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Google Pixel Tabletは家族と一緒に使いやすい「一家に1台のタブレット」

ASCII.jp / 2023年6月20日 16時1分

グーグルがPixelシリーズとして初めて発売するタブレット「Google Pixel Tablet」

 Google Pixelシリーズから初めてのタブレット「Google Pixel Tablet」が登場し、6月20日に発売。発売に先駆けて本機を試した筆者のファーストインプレッションを報告します。

スマートディスプレーのNest Hubから進化した

 Google Pixel Tablet(以降、Pixel Tablet)は、純正スマートフォンの最新モデルであるPixel 7シリーズと同じ、グーグル純正のモバイル向けSoCであるTensor G2チップとAndroid OSを搭載しています。出荷時のバージョンはAndroid 13ですが、次期Android 14の正式リリース後はいち早くアップデートに対応するはずです。

 Androidタブレットの中でも高いスペックを持つPixel Tabletですが、筆者は本機を約1週間使ってみて、ビジネスやデジタルクリエーションに使うよりも「ホーム用」としての特長が際立つタブレットであることを実感しました。グーグルもまた、本機を家族がわが家でエンターテインメントを満喫するためのタブレットであるとアピールしています。

タブレット本体に付属する充電スピーカーホルダー。ホルダーにはAC電源ケーブルによる給電が必要です

 Pixel Tabletの最大の特徴は、専用の充電スピーカーホルダーにドッキングすると、スマートディスプレーになることです。筆者は自宅でGoogle Nest Hubシリーズのスマートディスプレーを使っていますが、前からずっと「Nestの画面が取り外せて、タブレットにもなればいいのに」と思っていました。念願かなった格好です。

左側が7インチのGoogle Nest Hub。Pixel Tabletはディスプレーのベゼル(縁)もスリムなデザインになり洗練された印象を受けます

 10インチ台のスマートディスプレーは、色んなモノがあふれるわが家のリビングルームには不向きでした。そのため、Nest Hubは7インチの小さい方を使っています。Pixel Tabletは11インチなので、またリビングには置きづらい雰囲気になりかけたのですが、家族と個別のプロファイルを作成して、複数ユーザーが使える設定にしてみたところ家族にも好評を得ることができました。

システム設定から「複数のユーザーを許可」。最大8人までのメンバーが登録できます

家族で共用できるタブレット。シゴトには?

 設定の「システム」から「複数ユーザー」を選び、複数のユーザーによる使用を「許可」します。筆者のほかに家族のユーザープロファイルを追加します。各ユーザーの指紋とPINコードを登録すると互いのプロファイルにはアクセスできなくなります。Voice Matchをオンにすれば音声操作時のプライバシーも守られます。

 ユーザーを切り換えれば「別人のタブレット」になるので、メールやウェブブラウジングの内容、YouTubeの視聴履歴などが家族に見られる心配もありません。毎度使い終わったらホルダーに載せて充電するように家族のルールを決めておけば、いざ使いたい時にバッテリー残量が切れかけていて「家族にキレられる」心配もないと思います。

ロック画面上で黄色いチェックを入れたユーザーのアイコンをタップ。登録したユーザーを選択できる画面に遷移します

 ユーザーの切り替えはロックスクリーンから、ドロップダウンメニューをタップして素速くスイッチできるので実用的です。1台のPixel Tabletに最大8人までのユーザーが登録できます。家族が互いのプライバシーを守りながら快適に使える高性能タブレットが7万9800円からゲットできるのならば、これはお買い得だと思います。

登録ユーザーの切り換え画面。指紋、PINコードを登録すれば各自がPixel Tabletをプライベートな用途に使えます

 今回発売されるPixel TabletはWi-Fi専用モデルのみで、セルラー通信に対応するモデルがありません。スタイラスペンはUSI 2.0互換のペンが使えるほか、Bluetoothのキーボードやマウスにも対応していますが、本機のために使い勝手を最適化したグーグルの“純正品”がありません。筆者が試したBluetoothキーボードはローマ字/かな入力変換の相性がPixel Tabletとあまりよくありませんでした。

 今後、グーグルがPixel Tabletとの使い勝手を最適化したキーボードやスタイラスペンを専用アクセサリーとして追加することがあれば、ビジネスやデジタルクリエーションの方にも本機を選ぶユーザーが広がりそうです。タブレット本体のパフォーマンスがとても高いので、グーグルにはぜひ使い道を広げる方向を検討してもらいたいです。

11インチのPixel Tablet。フロントカメラは横向きに構えた本体のトップ中央にレイアウトしています

充電スピーカーホルダーと合わせてシンプルに使いこなせる

 Pixel Tabletはナノセラミックコーティングコーティングを施した、バスタブ構造の樹脂筐体としています。表面はさらっとした滑らかなさわり心地で、指紋の付着も目立ちません。筆者が試用した「Porcelain(磁器)」のカラーバリエーションは、少しグレーがかった上品なホワイトです。

