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あなたの周囲にもある脅威「闇バイト」の甘い罠

ASCII.jp / 2023年6月9日 9時0分

著作者:Freepik

コロナ禍の若者を狙い打ちした闇バイト

 「闇バイト」という言葉を聞いたことがあるだろうか。最近では、SNSやテレビ番組で話題になったことも多いため、言葉だけなら知っているという人もいるはずだ。

 闇バイトとは、犯罪に抵触する行為で報酬を得るアルバイトのこと。SNSの投稿、DM、インターネット掲示板などで人員が募集されることも多い。なぜ、ここ数年でその存在が広がってしまったのだろうか。

 理由の一つに、コロナ禍がある。新型コロナウイルスの影響で、飲食店の閉店が増えたり、営業時間が短くなったりすることにより、バイトのシフトが減らされるというケースがあった。また、塾なども一時的に閉鎖されていたため、その間の収入が激減する学生も出てきてしまった。

 そこで、ネット経由で応募できる闇バイトに手を出して摘発される若者が増えてきたという側面がある。一時期は、「コロナ」「高収入バイト」などで検索することで、あっさり闇バイトの募集に行き当たってしまう状況になっていた。

 それらのバイトの中には、特殊詐欺の出し子・受け子といった詐欺の片棒を担がされるものもある。「荷物を代理で受け取るだけ」「荷物を転送するだけ」という誘い文句のいわゆる荷受け代行を依頼され、何の荷物か知らずに運び、振り込み詐欺の“受け子”になってしまうとケースもあった。

 また、コロナ禍においては、「持続化給付金」などの申請詐欺に大学生が関わって摘発されたという例もあったという。

 以上のような闇バイトに関しては、仕事の内容の説明があいまいだったり、履歴書や面接が不要で採用されたりすることも多いという。しかし、それこそ、典型的な闇バイトの特徴といえる。

 「口座を貸すだけ」「ATMで現金を引き出すだけ」というように手軽さをうたっていたりするケースもある。もっとも、「依頼主のクレジットカードで買い物を代行するだけ」「ATMで現金を引き出すだけ」などというのは、常識的にはありえない“仕事”だろう。

 仮に、キャッシュカードやクレジットカードが盗品の場合、言われるままの手順で決済することで、自分が法に触れることにもなりかねない。

 「高収入、即支払い」をうたっている闇バイトは、一見すると魅力的なものに見えるかもしれない。しかし、危険なばかりか、法に触れるかもしれない、悪質な仕事ばかりであることは肝に銘じておいたほうがよい。

だまされてしまったら、1人で悩まないように

 闇バイトによるトラブルに巻き込まれないように肝に銘じたいのは、「おいしい話はない」。これが大原則といえる。ネット上の「おいしいバイト」の募集には注意だ。仮に稼げるとしても、法に触れてしまう行為ではないかと疑ってみよう。

 免許証や顔写真を脅迫目的で使用したり、魅力的な言葉で誘って犯罪行為を強要したりするのは典型的な闇バイトの手口。もし仕事を受けて、募集内容と実際の仕事が違ったり、免許証や顔写真を送るよう求められたりした場合は要注意だ。

 身元が不確かなサイトや、知らない相手からのDMは、さまざまな罠が張られている。個人情報や、身分証を安易に渡さないようにするのは鉄則だ。

 甘い言葉に誘われ、もし興味をもって連絡を取ってしまったあとでも、相手の言いなりにならず、警察に通報、もしくは相談する勇気を持つようにしよう。

 万が一、だまされてしまった、あるいは困って判断できないときなどは、ひとりで悩まないことが重要だ。消費者ホットライン「188(いやや)」や、最寄りの警察に相談するようにしたい。

 今回は、McAfee Blogの「『おいしいバイト』は『危ないバイト』。ネット上の募集に注意を」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

「おいしいバイト」は「危ないバイト」。ネット上の募集に注意を:McAfee Blog

日本・アジア地域チャネルマーケティング 執行役員 本部長 青木 大知

クリスマスやお正月と楽しいイベントが続く時季、大人も若者もどうしても出費がかさんでしまうもの。お財布が軽くなっていると感じたり、冬休みに副業やアルバイトを頑張ろうと思ったりしているとき、SNSやウェブサイトを眺めると「1日●万円稼げます」「投資すれば毎月利益が手に入ります」なといった文字が、いつも以上に目に付いてしまうのは人の性ではないでしょうか。

しかしネット上で「一攫千金」の仕事を見つけたら要注意。詐欺の被害やトラブルに巻き込まれることが少なくありません。若者を“使い捨て”る闇バイトから、会社員を狙った副業詐欺まで、ネット上での勧誘には怪しい事例が限りなく存在するのです。

年末年始、ご自身や家族がトラブルに巻き込まれないために、怪しい手口の例や、リスクを避けるためのポイントを考えてみましょう。

近付いたら赤信号!怪しいサイト、怪しいバイト

毎日利用する通勤・通学ルートで、どの道を通ればいいのか、常に頭をフル回転させている人はいないでしょう。日々の習慣のなかでよく知っている場所では、どこを通れば安全に早く到着できてどこに危険があるかを、半ば感覚的に把握できているからです。

