スマホメーカーの出展がなかったCOMPUTEXで見つけた新時代のスマホ関連製品たち
ASCII.jp / 2023年6月7日 12時0分
COMPUTEXにはスマートフォンメーカーの出展はなかったものの、スマートフォン関連製品の展示もいくつか見られたので紹介しよう。
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背面が開いて空気を取り込み空冷する 「ROG Phone 7 Ultimate」
ASUSのROGブースではまもなく発売になるゲーミングギア「ROG ALLY」の展示が大々的に行なわれていたが、ゲーミングスマートフォンであるROG Phoneシリーズも最新モデルが展示されていた。最上位モデルである「ROG Phone 7 Ultimate」は本体背面に開閉式の空気取り入れ口があり、背面に装着する冷却ファンか空気を送り込み内部を強制的に冷却する。
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本体を横向きにして背面を見ると、上部中央に黒い長方形の部分が見える。ここが開口部で、背面に「AeroActive Cooler 7」を装着すると自動的に開き、クーラーからの冷風が内部を冷やす。内部には大きな面積の放熱板がチップセットであるSnapdaragon 8 Gen 2からの発熱を拡散し、その放熱板に空気を当てて通常の3倍もの冷却効果を実現する。
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ブースの説明員によると、実際にハードなゲームをプレイするとその差はしっかり出てくるとのこと。なお、長期間使い続けていくうちに内部に埃などがたまらないよう、メンテナンスモードにより手動で背面を開き内部を掃除することもできる設計になっている。
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ゲーミングスマホにリアルな体感を与えるピエゾ素子パッド
ゲーミングスマートフォンは本体の側面の両端にゲームプレイ用のソフトキーを備えている。ROG Phone 7なら超音波を使ってタッチ層を感知する「AirTrigger」が備わっているのだが、このソフトキーは押した感覚がないため、ゲームプレイに違和感を覚えるゲーマーもいるのが難点だ。
スタートアップのBoreas Technologiesはピエゾ素子を使った触感センサーを開発している。ピエゾ素子は電圧をかけると圧力を発生する素子で(その逆も可)、具体的には同素子をスマートフォンの側面に貼り付けておけば、ソフトキー部分をタッチした際にそのキーの部分に振動を与え、あたかも本当のキーを押しているような感覚が得られるのだ。
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トリガーボタンの試作品には押しボタンのようなものが見えるが、これはあくまでも指先を正しい位置に置くための目印であり、ボタンとして押すことはできない。ゲームアプリを立ち上げこのボタンに人差し指をかけてタッチすると、ボタンを本当に押したように感じる。
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同社はピエゾ素子を使った触感タッチパッドも開発中で、指先が触れるあらゆるものに触感を与えようとしている。将来的には、たとえばメタバース空間で何かに触れたとき、グローブ型のコントローラーの指先に触感を与えて本当に何かに触れたような感覚を与える、といった用途にも応用できるだろう。
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スマホの写真撮影を簡単にできる
日本のスタートアップからもスマートフォン向けの新しい技術が展示された。pop incの「popCamera」は自撮りを簡単にできる技術だ。スマートフォンの背面を指先でタップすると、その振動を感知してカメラのシャッターを切ることができる。
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スマートフォンのカメラアプリは基本的に本体を両手で構え、リアカメラを使って撮影するUI設計になっている。一方、フロントカメラを使って自撮りする際は、本体を保持しながらシャッターボタンをタップしなくてはならず、人によってはタップ時にブレてしまったり、また本体を落としてしまうこともある。
popCameraなら本体をしっかりと保持したうえで、人差し指などで背面をタップするだけで自撮りができるというのだ。スマートフォンメーカーへの採用に向け現在商談を進めているとのことで、いずれ「背面タップでシャッター」が当たり前の機能になるかもしれない。
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決済用スマホもカッコいいデザインに 合体式モデルが登場
最近は飲食店でもレジに行かずに座席で支払いできるお店が増えている。店のスタッフが持つ決済端末を使えばテーブル会計も簡単にできるわけだ。決済端末はAndoridスマートフォンがベースで、そこにレシート印刷用のプリンターなどを組み込んだ製品がよく使われている。iminの決済端末「Swift 1」も同様の製品だが、業務用端末とは思えぬ高いデザイン性が魅力。しかも、プリンターやバーコードスキャナーは合体式で、スマートフォン本体だけでも使うことができる。
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Swift 1本体はAndroid 11を搭載するスマートフォンで、6.5型(1600×720ドット)のディスプレー、リア500万画素とフロント30万画素のカメラを搭載する。チップセットは不明でオクタコア1.6GHzプロセッサーを搭載、メモリー構成は2GB+16GBまたは4GB+32GB。業務用端末なので十分なスペックだろう。
最大の特徴である合体式のモジュールは1D/2Dバーコードリーダー「Swift 1 Scanner」と58mmのロール紙が使える「Swift 1 Printer」の存在だ。どちらもSwfit 1上部からはめこみ、脱落しないようにネジで固定できる。倉庫などの在庫管理をするときだけスキャナーを装着して使う、なんてこともできる。
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そしてどちらのモジュールも金属パーツを多用しており、デザインもスタイリッシュだ。
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決済端末は様々な製品が販売されているものの「いかにも業務用」という製品では、お店によってはその場の雰囲気にそぐわないということもあるだろう。iminはレジのPOS端末などもデザインが良く、「iF DESIGN AWARD」を受けた製品もある。いずれ日本でもiminの製品が見られるようになるかもしれない。
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デュアルeSIMを搭載 業務用端末にも5G化の流れ
日本にはキャリア向けの固定モバイルルーターなどを展開しているAskeyは業務用の5Gスマートフォンを展示していた。開発中のモデルで販売時期などは未定だが、いよいよ業務用端末も5G対応製品が登場する。各国の5Gの展開はまだこれからといったところだが、工場などに自前の5Gを設置するプライベート5G(ローカル5G)の普及が広がっており、たとえばドイツではフォルクスワーゲンの工場で導入済み。
Wi-Fiよりも回線の安全性が高く低遅延であり、工場内のロボットや自走式搬送車のコントロールなどにプライベート5Gの活用は優位だ。そのようなローカル5G環境下で使う業務用端末も5G化が求められているのである。
2つのモデルが展示されていたが、写真左側の製品だけスペックは判明。チップセットはIoTデバイス向けのクアルコムQCM4490で5Gモデムも内蔵、6型ディスプレー(1920×720ドット)、1600万画素+フロント800万画素カメラ、メモリーは8GB+128GB。デュアルSIM対応だがnanoSIM 2枚に加え、eSIM 2枚仕様のオプションにも対応する。
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牡蠣の貝殻をUSBケーブルに
業務用製品が続いたので、最後は台湾ならではのコンシューマー向けの製品を紹介する。Avierの「One Step」は牡蠣の廃貝殻をケーブルに利用した廃棄物再利用のエコな製品だ。台湾は牡蠣の産地としても知られているが、大量の貝殻が廃棄物として産出されてしまう。そこでその廃貝殻を高温で処理して粉末とし、ケーブルの素材に混ぜることで再利用をしている。さらにコネクター部分は火山の粘土質の壌土から生み出したセラミック素材とし、強度も高めている。
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実際にケーブルを触ってみたところ、若干の硬さは感じられるが十分な柔軟性はあり、日常的に普通のケーブルとして使うことができると感じられた。スマートフォン本体やパッケージにリサイクル素材を使う動きが活発化しているが、そのスマートフォンを充電したりデータ転送するケーブルも、これからは環境にやさしい製品が求められるようになるだろう。
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