1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

古いパソコンはChromebookにしてしまえ!「ChromeOS Flex」の使い方

ASCII.jp / 2023年6月23日 7時0分

 グーグルは6月15日、古いPCにインストールできる「ChromeOS Flex(安定版)」をリリースした。最新のWindowsやmacOSが動作しないような古いPCでも、快適に動作するのが特徴だ。

 近年はビジネスで利用ツールの多くがクラウドで提供されるようになり、ブラウザー上で仕事が完結するようになってきた。それなら古いPCも現役の仕事端末として復活させられるかもしれない。動作が軽いなら、今どきのモリモリPCより快適になるかも。さらにChromeOSなので、ランサムウェアやマルウェアなどの被害を受けにくく、セキュリティ面でも安心できる。

「ChromeOS Flex」の安定版がリリースされた

用意するのは古いパソコンとUSBメモリーだけ

 システム要件はさすがの低水準。メモリー4GBで、ストレージは16GBもあればよい。

アーキテクチャ:Intelまたは AMD x86の64ビット互換デバイス RAM:4GB 内部ストレージ:16GB USBドライブからの起動をサポート

 「認定モデルリスト」でインストールできる機種を確認できる。編集部からお借りした2016年の12インチMacBookを確認したところ掲載されていなかった(※編註:リスト上で2010年の13インチ版「MacBook」と勘違いしていました……すみません)。手持ちのノートPC「ASUS VivoBook 15 X512DA」もない。とはいえ、もっと古いMacBookやVivoBookシリーズも載っているのでなんとかなるだろうと作業を開始した。

手持ちのマシンは確認モデルリストに明確に掲載されていなかった

 あらかじめ用意するのは、ChromeOS Flexをインストールしたいパソコンと、8GB以上の容量を持つUSBメモリーだ。

 最初に公式サイト「ChromeOS Flex」にアクセスして、「ChromeOS Flexを試す」を選択。氏名や会社名など必要な情報を入力したら、ふたたび「ChromeOS Flexを試す」を選択。するとインストールガイドが開くので「USBインストーラを作成する」を選択する。

 Chromeブラウザーで拡張機能「Chromebook リカバリ ユーティリティ」のページが開くので、「Chromeに追加」で拡張機能を追加。追加した拡張機能のアイコンをクリック。作業を進め、「Chromebookの識別」の画面が出たら「リストからモデルを選択」を開き、メーカーに「Google Chrome OS Flex」、製品には「Chrome OS Flex」を選択する。

 続けて、8GB以上の容量を持つUSBメモリーを装着。「今すぐ作成」をクリックするとインストールメディアの作成が始まる。完了したら、インストールしたいPCに接続し、USBメモリーからブートすればOKだ。

「USBインストーラを作成する」をクリック
「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を追加する
「リストからモデルを選択」をクリックし、「Google Chrome OS Flex」を選択する

 まずはMacBookで作業スタート。Chrome OS Flexのインストール画面が開いたもののタッチパッドやキーボードが動作しない。ドライバーの問題かと思い、USBマウスをつなぐとカーソルが動いたので、インストールを進めることにした。

 「ChromeOS Flexをインストール」をインストールする際の注意点などが表示されるので、確認して操作を進めるとインストールが開始された。

「Chrome OS Flex」のインストール画面が開いた
「ChromeOS Flexをインストール」を選択して、「次へ」をクリック
「ChromeOS Flexをインストール」をクリックする
ストレージが消去されることを確認し、「インストール」をクリックする

 このまま起動するのかと思いきや、「インストールを完了できませんでした」とエラーが表示された。2016年の12インチMacBookは対象外だったようだ(※編註:すみません、本当すみません)。

 そこで今度は、そこまで古くはないが手持ちの「ASUS VivoBook 15 X512DA」をUSBメモリーからブートしてインストールを進めてみたところ「このChromebookはどなたが使用しますか?」と見たことのない画面が表示された。もちろん「あなた」を選択して「次へ」をクリック。Googleアカウントにログインしたら、デスクトップが表示されたので一安心だ。

無事インストールが進んだので、「あなた」を選択して「次へ」をクリック
Googleアカウントでログインする
「ChromeOS Flex」が起動した

Webアプリはサクサク、ビデオ会議端末としても優秀

 無事インストールができたところで、標準搭載のChromeブラウザーでいろいろなクラウドサービスを利用してみたが、すべて問題なく動作した。普通のChromeブラウザーなのだから当たり前と言えば当たり前か。SNSもビジネスチャットもYouTubeも、ChatGPTも快適に操作できる。

 3年前に約9万円で購入した「VivoBook 15 X512DA」は、CPUにAMDのRyzen 7 3700U(2.30GHz)、メモリーは8GBを搭載。Windows 11でバリバリ作業するには少し厳しいスペックだが、ChromeOS Flexではサクサク動作するので快適だ。

 懸念していたビデオ会議ツールも正常に動作した。大事なビデオ会議時にWindowsの不調で接続に手間取ってしまうこともあるが、ChromeOS Flexなら安定しているのでそんな心配はなし。会議用端末としても優秀と言えるだろう。

YouTube動画もコマ落ちなどなく再生できた
ChatGPTなど多数のウェブアプリを動作させたが、サクサク操作できる

 左下の「○(ランチャー)」アイコンをクリックすると、設定やインストールされているアプリが表示される。当然「Chromeウェブストア」からインストールしたアプリも問題なく動作する。WordやExcel、PowerPointをはじめ、メーラーや写真編集アプリもたくさん公開されている。

ランチャーをクリックすると、検索フォームとアプリが表示される
Chromeストアからアプリを追加できる
Word Onlineアプリも使えるので、ビジネス利用も可能

ただしPCに組み込まれた機能が使えないことは多い

 既存のChromeOSとChromeOS Flexの違いとしては、通常のChromeOS端末に搭載されているセキュリティチップが使えないことが挙げられる。ブート時の確認手順などが利用できないのだ。とはいえUEFIセキュアブートには対応しているので、問題はなさそうだ。

 また、ChromeOS Flexでは、端末のBIOSやUEFIのファームウェアを管理できず、自動更新もできない。ユーザー自身が管理しなければならないことはおぼえておこう。

 さらに、AndroidアプリやGoogle Playには対応しておらず、Parallels DesktopによるWindows仮想マシンの実行もできない。WindowsやMac用の周辺機器はもちろん、DVDドライブや指紋リーダー、タッチペンなど、PCに組み込まれた機能が利用できないことも多い。

 少々制限はあるものの、ブラウザーの動作が完ぺきなので、活躍するシーンは多そうだ。クラウドサービスを中心に利用しているなら、仕事でも使えるだろう。筆者の場合、ブラウザーで執筆するのに慣れていないので、メイン端末にはできない。

 画像や動画編集もクラウドでできるが、筆者としてはやはり十分な処理能力のあるPCを使いたいところ。とはいえ、ChromeOS Flexは出先での軽作業用としてなら十分だろう。

家族用にするのもアリ。古いPCがあるならオススメ

 やはり使っていない端末が復活するのはありがたい。他のユーザーのレポートを見ると、10年前のPCでも問題なく動いているようだ。筆者は古いPCを片っ端から処分してしまうので、ちょっと後悔している。

 処理性能の低さから使わなくなっていた「VivoBook 15 X512DA」も復活したので、リビングに置いて家族共用PCにする予定だ。ChromeOSはペアレンタルコントロール機能が搭載されているので、子ども用の端末としても利用できる。古いPCが自宅に転がっているなら、ぜひChromeOS Flexをインストールすることをお勧めする。

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください