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誰もが使うカメラ、スピーカーを強化したソニーのミドルクラス「Xperia 10 V」

ASCII.jp / 2023年6月13日 12時0分

 ソニーの新しいミドルクラスのスマートフォン「Xperia 10 V」は、多くの部分で前機種「Xperia 10 IV」を踏襲しながらも、新たにフロントステレオスピーカーを搭載したり、カメラ性能の強化がなされていたりと、多くの人が利用する機能を中心に進化させた内容となっている。発売前の試作機をお借りできたので、その内容を確認してみよう。

大容量バッテリーを搭載しながらより軽量化

 まずは外観から確認すると、画面はXperiaシリーズでおなじみ21:9の約6.1型有機ELディスプレーを採用しており、本体サイズは約68×155×8.3mm、重さは約159g。前機種のXperia 10 IVから0.1型大きくなっているが、本体サイズは約67×153×8.3mm、約161gであったことから、若干ではあるものの小さく軽くなっている。

「Xperia 10 V」の前面。21:9比率の有機ELディスプレーとベゼル部分にカメラを備えたデザインなどは踏襲しながら、軽量化された

 ソニーによると、5000mAhのバッテリーを搭載した5Gスマートフォンの中で、Xperia 10 Vは世界で最も軽いとのこと。バッテリーが大容量で長時間の利用が可能ながら、軽量で負担なく利用できる点は日常使いする上で大きなメリットとなることは間違いない。

 背面も引き続きサラサラした触感で滑りにくく、指紋もつきにくい。縦に並んだカメラとソニーのロゴなどを除けば非常にシンプルなデザインといえるだろう。

背面はサラサラした触感で指紋が付きにくく、カメラとロゴ以外は非常にシンプルなデザインとなっている

 一方で、手軽に利用できるミドルクラスということもあってカラーバリエーションは豊富で、ブラック、ホワイト、ラベンダー、そしてセージグリーン(au、UQ mobileを除く)の4色を用意。加えてソニーが2023年4月に発売した、エントリークラスながらノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスイヤホン「WF-C700N」とカラーが統一されており、デザインの一体感にこだわるなら合わせて利用したい。

カラーはソニーのワイヤレスイヤホン「WF-C700N」と統一化されており、同時にそろえると一体感のあるデザインで楽しめる

 側面のインターフェースを確認すると、右側面に音量キーと指紋センサーを備えた電源キー、底面にUSB Type-C端子、上部にイヤホン端子が備わっており、こちらも従来のXperia 10シリーズを踏襲した内容となっている。

右側面には音量キーと、指紋センサーを備えた電源キーが搭載されている
底面にはUSB Type-C端子が備わっている

 ただ1つ、Xperia 10 IVとの大きな違いとなっているのがフロントスピーカーの搭載だ。Xperia 10 Vは上位モデルの「Xperia 1 V」と同様、前面の上下にスピーカーが搭載されていることから、スマートフォン単体で映画や音楽などを楽しむ際は、モノラルだった従来機種より音を楽しめるし、横画面にしてゲームをプレイする際もスピーカーを手でふさぎにくくなるなどのメリットがある。

音周りのインターフェースは充実しており、上部にはイヤホン端子を搭載
加えて前面には上下にスピーカーが搭載されており、本体単体でもステレオサウンドを楽しみやすくなった。大音量にするとかなりの迫力だ

広角カメラのイメージセンサーが大幅強化

 続いてカメラを確認すると、背面のメインカメラは約4800万画素/F値1.8の広角カメラと、約800万画素/F値2.2の超広角カメラ、そして約800万画素/F値2.2の望遠カメラの3眼構成。見た目にはXperia 10 IVと変わらないのだが、広角カメラのイメージセンサーが高画素、かつ1/2.0型とより大型のものに変更されている。

カメラはXperia 10 IVと同じ3眼構成だが、広角カメラのイメージセンサーが変化し性能が大幅に向上している
超広角カメラで撮影した写真
広角カメラで撮影した写真
望遠カメラ(2倍)で撮影した写真

