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今年のベストコスパ機、早くも決定!? 「Pixel 7a」は上位モデルと遜色ナシ!

ASCII.jp / 2023年6月10日 12時0分

 グーグルの最新スマートフォン「Google Pixel 7a」を使ってみた。末尾に「a」が付くAシリーズは、端末のコストを抑えた廉価版モデルだ。しかし、仕様は上位モデルと共通する部分が多く、高コスパモデルとして人気を集めている。今回のPixel 7aは、昨年10月に発売された「Google Pixel 7」の廉価版だが、プロセッサーは同じ「Tensor G2」なので、基本性能は同等とも言える。

 Pixel 7aが6万2700円(Googleストアでの価格)であるのに対し、上位モデルのPixel 7は8万2500円(Googleストアでの128GBモデルの価格)。Pixel 7aのほうが約2万円も安い。価格差の理由を探るべく、Pixel 7とも使い比べてみた。

Pixel 7a(右)はPixel 7(左)よりも、ひと回り小さい

 なお、Pixel 7aはドコモ、au、ソフトバンクも取り扱っている。各社で購入する場合の価格は、ドコモが7万5350円(「いつでもカエドキプログラム」適用時の実質負担額は3万9710円)、auが6万3860円(「スマホトクするプログラム」適用時の実質負担額は2万2047円)、ソフトバンクは7万9920円(「新トクするサポート」適用時の実質負担額は2万2008円)となっている。

扱いやすいサイズ感だが ボディーの質感はPixel 7に劣る

 Pixel 7aは6.1型の有機ELディスプレーを搭載している。Pixel 7(6.3型)よりもひと回り小さく、横幅は72.9mmに抑えられている。持ちやすさや片手での操作のしやすさでは、Pixel 7aのほうが有利だ。

6.1型(2400×1080ドット)のディスプレーを搭載し、片手でも操作しやすい。リフレッシュレートは上位モデルのPixel 7と同じく最大90Hz
指紋センサーは画面内に。顔認証にも対応している

 厚さは9.0mmある。ケースに入れると、やや分厚く感じるサイズ感だ。右側面には音量ボタンと電源ボタン、左側面にはSIMスロットを搭載。SIMは1枚しか挿せないが、eSIMを追加して、2回線を併用することも可能だ。底部にはUSB Type-C接続口とスピーカーを搭載。ディスプレーの上の受話口もメディア用のスピーカーとして機能するので、立体的なステレオサウンドを出力できる。「YouTube Music」を聴いてみたが、音質はスマホの内蔵スピーカーとしては上々と思えた。なお、イヤホンジャックは搭載していない。

右側面に音量ボタンと電源ボタンを搭載
左側面のSIMスロットにはnanoSIMを1枚挿せるのみ。microSDには非対応
上部にはマイクを搭載
底部にUSB Type-C接続口、スピーカー、マイクを搭載

 背面パネルは光沢仕上げでツルツルとした手触り。Pixel 6以降のデザイン的な象徴とも言えるカメラバーはメタル調で少し出っ張っている。パッと見はPixel 7と同じように見えるのだが、両モデルのガラスパネルとメタルフレームの質感は異なる。Pixel 7aのほうが指紋が付着しやすく、カメラバーも若干チープ感がある。Pixel 7aの安さの理由は材質にあるようだ。

背面パネルにはガラスを用いており、美しい光沢仕上げになっている
カメラバーはPixel 7a(手前)のほうがPixel 7(奥)よりも出っ張りが少ない

カメラのスペックはPixel 7と微妙に異なるが画質は互角

 背面カメラは2眼で、広角(64メガ)+超広角(13メガ)という構成。上位モデルのPixel 7は広角(50メガ)+超広角(12メガ)なので、Pixel 7aのほうが高性能と思う人がいるかもしれない。しかし、詳細なスペックを見比べると、やはりPixel 7aのカメラの性能はPixel 7よりも抑えられている。

 たとえば、Pixel 7のイメージセンサーは1/1.31型だが、Pixel 7aは1/1.73型と小さめ。ピクセル幅も1.2μm(Pixel 7)から0.8μm(Pixel 7a)と狭くなっている。Pixel 7はLDAF(レーザー検出オートフォーカス)を採用し、スペクトルセンサーとフリッカーセンサーを搭載しているが、Pixel 7aは位相差検出のオートフォーカスを採用し、スペクトルセンサーとフリッカーセンサーは非搭載。

広角(64メガ/F1.89)+超広角(13メガ/F2.2)のデュアルレンズカメラを搭載
露出だけでなく、コントラストや色温度もプレビュー画面で調整できるのが便利

 しかし、実際に撮影してみると、画質はほとんど差がなかった。昼間に撮った写真も、夜間に撮った写真も、ファイルデータを確認しないと、どちらかがわからないほどだったので、日常的な撮影での画質は同等と思っていいだろう。

Pixel 7で撮影
Pixel 7aで撮影。ほぼ同じ明るさ、色で写った
Pixel 7で撮影
Pixel 7aで撮影。Pixel 7に比べると、わずかにシャープさに欠ける印象

 望遠カメラは搭載していないが、最大8倍の超解像ズームが可能。8倍ズームで撮ってみたところ、画質はやや粗くなったが、スマホの画面で見る分には気にならない程度だった。

