1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

有料版「ChatGPT Plus」無料版との違いは?【初心者向け】

ASCII.jp / 2023年6月23日 17時0分

 前回までは無料版のChatGPTを使ってきたが、実はChatGPTには「ChatGPT Plus(以下Plus)」という月額20ドル(約2800円)支払うことで下記のような優遇を受けることができる有料プランが存在する。

大規模言語モデルの最新型「GPT-4」が使えるようになる

 Plusの目玉はなんといっても「GPT-4」が使えるようになることだろう。

 GPT-4はOpenAIが開発したChatGPTの頭脳に相当する大規模言語モデル(LLM)と呼ばれるプログラムであり、人間が使用する言語を理解し、新たなテキストを生成する人工知能の心臓部だ。

 無料版のChatGPTは「GPT-3.5」というプログラムを使用しているが、Plusでは「GPT-3.5」に加えて最新モデル「GPT-4」が使用できるのだ。 

「GPT-3.5」、「GPT-4」性能比較(出典:OpenAI)

 上記は、SATやLSATといった米国の様々な試験問題をGPT-3.5とGPT-4に解かせた結果。青色がGPT-3.5、緑がGPT-4をあらわしている。多くの試験でGPT-4はGPT-3.5よりも優れた成績を収めているのがわかる。

 実際、2023年3月に発表されたGPT-4は、前バージョンのGPT-3.5と比べ、精度、表現力、対応言語、コンテキスト理解力などすべてが上回っている。

 試しに「猫、AI、竹輪で三題噺を作って」という同じプロンプトをGPT-3.5(ChatGPT無料版)とGPT-4(ChatGPT Plus)に投げてみた結果をリンクしておく。どちらが賢いかはこれを読んで判断してほしい。

 GPT-3.5の回答はこちら(クリックで拡大表示)。

 GPT-4の回答はこちら(クリックで拡大表示)。

 さらに、まだ利用はできないが、GPT-4はテキストだけではなく画像を使った入力にも対応した「マルチモーダルモデル」となっている。つまり将来的にはプロンプトや回答にテキストだけではなく画像を使えるようになる可能性があるということだ。

 なお、GPT-4はマイクロソフトの検索エンジン「Bing」にも導入されているので、GPT-4を少し試したいだけであればBingを使うという選択肢もある。

最新の話題にも対応できる

 ご存知のようにChatGPTの知識は2021年までに制限されているので、それ以降の具体的なイベントや新しい製品、技術、流行などについては基本的に言及できないようになっている。

 だが、Plusに加入すると利用できる「Brows with Bing」機能では、Bingの検索機能を利用して最新の知識をインターネット上から取得し、それを元に言及することができるようになる。

GPT-3.5の生成した回答

 さっそく試してみよう。上記は無料版のChatGPTで「今年のプロ野球オールスターゲームの日程を教えて」と聞いてみたところ。もちろん2021年にはまだ日程は発表されていないのでGPT-3.5には答えられない。

「Brows with Bing」を選択

 ではGPT-4を試してみよう。Plusに契約すると表示されるモデル選択画面で「Browse with Bing」を選択する。

GPT-4の生成した回答

 ばっちり日程を教えてくれた。

ブラウズしたウェブページへのリンク

 なお、Bingで検索した知識を元に生成された出典が存在する文章には、末尾に小さな数字が付記されており、カーソルを持っていくことで出典元のウェブページへのリンクが出現する。課題や論文など厳密に出典を要求される文章を作成する際には必須の機能だ。

プラグインで機能を拡張できる

 「プラグイン」はサードパーティーが提供するChatGPTの機能を拡張し、より多様なやり取りを可能にするアプリケーション群だ。利用することで、株価や最新ニュースなどを取得したり、資料からの作図、料理の注文や航空券の予約などをChatGPTでできるようになる。

Pluginsを選択

 利用するにはまずモデル選択画面で「Plugins」を選択する。

「No plugins enabled」の表示

 次に「No plugins enabled」と表示されている部分をクリック。

「Plugin store」

 すると「Plugin store」画面が表示されるが、デフォルトでは代表的なものしか表示されていない。

「All」をクリック

 そこで画面左上の「All」をクリックして全てのプラグインを表示させてみよう。画面下部のページ数が一気に63ページに増えた。つまり現在500以上のプラグインがラインナップされているということになる。

「Tabelog」プラグイン

 試しに使ってみよう。検索ウィンドウに「tabe」と入力して「Tabelog」プラグインを表示。「Install」ボタンをクリック。

「Tabelog」プラグインの表示

 するとPlugin Store画面が閉じ、モデル名の下に「Tabelog」プラグインのアイコンが表示される。

複数のプラグインを管理

 プラグインは一度に2個まで同時に利用できる。また、一度インストールしたプラグインは後からいつでも利用できる。

「Tabelog」プラグイン使用例

 この状態で「有楽町駅近辺のリーズナブルなイタリアンを教えて」というプロンプトを入力すると、「食べログ」のデータベースから検索されたレストランが表示された。

他にもメリットは多数

 Plusのメリットはこれだけではない。例えばChatGPTは利用者の急増によりアクセス制限がかかってしまうケースがあるが、Plusには優先的なアクセスが提供されているため、アクセスが集中する時間でもスムーズに利用できる。また、反応速度もChatGPTに比べてかなり高速になっている。

 さらにPlusの加入者は、新しい機能やアップデートなどに優先的にアクセスできることが約束されている。「Brows with Bing」や「Plugins」がそうだが、今後も追加機能が期待できる。

「ChatGPT Plus」に加入する

 ここからはPlusに加入する方法を解説していく。OpenAIのアカウントをまだ作っていない場合は連載第1回を参考にまずは作成しておこう。

 なお、現在のところ支払い方法はクレジットカードのみとなっている。

「Upgrade to Plus」

 画面左下に表示されている「Upgrade to Plus」をクリック。

機能比較画面

 機能比較画面が表示される。緑色の「Upgrade plan」をクリック。

個人情報入力画面

 個人情報入力画面が表示される。カード番号や住所を入力し「Subscribe」ボタンをクリック。

確認画面

 有効なクレジットカードが確認され、この画面が表示されれば成功だ。「Continue」ボタンをクリックしよう。

ChatGPT Plusの画面

 新しいChatGPTの画面が表示された。画面上部に「GPT-3.5/GPT-4」を切り替えるスイッチがついているのがわかる。

GPT-4を選択

 デフォルトではGPT-3.5が選ばれているので、GPT-4に変えておこう。(反応が遅すぎるなど特別な理由がない限りPlus加入者があえてGPT-3.5を使う理由はほとんどない)

「Setting」ボタン

 最後に画面左下のアカウント名をクリックすると表示されるメニューから「Setting」をクリック。

「Beta Features」

 設定画面が表示されるので、左側の「Beta Features」を選択し、「Browse with Bing」と「Plugins」にチェックを入れよう。

 以上でChatGPT Plusのセッティングは終了だ。残念ながら試用期間は用意されていないがサブスクリプションはいつでも解除できるので、気になる人は1ヵ月だけでも試してみるといいだろう。

田口和裕(たぐちかずひろ)

 1969年生まれ。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイト等を中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。2019年にはタイのチェンマイに本格移住。Amazon著者ページ(http://amzn.to/hvm19A)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください