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iMac風トランスルーセントなモバイルバッテリーを衝動買い

ASCII.jp / 2023年6月23日 7時30分

Retro 67 ACアダプターやStorm 2など、ユニークなAC関連商品のShargeが「iMac似のカラフルなモバイルバッテリー」を発売したので手に入れた

 国内では「モバイルバッテリー」、海外では一般的に「パワーバンク」と呼ばれる製品の市場規模はどのくらいあるのか、門外漢の筆者にはよく分からない。しかしECサイトで検索すると、すぐに数千単位で表示される。価格的にも在庫処理の数百円からハイエンドの数万円近くまで、そのバリエーションも極めて豊富だ。

 近未来にデバイスとの接続ポートがUSB Type-Cに統一されるのが見えだしてからか、昨今はType-Cポートを標準搭載した商品が多い。ただ一部の商品は、まだしばらくはmicroUSBやもう一方のメジャーであるLightning端子の需要が残りそうなので、モバイルバッテリーにはUSB Type-Aポートも併設している商品もそこそこ多い。

モバイルバッテリーも性能とコスパは当たり前。一足早くアイデンティティのワールドに進化したShargeekのモデルもこんなに手元に……

 そして昨今のモバイルバッテリーの容量は、単体で5000mAhのセルを使用することが多い関係からか、5000mAhや2倍の10000mAhの容量のモバイルバッテリーが多く、売れ筋のようだ。重量的にも10000mAhクラスだと、スマホ本体と同じ200g前後だ。今回ご紹介するShargeのモバイルバッテリー「SHARGE Flow(シャージ・フォロー)モバイルバッテリー」(以降、Flowモバイルバッテリー)もまさにその主戦場に打って出たモバイルバッテリーだ。

モバイルバッテリーは似たようなデザインばかりだったが……

 スペックと重量が使用するセルの数で決ってしまう現在、モバイルバッテリーユニットとしての提供企業が最も注目して差別化可能な要素の有力な一つは「工業デザイン」だ。Shargeはいち早くモバイルバッテリーをただ黒くて四角くて重い塊から、持ち歩いてうれしくて人に見せて自慢したくなるガジェット系アイテムに変貌させた先駆企業だ。

Flowモバイルバッテリーの同梱品は、15cmのType-Cケーブルと取説だけ。多国語の取説には日本語取説も入っている

 Flowモバイルバッテリーのパッケージには、モバイルバッテリー本体と充電・給電用の15cmのType-C to Type-Cケーブル、取説の3点が入っている。取説は多国語対応で、もちろん日本語ページもきちんと用意されている。

 Flowモバイルバッテリーの大きさは80×60×28.5mm。縦横比は多少違うが、面積はほぼクレジットカードサイズに近い。重量は200g。重量の大半を占めているのは、LG製21700リチウムイオン電池(72.6g)を2本採用し、容量は各5000mAhで合計10000mAhとなっている。

クレジットカードより少し幅は小さく高さは高いがほぼ同じ面積だ

 モバイルバッテリーの多くは、バッテリー残量の状態や充電状況を明示的に示すために、複数のLEDを搭載しているのが一般的だ。オシャレなFlowモバイルバッテリーでは、本体上部のトランスルーセントな外装の内側に「ライトセーバーパワーメーター」という照明が取り付けられている。バッテリー残量や充電中の表示には、ライトセーバーは4分割されその時の状況を表示してくれる。

てっぺんにはバッテリー残量や充電状況を示す「ライトセーバー」がある。サポートする入出力ポートはType-A(出力専用)とType-Cが各1個

言われてみると少し短いがライトセーバーなイメージがする

 Flowモバイルバッテリーでは、本体の左右にType-CとType-AのUSB入出力ポートが、各1個配置されている。Type-Cポートは入出力対応。Type-Aポートはデバイスへの充電出力専用だ。各ポートの最大出力はType-Cが20W、Type-Aが18Wとなっている。

オプションで販売されている透明の専用ポーチ。Flowモバイルバッテリーを収納したまま使えてかわいいが、取り出す時にくっついてなかなか取り出せない

 トランスルーセントでオシャレなFlowモバイルバッテリーには、専用の透明収納バッグ「Sharge Bag」がオプションとして販売されている。Flowモバイルバッテリーとはデザイン的には釣り合うが、バッグ素材がFlowモバイルバッテリーのツルツルの表面にくっつきやすく、出し入れに苦労する。もちろんFlowモバイルバッテリーをバッグに収納したままでも、充電操作に支障ない。