超広角(0.5×)で撮影
広角(1×)で撮影
ワンタッチで切り替えられる2倍ズーム(2×)で撮影
最大の8倍ズーム(8×)でも、画質劣化はさほど気にならない

 強みを感じられたのは暗所での撮影性能。人の顔が見えないような暗い状況でも、「夜景モード」に設定するとクッキリと鮮明に写った。画質はPixel 7と同等で、Aシリーズの前モデル「Google Pixel 6a」と比べると、撮影に要する時間も短くなっていた。

オートの「カメラ」モードで撮影
「夜景モード」では、ここまで鮮明に写る

 フロントカメラは13メガ。シングルレンズだが、画角の切り替えが可能で、95度のワイドな画角でも撮影できるのためグループでの自撮りに適している。ナチュラルな画質で撮れて、撮った写真がすぐに加工される機能も備えているが、筆者が試した範囲では、肌がテカテカして、やや不自然な加工に思えた。自撮りを楽しみたい人は、お店などで試してみたほうがいいかもしれない。

フロントカメラには「顔写真加工」機能があり、初期設定は「OFF」。「弱」または「スムーズ」に設定できる

パフォーマンス&電池持ちにも満足

 プロセッサーは、上位モデルのPixel 7と同じ「Google Tensor G2」を搭載している。メモリーもPixel 7と同じ8GBだ。実際の使用感にもほとんど差はなく、普段ハイエンドモデルを使うことが多い筆者がストレスを感じることなく操作できた。

 「Geekbench 6」というアプリでベンチマークを測定してみたところ、シングルコアは1300前後、マルチコアは3000前後のスコアを記録した。Pixel 7を測定すると、シングルコアが1000前後、マルチコアは3200前後だったので、処理速度は同等と言えそうだ。

「Geekbench 6」で計測したベンチマーク。筆者の計測では、シングルコアのスコアはPixel 7を上回った

 ちなみに、筆者が最近「Geekbench 6」で計測したスマホのスコアを挙げると、Snapdragon 8 Gen 2を搭載する「Galaxy S23」はシングルコアが1900前後、マルチコアが5000前後。Snapdragon 695を搭載する「arrows N」はシングルコアが900前後、マルチコアが2100前後だった。Pixel 7aのパフォーマンスはミッドレンジとハイエンドの間くらいと評価できそうだ。

 バッテリー容量は4355mAhで、グーグルは24時間以上の電池持ちをうたっている。実際に、筆者が使っている範囲では1日で電池がピンチになったことはない。相当ヘビーに使わない限り1日は余裕で持つはずだ。

 なお、Pixel 7aはAシリーズでは初めてワイヤレス充電にも対応した。ただし、他のデバイスにワイヤレスで給電する「バッテリーシェア」機能は備えていないので注意が必要だ。

標準的な省電力モード「バッテリーセーバー」に加えて、電池持ちを最大72時間に延ばせる「スーパーバッテリーセーバー」も搭載。充電時に電池への負担を抑えて、電池寿命を長くする機能も搭載

「消しゴムマジック」や「リアルタイム翻訳」も便利

 Pixelならではの便利機能は、上位モデルのPixel 7と同じように利用できる。たとえば、「フォト」アプリでは、画像に写り込んだ不要な人物などを消す「消しゴムマジック」、ピンボケの画像をシャープにする「ボケ補正」など、多彩な編集機能を利用できる。これらの機能は、Pixel以外のスマホでは「Google One」に加入しないと追加されないが、PixelではGoogle Oneに加入せずとも利用できる。

不要な写り込みを自動で検出してくれる「消しゴムマジック」。なぞって指定したものを消すことも可能

 「リアルタイム翻訳」は通訳機のように使ったり、外国語で書かれたメニューなどにカメラをかざすと瞬時に翻訳されたり、受信したメッセージを自動で翻訳したりしてくれる機能。海外出張や海外旅行で役立つこと請け合いだ。

リアルタイム翻訳は、言語によって利用できる機能が異なる。英語、日本語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語は全機能に対応。ちなみに、韓国語と中国語(簡体字)はメッセージとカメラのみの対応

 録音した音声を瞬時に文字起こししてくれる「レコーダー」アプリも便利。同様のアプリは増えつつあるが、Pixelの「レコーダー」は、プリインされていて、オフラインで使えて、完全に無料で使えることに優位性がある。英語を録音した場合、声を聞き分けてラベルをつけてくれる機能も利用可能。日本語にも対応することを期待したい。

「レコーダー」の自動文字起こしは、英語、日本語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語に対応。英語は複数の人の声を聞き分けて、ラベルを付ける機能に対応していた

 Pixelは画面のカスタマイズ性が高いことも特徴。画面の配色を変えたり、アイコンをテーマカラーで統一したりするなどして、ホーム画面のイメージをガラリと変えることが可能。操作性はベーシックなAndroidだが、画面デザインで個性を主張できるわけだ。

ホーム画面を楽しくカスタマイズできることも魅力。時計のウィジェットは5種類から選べる

【まとめ】2023年を代表する高コスパモデルになるかも

 日本では、Galaxy、AQUOS 、XperiaがAndroidスマホの3強と言っていいだろう。それぞれ個性がある端末がリリースされているが、ハイエンドモデルはもはや20万円を超える。Pixel 7aはそれらよりもスペックは低く、“ミドルハイ” と呼ぶべきモデルだが、ハイエンドモデルと比べて見劣りするような欠点は見当たらない。

 Aシリーズ史上、上位モデルとの差分が最も少ないモデルとも言える。6万2700円は破格と言ってもいいだろう。久しぶりにドコモが取り扱うこともあり、今年最も注目されるスマホの1台になるだろう。

 

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