 加えてXperia 10 IVと同様に光学手ブレ補正も搭載していることから、暗い場所などでも安定して撮影しやすくなった。ソニーはスマートフォンのカメラでも自然な表現を重視しているだけに、ナイトモードを使ってもものすごく明るく撮影できるわけではないので、そうした表現を期待している人はやや肩透かしを食らってしまうかもしれない。

暗い場所でナイトモードをオフにして撮影したところ。ハイエンドモデルと比べれば性能は落ちるが、暗い場所でも被写体を安定して捉えることができている
ナイトモードをオンにして撮影。写実的表現にこだわるソニーだけにギラギラした明るさにはならないが、自然な雰囲気でより明るく映し出すことができる

 もちろん、多くのスマートフォンが対応しているポートレート撮影なども簡単にできるが、カメラアプリでナイトモードやポートレート撮影などをする際は画面下部ではなく、画面上部から設定を選ぶ必要がある。ソニー製のカメラアプリに慣れていない人は戸惑いやすいので注意しよう。

背景をぼかしたポートレート撮影なども簡単にできる

 一方、フロントカメラは約800万画素/F値2.0とミドルクラスではスタンダードな構成。こちらでもナイトモードやポートレート撮影などの利用が可能だ。

フロントカメラで撮影した写真。性能的にはスタンダードな内容となっている

基本性能はXperia 10 IVと変わらず

 基本性能を確認すると、Xperia 10 Vはチップセットにクアルコム製の「Snapdragon 695 5G」を搭載しており、メモリーは6GB、ストレージは128GBでmicroSDによる増量が可能。ただ正直なところ、この性能はXperia 10 IVと変わっておらず、新機種による性能アップを期待した人には残念なポイントといえるだろう。

 各種ゲームで性能を確認してみると、「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティーが「HD」、フレーム設定が「高」まで。「原神」のグラフィック設定は初期状態で「低」と、やはりSnapdragon 695 5Gを搭載したほかのスマートフォンと同等となっている。

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティーが「HD」、フレーム設定が「高」までと、ほかのSnapdragon 695搭載機種と大きく変わらない
「原神」のグラフィック設定は初期状態で「低」。「最高」にしてもフレーム落ちなどは起きるがそれなりにプレイはでる

 ただ、Snapdragon 695 5Gもミドルクラスながら性能自体はそれほど低いわけではない。それゆえクオリティーに強くこだわらなければ3Dゲームも問題なくプレイできるし、日常使いで不満が出ることもないことから、リッチなゲームさえ避ければ大きな支障が出ることはないだろう。

 最後に通信機能に関して、今回は試作機のため試すことができなかったが、SIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM構成。もちろん5Gには対応しているがミリ波には非対応であり、携帯4社から販売されるので各社の周波数構成に合っている。

SIMスロットはナノSIMとeSIMのデュアルSIM構成。SIMスロットの裏にmicroSDを挿入することが可能だ

【まとめ】円安などで性能進化が止まってしまったのが惜しい

 まとめると、Xperia 10 Vはミドルクラスで実績のあるXperia 10シリーズをしっかり踏襲しながら、前機種よりカメラ性能をアップさせたり、フロントステレオスピーカーを搭載したりするなど、よりユーザーの利用シーンに重点を置いた機能強化がなされているのが大きなポイントだ。カラーバリエーションをワイヤレスイヤホンに合わせるなど、デザインの統一性を打ち出しているというのもソニーらしさを感じる。

 ただ一方で、チップセットが前機種と変わっておらず、性能面で進化が見られないというのは残念なポイントといえる。2023年は円安や半導体高騰の影響が直撃し、とりわけミドル・ローエンドモデルでメーカー各社が苦戦していることから、価格を維持しながら新機種を出すには古いチップセットを使うのが妥当、という判断に至ったのだろう。

 もちろん多くの人が利用する上で性能的に大きな問題はないのだが、グーグルがハイエンドモデルと同じ「Tensor G2」を搭載した「Pixel 7a」を6万円台で投入していることを考えると、やはりチップセット性能の進化が止まったことを気にする人も多いのではないだろうか。国内メーカーが相次いでスマホから撤退しており、非常に厳しい市場環境にあることは理解しているが、消費者目線に立つならばやはり次機種でのチップセットの性能強化に期待したい。

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