6月開始のUQ mobileの新プランは損か得か 既存ユーザーはどうしたらいい?
ASCII.jp / 2023年6月4日 12時0分
6月からUQ mobileが新プランを開始した。これまでの主力は通信量が違うS/M/Lの「くりこしプラン +5G」だったが、今後は「コミコミプラン」「トクトクプラン」「ミニミニプラン」となり、通話定額や適用できる割引がそれぞれで異なる形となる。これからUQ mobleに加入する人や既存ユーザーはどうしたらいいのだろうか。
UQ単体で小容量で使う人にあまりうれしくない新プラン
新プランになって大きく変わったため、単純に損か得かは難しいのだが、UQ回線単体を小容量で使う人には新プランはあまりメリットがないと言える。
たとえば、最も小容量のプランは、これまで「くりこしプランS」で、3GBが月1628円だった。それから、新しい「ミニミニプラン」では4GBと少し通信量が増えているが、割引無しの単体での料金は月2335円と大きく上がっている。
次に15GBの「くりこしプランM」は月2738円だったが、新プランの「トクトクプラン」では15GBで月3465円。そして、25GBの「くりこしプランL」(月3828円)に相当するものはなく、20GBで1回10分までの通話定額がセットになった「コミコミプラン」が月3278円だ。
なぜ「コミコミプラン」と「トクトクプラン」の料金が逆転現象になっているかといえば、「トクトクプラン」は通信量が1GB未満の月は2277円になる2段階制のプランという点と、「トクトクプラン」は「自宅セット割」(月1100円割引)、「家族セット割」(月550円割引)が適用でき(「コミコミプラン」では適用不可)、割引がされると「トクトクプラン」のほうが安くなる。
なお、「自宅セット割」は対応する固定回線(auひかり、UQ WiMAXなど)への加入、もしくは「auでんき」の契約で適用されるもので単身のユーザーでも利用できる。「家族セット割」はUQ mobileにも用意されるようになった、家族で契約するユーザー向けの割引で、Y!mobileと異なり、家族で契約した全回線(Y!mobileは2回線目から)で適用される。
通信量が大きめで通話定額を付ける人は 新プランが有利になることも
あらためて新旧のプランを比較してみよう。
まず、「ミニミニプラン」は月2335円で、今まで3GBで月1628円だった「くりこしプランS」と同水準に近づけるには、「自宅セット割」か「家族セット割」、さらにau PAY カードでの支払時に適用される「au PAYカード割」(月187円割引)を組み合わせる必要がある。
それでも従来の「くりこしプランS」で「自宅セット割」を適用していた人は若干の値上げになる(通信量は3GB→4GBになるが)。
4GBでは足らないユーザーは「トクトクプラン」を選ぶことになり、「自宅セット割」「au PAYカード割」の適用で月2178円。これまでの「くりこしプランM」+「自宅セット割」のときより、若干の値上げ。「家族セット割」をプラスすれば値上げ幅は小さくなるが、後述するように値上げ以上に残念な点もある。
そして、「コミコミプラン」は25GBの「くりこしプランL」よりは若干安く、さらに1回10分までの通話定額が付いてくる。これはドコモ「ahamo」に近いプランで、さらに通話定額がahamoの1回5分までより長なったほか、余った通信量の翌月繰り越し、さらに店頭で契約できるなどのメリットがある。
低速で使って通信量を節約できる 「節約モード」が上位の2プランで消滅した
UQ mobileの魅力と言えば、いくつかのMVNOの格安SIMと同じく、高速データ通信をオフにして、低速で利用した場合に、通信量を消費しなくて済む「節約モード」の存在があるが、新プランでは、上位の「トクトクプラン」「コミコミプラン」ではそれがなくなった。
特に「トクトクプラン」では1ヵ月の通信量を1GB未満で料金が安くなるが、「節約モード」で使い続けて、1GB未満に抑えるといった使い方はできないわけだ。なお、「トクトクプラン」「コミコミプラン」では、通信量を使い切った後の速度が「くりこしプランM/L」と同様に最大1Mbpsなのは救いと言えよう。
また、通信量を使い切った後は追加チャージすればいいと考えている人に注意がある。UQ mobileはなぜかウェブサイト上で追加チャージの料金を明示していないが、アプリから確認したところ、MVNOの格安SIMより高く、「くりこしプランS」を契約中の状態で確認したところ1GBで1100円だった。
なお、UQ mobileでは月550円の「増量オプションII」というオプションを用意している。これは適用初月から7ヵ月間は無料で利用でき、「ミニミニプラン」と「くりこしプランS」は2GB、それ以外のプランは5GBがプラスされる。これはチャージとは違い、月途中から加入できないので、通信量が足りなくなったときに追加するものでない。
既存ユーザーはどうするべきか 新プランに移行すると旧プランには戻れない点には要注意
6月1日から開始の新プランを見てきたが、これまでの「くりこしプラン +5G」に加入している人は、そのまま継続したほうがベターな場合が多いだろう。通信量が多めの人で、MやLに入っていて、さらに通話定額も追加しているなら「コミコミプラン」がおトクなケースもありそうだが、新プランにすると「くりこしプラン +5G」には戻れないので注意が必要だ。
少なくとも「くりこしプラン」のSやMのユーザーが「ミニミ二プラン」や「トクトクプラン」に移行してオトクになるケースはほとんどないだろう。
また、この機会にほかのサービスへの移行を検討してもいいかもしれない。たとえば、povo2.0では4月から「データ追加3GB(30日間)」(1回990円)のオートチャージを開始した。1ヵ月以内に3GBを使い切ってしまう人には有利なサービスではないが、常時月1~2GB程度のユーザーなら、実質的に月990円で利用できる。
auネットワークがいいのなら、そのほかにもIIJmioやmineo、NUROモバイルなどのMVNOもUQ mobileより安価なサービスを展開している。
新プランの狙いは中容量でのahamo対抗か auひかりなどKDDIのサービス利用者をメインターゲットに
今回の新プランで、UQ mobileのKDDIのなかでの位置づけが明確になってきたと思われる。
「コミコミプラン」ではドコモ「ahamo」対抗、それ以外のプランではauひかりやauでんきなどのKDDIのサービス利用者向けの格安サービスという印象を受ける。メインは「コミコミプラン」で小容量はpovo2.0やMVNOの格安SIM、20GBでは足らない、使い放題を求めるユーザーはメインブランドのauに、と見える。
また、KDDI傘下のBIGLOBEモバイルの「donedone」を8月末で終了するなど、サービスの整理も進められているのかもしれない。
これからUQ mobileに加入するなら、「コミコミプラン」がオトクと感じる人にはオススメと言えるが、そのほかの2プランは自分が加入しているKDDIのサービス次第になるかもしれない。新規の人も既存ユーザーも、よく調べて最良のサービスを選んでほしい。
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