2023年6月6日 11時30分
コスパ重視のウルトラハイスペックなゲーミングノート「Vector GP68 HX 12V」シリーズがエムエスアイコンピュータージャパン(MSI)から発売された。インテル Core i9-12900HXとGeForce RTX 4080 Laptop GPUを搭載し、eスポーツでの使用もターゲットにしたモデルで、実売価格が35万円前後とこのスペックにしてはかなりお買い得感の高い仕様だ。
今回は、そんな「Vector GP68 HX 12V」シリーズのゲーミング性能をレビューする。
16インチ240Hz駆動のWQXGAディスプレー採用
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まずはスペックから見ていこう。CPUは16コア(8P+8E)24スレッドで、最大5.0GHz駆動のインテル Core i9-12900HXを搭載。加えて、GPUはNVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop GPUとかなりのハイパフォーマンスが期待できる仕様だ。しかもCPU内蔵GPUを無効化してゲーミングパフォーマンスを向上させる「ディスクリートグラフィックスモード」にも対応する。
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これだけのスペックを内蔵すると冷却面が心配だが、6本のヒートパイプと高性能ファンを2基搭載した新設計の「Cooler Boost 5」を採用。底面からエアーを取り込み、背面と側面から排気することで、過度な性能低下を防いでいる。
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メモリーはDDR5を採用し、型番によって16GB/32GB/64GBから選択できる。ストレージはM.2 NVMe SSD 1TBを搭載し、M.2 NVMe(PCI-e Gen5)専用空きスロットを1つ備えているので、MSI公認サポートの店舗にて増設することが可能だ。
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ディスプレーは16インチで解像度がWQXGA(2560×1600ドット)と16:10の縦方向に広いパネルを採用。240Hz駆動とゲーミングディスプレー並みの性能を備えており、敵の動きの視認性を重視するようなゲームには申し分ない仕様だろう。
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サイズは357(W)×284(D)×28.55(H)mm、重量は2.7kg。“モバイル”とは言い難いが、普段から持ち歩くのではなくリュックに入れてイベントへ持ち込むという程度であれば、そんなに苦にならないはずだ。
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キーボードは、WASDや電源ボタンなどにスケルトンキートップを採用したゲーミングキーボードで、「Per Key RGB」ライティングに対応したLEDバックライトを備える。また「SteelSeries GG」アプリにより、キーボードのカスタマイズや SteelSeriesデバイスを一括管理が可能だ。
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テンキー付きではあるが、一部キーは幅が狭くタイピングはしづらいかもしれないが、ゲーミング時に使いやすい仕様のため、作業効率よりはゲームで勝つことを重要視していると言える。
インターフェースは、Thunderbolt 4対応のType-C ×1、USB3.2 Gen2 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1、USB3.2 Gen2 Type-C(映像出力対応)×1、USB3.2 Gen2 Type-A×1、USB3.2 Gen1 Type-A×1、HDMI 2.1×1、オーディオコンボジャック×1、2.5Gbps対応LAN×1、SDカードスロットを備える。
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無線LANは6GHz対応のWi-Fi 6Eを搭載し、Bluetooth 5.3に対応。バッテリー容量は90Whrで、駆動時間は公称最大10時間(JEITA 2.0計測)となっている。ACアダプターは330W出力で、サイズも重量もそれなりのものになっている。
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レイトレーシングでも余裕のパフォーマンス
さっそく、ベンチマークテストを行なった。「Vector GP68 HX 12V」シリーズはメモリー容量だけが違う仕様で、今回試用したマシンは、メモリーが16GBのモデルだ。
計測にあたっては電源を接続して、Windowsの電源モードは「最適なパフォーマンス」にした。MSI Centerアプリの「User Scenario」は、AIによる最適なパフォーマンスにしてくれる「スマートオートモード」と、GPUのコアクロックオフセットを100MHz、ファンブースト状態にした「究極のパフォーマンスモード」の2種類で計測している。
まずは、定番のCPU性能を測る「CINEBENCH R23」から。計測はデフォルト設定の10分間回したときのスコア。
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結果は、いずれのモードでもマルチコアで2万1000pts前後と24スレッドの強みを発揮している。
続いて、アプリの動作性能を検証する「PCMark 10」を実行した。
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結果は、いずれも8000を軽く超え、究極のパフォーマンスモードでは8800に迫る値を記録している。ゲーミングマシンではあるが、ビジネスやクリエイティブ系の作業でも優れた性能を発揮する。
次に3D性能をテストする「3D Mark」では、DirectX 11に対応した「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」、DirectX 12に対応した「Time Spy」「Time Spy Extreme」、そしてレイトレーシング系のDirectX Raytracingに対応した「Port Royal」、DirectX 12 Ultimateに対応した「Speed Way」を実行している。
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結果は全体的に究極のパフォーマンスモードのほうが上回っており、軽めな4K解像度のFire Strike Ultraで11000超え、重い4K解像度のTime Spy Extremeでも8000を超え、究極のパフォーマンスモードは9000に迫る値を記録した。これはハイエンドのゲーミングデスクトップに匹敵するもので、レイトレーシング系の結果を見ても余裕のあるパフォーマンスだ。
ゲーム系のベンチマークテストも実行した。まずは、軽めの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」で、グラフィック設定は「最高品質」のフルスクリーンモードで実行している。
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結果は、いずれのモードでも余裕の2万超え。もちろん「非常に快適」評価だ。
もう1つ重めの「ファイナルファンタジーXVベンチマーク」も実行してみた。グラフィック設定は「高品質」のフルスクリーンモード。
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結果は、2560×1440ドットの解像度でも1万2000オーバーで「非常に快適」評価。グラフィック設定を見直さなくても余裕でプレイできる。
レイトレーシング対応のゲームでもベンチマークテストを行なった。まず、「サイバーパンク 2077」のベンチマークで、グラフィック設定を「レイトレーシング:ウルトラ」「レイトレーシング:オーバードライブ」、解像度は1920×1200ドットで行なっている。
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結果は、ウルトラ設定ではいずれのモードでも130fps超えで余裕。オーバードライブ設定だと90fps設定なので、FPSゲームとしてはちょっときついかなという程度だった。
もう1つは、「World of Tanks」のベンチマークテスト。グラフィック設定を「レイトレース影超高」にして計測した。
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結果は、19220×1080ドットの解像度で4万7000前後、2560×1600ドットで3万弱となり、グラフィック設定でもう少し高画質にしても遊べる。ただ、このベンチマークテストでは、スマートオートモードと究極のパフォーマンスモードではほとんど差が出なかった。
ゲーミングマシンとしてお買い得
これらの結果のとおり、レイトレーシング対応のゲームであっても、余裕でプレイできることがわかった。eスポーツでの使用を謳うだけのことはある。それでいて、価格が35万円前後とこれだけのスペックながらかなり抑えられており、これからゲームを始めたい人はもちろん、eスポーツを楽しんでいる人へもオススメしたい製品だ。
また画面がWQXGAと縦長で作業領域も広く、GPUの性能を活かして動画エンコードも高速に行なえるので、ゲームだけでなくクリエイティブな作業にも活用できるだろう。「スマートオートモード」でもファンブースト状態にした「究極のパフォーマンスモード」でも、ファンの音はかなり大きめなので、ヘッドホンをしてのプレイがオススメ。本体購入と同時にヘッドホンも揃えるのが吉だ。
Vector GP68 HX 12Vシリーズ詳細ページ 購入する MSIサイト
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