Google Play Games(ベータ)とDMM GAME PLAYERで『ウマ娘』の動作がどれだけ変わるか検証してみた
ASCII.jp / 2023年6月3日 11時30分
グーグルは4月19日にPCでAndroidのゲームがプレイできるサービス「Google Play Games」のベータ版を公開した。既にASCII.jpでは、その概要については「PCで『ウマ娘』も遊べる!「Google Play Games(ベータ)」配信開始」と題して記事化しているが、正式サービス時期など、いくつか疑問に思うこともあったので、グーグルに直接メールで質問を送って、その質問に回答を頂いた。
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本稿では、その編集部で聞いてみた質問の回答と、現状ベータ版であるため、あくまで参考値だが、現状の動作の検証なども簡単に実施したので、ご紹介したい。
今後もタイトル数は継続的に追加!
編集部:Google Play Games(ベータ)の正式サービス開始時期は、どれぐらいを見込まれているのでしょうか?
グーグル:ベータ期間中のテストを十分にした上での正式サービス移行を検討しているため、現時点でご案内できる日程はございません。
編集部:現状、日本メーカーのタイトル数は少ないですが、今後もベータ期間内にタイトル数を増やしていく予定はありますか?
グーグル:はい、今後もタイトルは継続的に追加していく予定です。
編集部:今後、ゲームをプレイする人が必要と感じるような、録画やスクリーンショット、実況配信機能を追加するなどの予定はありますか?
グーグル:ユーザーの皆さまからのフィードバックを元に機能改善の必要があれば、優先的に対応をしていきたいと考えています。 補足になりますが、画面キャプチャと録画は、Windows OS に搭載されている機能を Google Play Games でもお使いいただけます。また、ウマ娘さんではゲーム内にスクリーンショット保存機能があるなど、ゲーム内で個別に対応されている機能もあります。
編集部:標準でフルスクリーン表示に対応していますが、設定で解像度の設定などがありません。動作が重いゲームプレイする場合は、ゲーム内の方での解像度設定に任せているということでしょうか。
グーグル:解像度の設定については、エミュレーター側での処理になり、解像度変更の機能を有しておりませんが、こちらも、今後ユーザーの皆様からのフィードバックを元に機能追加のニーズがあれば対応をしていきたいと考えております。
編集部:Google Play Games(ベータ)のクライアント側では解像度設定ができないので、ウルトラワイドのディスプレーでは、左右にデッドスペースが生まれます。徐々に増えつつあるウルトラワイドディスプレー対応に、カスタム解像度設定をできるようにすることはありますか?
グーグル:現状プレーヤーが、カスタム解像度設定を実施できるような機能とはなっておりませんが、Google Play Games では動的に画面に合わせて表示する機能を有しています。そのため、ゲーム開発者側で 21:9、16:10、3:2など複数のアスペクト比をサポートした場合、ウルトラワイド画面 (21:9)に合わせて表示されます。
すぐにAndroidスマホと同じデータで遊べる!
さて、そんなGoogle Play Games(ベータ)だが、実際に現状どんなことができるのか、どれぐらいのPCで快適に動作するのかもチェックしていきたい。既報の記事がいろいろ上がっているが、Google Play Games(ベータ)は、公式HPからダウンロードしてインストールする。
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Google Play Games(ベータ)は、もちろんGoogleアカウントで管理されているため、元々Androidスマホを使っていて、Android版のゲームでGoogleアカウント連携していれば、インストール後の初回起動時に同じGoogleアカウントでログインするだけでゲームの引き継ぎもできる。
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さて、そんなGoogle Play Games(ベータ)だが、実際に現状どんなことができるのか。記事執筆時に遊べるゲームは100本以上で、日本国内メーカーのタイトルでは、Cygames『ウマ娘』やスクウェア・エニックス『FFBE幻影戦争 WAR OF THE VISIONS』、コーエーテクモゲームス『三國志 覇道』、バンダイナムコエンターテインメント『ソードアート・オンライン インテグラル・ファクター』などがプレイできる。
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ゲームの移行は、新しいスマホで連携する時と同じ。Googleアカウントで連携できるゲームに関しては、Google Play Games(ベータ)でログインしたアカウントのセーブデータで問題ないか確認が出て、すぐにデータを引き継いで遊べるほどに手軽だ。
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ライブラリではインストールしたゲームのみを表示し、そこからプレイやゲームのアンインストール、アプリの更新ができる。
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左下のプロフィールを示すアイコンをクリックすると、プロフィールの編集や設定、ヘルプ、ログアウトにアクセスできる。設定では、ベータ版ということもあるだろうが、Androidエミュレーターのように解像度やメモリーの割り当てなど細かい調整はなく、ゲームの自動更新のオン/オフなどができる。
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また、『ウマ娘』の場合はDMM GAMEW PLAYERで配信されていて、既にPCでもプレイできるが、フルスクリーンに非対応。しかし、Google Play Games(ベータ)では、全画面(フルスクリーン)で起動できる。「Shift」+「Tab」の同時押しで、ゲームオプションが表示でき、全画面表示の終了、ゲームの終了が実行できる。
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ちなみに試しにアスペクト比35:10と横に長いモバイルディスプレーで『ウマ娘』を表示してみたところ、中央に16対9で表示され、左右は黒い状態で画面が広がらなかった。これは横長に表示されるライブやレースでも同じ。事前にグーグルに質問した回答のとおり、現状ではゲーム側で非対応のアスペクト比では表示できないようだ。
