コアHXにGeForceにOLEDの3拍子揃った最強ノートPC 「ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JI」 実機レビュー
ASCII.jp / 2023年6月30日 11時0分
ノートPCにはさまざまな種類がある。いざ購入しようとしても、どのようなスペックのマシンを選べばいいのか悩む方が大半だろう。もしさまざまな用途に活用できるノートPCを探しているのなら、ハイパフォーマンスなCPUと、グラフィック処理に特化した「ディスクリートGPU(外部GPU)」を搭載したノートPCをオススメする。
趣味でも仕事でもゲームでもパワフルノートなら安心
ブラウジングやオフィスアプリを使うだけなら、モバイルに特化した薄型・軽量ノートPCでも問題ない。しかし写真・動画編集に挑戦したり、最新の3Dゲームを存分にプレイしたいのなら「パワフルノートPC」がイチ押しなのだ。
今回は「ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JI (K6604JI-MX099W)」を例に、パワフルノートPCの魅力をお伝えしよう。
作業性を重視するのであれば、ディスプレーは16インチサイズを推したい。最新の16インチノートPCは狭額縁化されており、モバイル可能なサイズ、重量に仕上げられている。
たとえばASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIであれば、355×249×22.35~23.3mm、重量は約2.18kgである。ナップザックならスムーズに出し入れできるし、通勤、通学、旅行時に背負っていても負担になることはまずない。
16インチの大画面は、一度使ったらサイズダウンできないほど広々とデスクトップを活用できるのだ。
CPUのパフォーマンス Core i9-13980HX搭載の威力
さて話をスペック選びに少し戻そう。インテル系CPUを選ぶ際に注目してほしいのが型番の最後に付いている文字である。
それはCPUの種類を表わしており、低消費電力・低発熱を追求した「Uプロセッサー」、一般的なモバイルノートPC向けの「Pプロセッサー」、ハイパフォーマンスノートPC向けの「Hプロセッサー」、ハイエンドノートPC向けの「HXプロセッサー」がラインナップされている。
最大の違いはTDP(熱設計電力)が下記のように異なることだ。 ・Uプロセッサー 15W ・Pプロセッサー 28W ・Hプロセッサー 45W ・HXプロセッサー 55W TDPが大きいほどより多くの電力を消費し、熱を発生させるが、そのぶんだけ高いパフォーマンスを発揮できるのだ。
ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIが搭載する第13世代(Raptor Lake)の「Core i9-13980HX」は、24コア(Performanceコア×8、Efficientコア×16)、32スレッド、最大5.60GHz、TDP55WのハイエンドCPUだ。
今回、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」を実施したところ、CPU(Multi Core)は28932pts、CPU(Single Core)は2018ptsという高いスコアを叩き出した。
ノートPC向けのなかでハイエンドに位置する最強CPUだけに、シングルスレッド、マルチスレッド性能のどちらも優秀。どんなアプリも瞬速で動作させられるだけのパフォーマンスを備えている。
一方ストレージについてはPCIe Gen4 x4接続SSD「Micron_2450_MTFDKBA1T0TFK」を搭載。ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4」で、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3606MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は3463MB/sというスコアを記録した。PCIe Gen4 x4接続SSDとしてはやや速度が抑えめだが、実用上十分なパフォーマンスを備えている。
dGPU「GeForce RTX 4070」搭載で画像処理もゲームも安心
ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIはディスクリートGPUとして「GeForce RTX 4070 Laptop GPU」を搭載している。
RTX 4070はRTX 3070と比較して、アーキテクチャーがAmpereからAda Lovelaceに進化しており、最大2倍の性能と電力効率を実現。また第4世代のTensorコアは最大4倍、第3世代のレイトレーシングコアは最大2倍の性能向上を実現していると謳われている。
さらにASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIは、ASUSのほかのマシンと同様に「MUXスイッチ」技術を採用している。
これはGPUがCPUを経由せずに、ディスプレーに直接フレームを出力できる仕組み。直接フレームを出力する「ディスクリートGPUモード」と、CPUの内蔵GPUを経由する「ハイブリッドモード」を切り替え可能とすることで、パフォーマンスと低消費電力のどちらを優先するかユーザーが自由に選択できるのだ。
今回3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」を実施したところ、「3DMark」のTime Spyは11804、Fire Strikeは24590、Wild Lifeは11804、Port Royalは11804を記録した。
「NVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop GPU」を搭載する「ASUS ProArt Studiobook 16 OLED H5600」がTime Spyは9622、Fire Strikeは18531、Port Royalは5901であった。つまりTime Spyで123%相当、Fire Strikeで133%相当、Port Royalで200%相当のスコアを記録したことになる。
また、3DMarkの推定ゲームパフォーマンスでは、「Battlefield V」は1440p解像度で95~115fpsで動作すると算出されている。リフレッシュレート120Hzのディスプレーが本領発揮できるだけの3Dグラフィックス性能を備えていることは間違いない。