同じようにネット上でも「危ないサイト」「リスクがあるやり取り」のよくある形を知り、距離を取ることを習慣づけるのが安全に楽しく利用するための基本といえます。ネット上で見つかる「おいしい話」の向こう側には、犯罪者、詐欺師が隠れていることが多くあります。

ネット上の募集サイトや、SNSのダイレクトメッセージなどで出合う「チャットで相談に乗るだけ」「“レンタル彼氏”や“レンタル彼女”になりませんか」という誘いは、危険なやり取りの典型例です。一見簡単に始められそうな仕事ですが、うっかり乗ってしまうと何が起こるでしょうか。仕事をしたのに何かと理由をつけて報酬を払わない「不払い」や、支払った登録料や手数料だけ取られてまともに仕事がない……ということが少なくありません。

「荷物を代理で受け取る」「荷物を転送するだけ」という誘い文句のいわゆる荷受け代行も、決して乗ってはいけない仕事です。何の荷物か知らなかったとしても、振り込み詐欺の「受け子」になっていたりすると、逮捕されるリスクと隣り合わせです。ほかには、携帯電話を自分名義で契約させられ、支払いが発生してしまうといったパターンも発生しています。

「依頼主のクレジットカードで買い物を代行する」のも、「常識的にありえない仕事」です。そのクレジットカードはおそらく盗まれたカードで、言われるままの手順で決済すると、自分が法に触れたことになるでしょう。また「借金の名義を貸す代わりに謝礼を払う」という仕事に乗ると、相手はお金を受け取ると連絡を絶ち、自分名義の借金だけ残ってしまうのが相場です。

そしてネットの副業勧誘といえば、「高収入が得られる」という触れ込みの情報商材も、大損する人が大半です。情報商材とは、副業や投資、ギャンブルなどの「儲かる」ためのマニュアルやコンサルティングを通信販売するもので、内容が薄かったり、約束していたサポートがなかったり、セミナー、ソフトウェアなど追加の契約をしていくうちに、被害額が大きくなったりしていきます。

自分は大丈夫と思っていても、言葉巧みにだまそうとする相手は油断大敵。「話が違う」と思ったときには手遅れです。

個人情報は大切。周囲に大きな被害が及ぶことも

こうしたサイトに登録したり、メッセージのやり取りで応募したりするとき、運転免許証といった身分証の写真や、携帯電話番号、住所、両親の連絡先まで、個人情報を求められることがあります。怪しい人物にこんな情報がわたるのはもちろんリスク満点で、二次的な被害にもつながります。

例えば「荷受け」の怪しいバイトは、まず登録のために個人情報を送り、その後、自宅に届いた荷物を指定された住所に転送すると報酬がもらえる……という説明が典型的です。しかしその荷物が、自分の身分証を使って不正に契約したスマートフォンなら、料金を支払ったうえで、警察にマークされるのはあなたです。またあなたの個人情報を悪用して、犯罪に使用するための偽の銀行口座を作られたら、最初に“足が付く”のはあなたです。

お金の面での大損も、犯罪に巻き込まれてしまうのも、場合によっては家族で償わなければならないほどの大きな損害になるでしょう。またこうした「おいしいバイト」を家族や友達に広めてしまったら、人間関係もこれまでと同じではいられないのではないでしょうか。

家族の個人情報が筒抜けなら、親の連絡先へ詐欺や恐喝の電話が掛かったり、家族の銀行口座が不正アクセスを受けたり、怪しい勧誘が周囲の人たちに及んでしまうことも考えられます。また情報商材にのめり込むと、怪しいビジネスの宣伝を急に始めたり、知人に商品やセミナーを売りつけたりして、人間関係を壊してしまう事例が少なくありません。

リスクを避けるポイントは

楽をして稼ぎたいのは、誰しも同じ。だからこそどこにどんなリスクがあるのかを再確認しておくことが大切です。

まず、安易に稼げる仕事はありません。特にネット上の儲け話は100%虚偽と言って良く、仮に稼げるとしても、法に触れてしまう行為ではないかと疑いを持つようにしてください。

最近はSNSで、現金やゲーム機を「リツイートするだけで抽選でプレゼント」というアカウントを見かけますが、反応は厳禁。何の狙いもなく金品を配る人はいません。うっかり反応してしまうと、だましやすい“カモ”としてリストアップされ、不正なバイト・副業への誘いに発展することがあります。

同じように、身元が不確かなサイトや、知らない相手からのダイレクトメッセージは、さまざまな罠が張られていますので付き合わないでください。もしも登録料や月額利用料といった名目で、事前に金銭の支払いを求められたら、被害が発生する直前まで来てしまっています。特に個人情報や、身分証を安易に渡さないようにしましょう。

怪しいサイトを見抜くためには、セキュリティソフトの使用も助けになります。リスクが高いサイトを検知する機能を使用することで、防げる被害もあります。

そして大きなお金が動くことや契約ごとを、一人の判断で決めないこと。家族や信頼できる大人に相談すれば、冷静な視点から、リスクに気付くことができます。日ごろからそんな関係性づくりが大切で、親であれば、しっかり子どもと話し合う時間をとっておくことが必要と言えるでしょう。

一人ひとりが知識を得て、意識することが大切になります。年末年始は悲しい出来事をなくして、楽しく過ごしましょう。

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※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーなどを編集して紹介する記事です。

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