 約11インチの液晶ディスプレーは解像度が2560×1600画素、密度は276ppi。明るく発色も素直なので、写真や動画を表示した際に違和感を感じません。アスペクト比は16対10と長辺がより長く、第10世代のiPadに比べると“面長”に見えます。質量は第10世代iPadのWi-Fiモデルが約477gですが、Pixel Tabletは約493gと16gほど重くなります。

筆者が試したモデルのカラーバリエーションは「Porcelain(磁器)」。ナノセラミックコーティングコーティングの上質な触感を特徴としています
参考までにZOOMを起動。カメラの位置などビデオ通話に使いやすいように工夫されています

 背面と前面に8MPカメラを搭載しています。特に前面ディスプレー側のカメラが、本体を横に構えたときにトップ中央の位置になるよう配置されているので、ビデオ会議の際にカメラに目線を合わせやすくて良いです。1080/30p対応の画質、84度をカバーする視野も十分に良好。筆者はこれからPixel Tabletをオンライン取材の用途に使い込んでみるつもりです。

左右に2基ずつ、計4基のスピーカーユニットを内蔵しています

 本体には4つのユニットによる横向きステレオスピーカーがあります。通話、録音、Googleアシスタントとそれぞれに役割が異なる3基のマイクユニット、デジタルコネクタとしてUSB-Cを1基搭載しています。ヘッドホンジャックはありません。

ホルダーに装着するための4ピンプラグ。音声信号もこのプラグから出力されます

 背面には充電スピーカーホルダーと接続するために、ポゴピンタイプの磁器式ドッキングインターフェースがあります。アクセサリ コネクターとしても機能する4ピン仕様のインターフェースを活用して、ホルダー経由でPixel Tabletを充電したり、Pixel Tabletから音声データをホルダーに出力します。

 ゆえに、ホルダーのスピーカーは今のところPixel Tabletとの組み合わせだけで動きます。ホルダーをほかのタブレットやPC、スマホにつないでBluetoothスピーカーとして使う機能がありません。ホルダーのスピーカーで音楽を再生中にタブレットを取り外すと、タブレットの内蔵スピーカーから音が聞こえてきます。

音楽再生はスピーカーホルダーに装着して楽しむ方がおすすめです

エンターテインメント性能やPixel連携も充実

 充電スピーカーホルダーは横169×縦94.1×奥行き70.3mm。画像を見て想像していたよりもコンパクトで、場所を取りません。バッテリーは内蔵していないので、スピーカーとしてキッチンのカウンターなどに移動させて使いたい場合は、電源ケーブルごと持ち運ぶ必要があります。

 ホルダーの内部には、43.5mmのフルレンジスピーカーを1基内蔵しています。Pixel Tabletは単体でもステレオ再生に対応していますが、スリムなタブレットの内蔵スピーカーよりも、やはりホルダーのスピーカーの方がパワフルで迫力のある音が出せます。特に低音域の厚みが増して、ボーカルものの楽曲は声の帯域が前に張り出す立体感がありました。

 ホルダーに載せて充電しながら、Pixel Tabletにはワイヤレスヘッドホンやイヤホンを接続してサウンドを楽しむこともできます。筆者はキッチンで料理をしながら動画を見る時には手元がうるさくなるので、Pixel TabletとPixel Buds Proの組み合わせで楽しんでいます。

メディアプレーヤーのパネルから接続しているワイヤレスイヤホンに、オーディオの出力先を素速く切り換えられます

 音楽再生中は画面の上部をスワイプダウンしてメディアコントロールを表示、右肩のアイコンをタップすると接続中のイヤホンとホルダースピーカーのどちらで音を再生するか、素速く選べて便利です。

AndroidスマホからニアバイシェアによりPixel Tabletに写真をワイヤレスで共有

 Pixelデバイス連係はニアバイシェアによる写真などのファイル転送、Google TVアプリからわが家のAndroid TVを搭載するテレビへの再生転送、同じホームネットワーク内のNest Hubシリーズの遠隔操作など多岐に渡ります。タブレットに最適化した「Google Home」アプリのデザインがとても見やすく整頓されているので、Googleアシスタントに対応するスマート家電機器の操作パネルとしても役立ちそうです。やはりPixel Tabletは「家族のタブレット」として揃う機能や使い勝手が洗練されていると思います。

タブレットの画面を分割表示にして、フォトからWordにドラッグ&ドロップでファイルをコピペできます
Google TVアプリから、Android TV(Google TV)を搭載するテレビに、コンテンツのキャスト再生が素速くできます

 11インチの大きな画面を左右分割表示にして、同時に2つのアプリを立ち上げながらファイルをドラッグ&ドロップできる機能も使い勝手が良いです。せっかくなのでこれからPixel Tabletを仕事にも使える環境を模索したいと思っています。まずは相性の良いワイヤレスキーボードを探すところからです。近くグーグル純正のキーボード付きカバーやスタイラスが登場する…なんて朗報はいつでも大歓迎です。

 

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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