Flowモバイルバッテリーは、カラフルな4色が提供される

 Flowモバイルバッテリーの外装カラーは、現在のところホワイト、ブルー、パープル、グリーンの4色が発売されている。目立ちたいのならパープルかグリーン。シックにいきたいならブルーかホワイトだろう。

Flowモバイルバッテリーの充電速度をチェック

 さて続いて実際にFlowモバイルバッテリーを使って、筆者の最近のサブスマホであるLEITZ PHONE 2に充電してみた。実際に充電が始まるとLEITZ PHONE 2の画面に「急速充電中」の表示が現れ、充電中の数値をテスターで見てみたら9.010V、1.640Aで充電されているようだった。

早速、LEITZ PHONE 2に充電してみた。急速充電で短時間でフル充電できた

 続いてバッテリー容量4400mAhである筆者のメインスマホ、Galaxy Z Fold4のバッテリー残量が10%になったところでFlowモバイルバッテリーを付属のUSBショートケーブルで接続して充電してみた。

バッテリー残量10%になったGalaxy Z Fold4に「Flowモバイルバッテリー」と「Retro 67 ACアダプター」の両方で満充電して、両者を比較してみた。Flowモバイルバッテリーの急チャーはなかなか優秀だ

 充電の様子は、スマホ側のアプリ「シンプルバッテリーグラフ」で100%充電後に結果を見てみた。充電開始はGalaxy Z Fold4のバッテリー残量が10%になった夜22時。100%満充電になったのは23時42分だった。結果的に10%→100%までに要した時間は1時間42分(102分)だった。

 ほぼ同じ条件で同社のRetro67 ACアダプターで充電をしてみたところ、10%→100%満充電に要した時間は1時間26分(86分)だった。FlowモバイルバッテリーとACアダプターでの充電時間の差はわずか18%程度だった。Flowモバイルバッテリーはなかなか高速充電だ。

 Flowモバイルバッテリーの取説の巻末に掲載されている製品仕様をみると、Flowモバイルバッテリーのバッテリー容量(電芯容量)は前述したように10000mAh、そして額定容量(実質的に充電可能な定格容量)は5800mAhと記されている。

 現代の一般的なリチウムイオン電池のバッテリー容量と額定容量の差は、出力電圧3.7Vのリチウムイオン電池をUSBの出力である5Vに昇圧するために生じる損失差だ。一般的に額定容量はバッテリー容量の60%前後だと言われているので、Flowモバイルバッテリーの額定容量は妥当と言える。筆者のGalaxy Z Fold4(4400mAh)ならバッテリー残量が10%程度までなった時に、Flowモバイルバッテリーで充電開始するなら約1.5回弱充電可能だと思われる。

Flowモバイルバッテリー本体は、Retro 67 ACアダプターで3時間足らずで満充電できる

 最後になったがいろいろ充電テストをしていると、Flowモバイルバッテリーのバッテリー残量を示すライトセーバーパワーメーターが、4分の1を切ってしまっていた。そこで同じShargeのMacintoshにオマージュしたRetro67 ACアダプターで充電してみたところ、3時間弱で100%充電できた。十分実用の範囲だろう。

Flowモバイルバッテリーはパススルー充電も同時2台充電にも対応

 Flowモバイルバッテリーの充電スタイルには、本体にACアダプターから充電しながら同時に外部のデバイスに充電する「パススルー充電」やType-AポートとType-Cポートの2ポートを利用して同時に2台のデバイスに充電する「パラレル充電」も可能だった。残念ながらパススルー充電及びパラレル充電時には、急速充電とはならないようだった。

 Flowモバイルバッテリーは、自らの充電にもスマホなどの外部デバイスへの給電(充電)にも急速チャージ機能を活用できる優れものだ。iMacを彷彿とさせるトランスルーセントな外観とホワイト、ブルー、パープル、グリーンの4色の組み合わせもなかなかかわいい。モバイルバッテリーも、機能と値段だけで優劣を決めるコスパ命の味気ない世界から抜け出そうとしているのかもしれない。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:Sharge「Flowモバイルバッテリー」 ・購入:Amazon.co.jp ・価格:4790円(2023年6月19日)

・アイテム:Sharge「Flow モバイルバッテリー専用収納バッグ」 ・購入:Amazon.co.jp ・価格:990円

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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