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ベータ版ということもあり動作はやや重め
Google Play Games(ベータ)は、まだ正式版ではないので、動作不十分のところもあるが、実際にどれぐらいの重さで動作し、実用的なのかCPUやGPU使用率、フレームレートの安定度を確認してみた。ゲームはDMM GAME PLAYERでもPC版が配信されている『ウマ娘』を採用。
Google Play Games(ベータ)とDMM GAME PLAYERでゲームを起動し、エキシビジョンの練習で、「大阪杯」16頭立てでレースし、その際の動作をWindows標準機能のゲームモードの「パフォーマンス」で調べ、フレームレートをCapFrameXで計測した。検証は以下2つの環境で実施した。
1つ目の検証環境は、筆者が普段仕事の執筆に使っているCPUにAMD「Ryzen 7 PRO 4750G」(8コア/16スレッド、3.6~4.4GHz)を搭載したASRock「DeskMini X300」ベースの小型PC。GPUはCPU内蔵のRadeon Graphics 8で、メモリーはCrucial「CT8G4SFS832A」(8GB×2、DDR4-3200)を採用している。
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さらに、CPUにAMD「Ryzen 5 7600」(6コア/12スレッド、最大5.1GHz)、ビデオカードにASRock「Radeon RX 6750 XT Phantom Gaming D 12GB OC」。メモリーにCORSAIRのVENGEANCE RGB「CMH32GX5M2B5200Z40K」(16GB×2、DDR5-5200)を採用したバラック組の自作PC環境を用意した。
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さて、では実際にGoogle Play Games(ベータ)で『ウマ娘』を動作させた場合と、DMM GAME PLAYERで『ウマ娘』を動作した場合での違いを見ていきたい。まずはDesk Miniと自作PC環境で動作させた際のCPUとGPUの使用率を、Windows 11の標準機能ゲームモードのパフォーマンスでチェックしたい。数値は変動しているので、あくまで参考値として欲しい。
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© Cygames, Inc.
ビデオカードを搭載していないDesk Miniでは、Google Play Games(ベータ)ではGPUの使用率がかなり高い。数値は上下に割と変動するが、総じてCPUもDMM GAME PLAYERよりは高い傾向にあり、メモリーも16GBと近年では一般的だが、割と高めになっている。
一方で、自作PC環境ではCPU使用率こそ、少し差があるものの、ミドルハイクラスのRadeon RX 6760 XTの高い性能からか、GPU使用率はそれほど大きな差はない。メモリー使用率も32GBにもなれば、大きな差は生まれていなかった。Google Play Gamesは開発途中のベータ版なので、現状は動作という面ではDMM GAME PLAYERよりも重い傾向にあるようだ。
最後にフレームレートの比較もしてみたい。フレームレートは、『ウマ娘』をCapframeXにて計測した。画質設定は標準版で、3Dレース表現は高品質化を有効にしている。
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『ウマ娘』のフレームレート上限は30fps、AAAタイトルでもWQHDでなら快適に動作する自作PC環境では、平均はほぼ30fps。99パーセンタイル値だと数フレーム下がるが、カク付きが気になるようなことはない。若干Google Play Games(ベータ)の方が数値で下回るが、誤差程度。フルスクリーンで『ウマ娘』を遊びたいなら、Google Play Games(ベータ)を使うのも良さそうだ。
一方で、Desk Miniの環境では、DMM GAME PLAYER版でも平均フレームレートが20fps前後と低めで、たまに動作が重くなるシーンがある。2DゲームなどライトなゲームがフルHDで快適に動くくらいの性能では、やはり設定は低めにしておく方が良いだろう。Google Play Games(ベータ)では、平均がさらに10fpsは下まわるので、さらに動作が重く感じる。非力なPCで遊ぶなら、ちょっと厳しいようだ。
余談だが、Google Play Games(ベータ)はマイクロソフトの仮想化ソフトで、1台のパソコン上で複数の仮想PCを稼働して、それぞれ独立したOSを起動できる「Hyper-V」を利用している。そのため、「Bluestacks」や「Nox Player」などHyper-Vと共存できない古いVirtualBoxベースのAndroidエミュレーターが動作しなくなる。
いくつか回避方法もあり、「Bluestacks 5」の場合は、公式HPにてその方法を公開している。
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BlueStacks 5は「カスタムツール」をインストールすると、自動的に再起動が実行されてHyper-Vが有効になる。それでも、起動時にエラーメッセージが表示される場合は、BlueStacks 5のアイコンを右クリックし、「管理者として実行」をクリックすれば動作する。
グーグル純正のアプリとして期待大 フルスクリーン化に対応している点は◎
以上で簡単だが、Google Play Games(ベータ)の検証を終えたい。Google Play Gamesはグーグルが審査したゲームのみが配信されているということで、安心して利用できる。現状はベータ版のため動作が重め、メール質問の返答にあったように、機能についてもこれから検討するといった感じなので、今後に期待といったところ。
ただ、DMM GAME PLAYER版ではフルスクリーンに対応していない『ウマ娘』がフルスクリーンで遊べたり、グーグル純正のため当たり前だがAndroidスマホと同じクレジット情報を保持しているので、スマホと同じ方法で課金できたりするメリットもある。
正式版配信時期は未定だが、今後もゲームも追加されるとのことだし、現状でもメリットを感じたなら使ってみるのもアリだ。CPU内蔵GPUのみで動作するPCでは、ゲームによってはやや動作が重いが、ビデオカードを搭載したゲーミングPCを使っている人なら、一度試してみてはどうだろうか。
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