ブルーライトカットで目にも優しい 16:10で120HzのOLEDがベスト
最近のASUSは多くのノートPCで有機ELディスプレー(OLED)を積極的に採用している。OLEDは画素自体が点灯するディスプレーで、高コントラスト、広視野角、高速応答、低消費電力などのメリットがある。
一目でわかるメリットとしては、画面上の黒い部分の画素が点灯しないことにより、限りなく「漆黒」に近い表現ができることが挙げられる。
ASUS製ノートPCに搭載されているOLEDは、広色域、正確な発色(PANTONE認証)、リフレッシュレート、応答速度、最高輝度、コントラスト比、ブルーライトの低減、色深度のいずれにおいても、従来の液晶ディスプレーよりも優れている。ほかのスペックが同等なら、OLED搭載ノートPCを選ばない理由はない。
画面の比率(アスペクト比)は昨今のノートPC選びにおいて重要な要素である。ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIディスプレーは、いま流行りの16:10のアスペクト比で、解像度は3200×2000ドットだ。
画面の縦が長いので、ブラウジングや書類作成時の前後の見通しがいい。ビデオ編集ソフトなどでもタイムラインをより多く表示できるので、クリエイティブワークでも大きな恩恵を受けられるのだ。
ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIのディスプレーは色域が「100% DCI-P3」と謳われている。実際にカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」で色域を計測したところ、DCI-P3カバー率は100%、DCI-P3比は114.3%と、スペックどおりの広色域を確認できた。
ちなみにAdobeRGBカバー率は97.2%、AdobeRGB比は115%と、こちらも100%に近い。本機のOLEDディスプレーは、DCI-P3、AdobeRGBのどちらの色空間の動画、写真でも、色調整可能なプログレードの色域を備えている。
ノートPC用OLEDディスプレーのなかにはリフレッシュレートが60Hzのものも存在する。しかし、ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIは120Hzと60Hzのいずれかを選択可能だ。
ハイリフレッシュレートで滑らかな動きのゲームグラフィックを堪能したいのなら120Hz、低消費電力を重視するなら60Hzと利用状況に応じて設定を変更できるわけだ。
非常に鮮やかなOLEDディスプレーの画面を見ると、目への負担を心配される方もいるかもしれない。
しかし、ブルーライトの低減効果を示すTÜV Rheinland認証を取得しており、有害なブルーライト量は従来の液晶ディスプレーの21.5%に対して、本製品は6.5%と約30%相当にまで抑えられているのだ。
今回ブルーライトの放射を可視化する特殊なフィルター越しに、ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIと液晶ディスプレー搭載ノートPCの画面を撮影してみたが、その差はご覧のとおり歴然としている。正直、見なかったほうがよかったと思えるほどの差であった。
Windowsにもクリエイティブにも便利 ASUS DialPad
デジタルを使ったクリエイティブワークのなかでも、意外と重要視されるのがアナログ的な操作感である。タッチパッド上でダイヤル操作を再現する機能が「ASUS DialPad」だ。
タッチパッド上の右上から中心に向かってスワイプすると、左上に白い光の円が現われる。この周囲をなぞるとダイヤル操作、中心をタップすると決定操作が可能なのだ。
バーチャルなダイヤルといえども、素早く動かし、ピタッと止めるアナログ的な操作は可能。動画再生時や、Adobeのアプリケーションなどで直感的にコントロールできる。ASUSの全ノートPCに搭載してほしいと思えるほどの超便利機能である。
充実のインターフェースと安定のキーボードデザイン 「MyASUS」と「ProArt Creator Hub」で自分好みのマシンにカスタマイズ
本製品はクリエイティブワーク向けマシンだけにインターフェースが充実している。 Thunderbolt 4×2 USB 3.2 Gen1 Type-A×2 HDMI出力端子 有線LAN(1000BASE-T) SDメモリーカードスロット 3.5mmコンボジャック を装備している。
ちなみにThunderbolt 4はデータ転送だけでなく、映像出力、本機への給電に対応。外出先で重たい作業をしないときには、コンパクトで軽量なUSB Power Delivery対応のACアダプターで運用できるわけだ。
キーボードはバックライトを内蔵した102キー日本語キーボードを搭載。キーピッチは実測19mm、キーストロークは実測1.5~1.6mmが確保されており、打鍵したときのフィーリングは良好だ。
テンキーが搭載されているが、文字キー両側のキーは色分けされており、配置、サイズ感がわかりやすい。
タッチパッドは実測130×82.5mmと広いスペースが確保されており、広々とジェスチャー操作できる。
クリックした際のストロークは浅めで、指がずれて誤操作することもなかった。そして前述の直感的な物理コントローラー「ASUS DialPad」は、タッチパッドに新たな機能を追加している。慣れるほどに操作が快適になる入力デバイスだ。
本製品には「MyASUS」と「ProArt Creator Hub」のふたつの専用設定アプリがプリインストールされている。Windows自体にも各種設定機能が用意されているが、専用設定アプリではよりきめ細かく設定、カスタマイズ可能だ。
デフォルトではパフォーマンスはスタンダードモードが選択されている。高負荷なアプリやゲームを実行する前に、必ず設定変更しておこう。
ユーザー登録するだけで受けられる ASUSの「あんしん保証」
どんなに性能が高いノートPCでもサポートが手厚くなければ安心して使えない。その点、ASUSのノートPCは無料登録すれば保証範囲を拡大できる「ASUSのあんしん保証」と、故障時の自己負担額が0円になる「ASUSのあんしん保証プレミアム」が用意されている。きめ細かなサポートが嬉しいところだ。
特にありがたいのが無料の「ASUSのあんしん保証」。メーカー保証外の修理費用を部品代金の20%に抑えられるので、自分でマシンを落としてディスプレーを割ってしまっても、部品代の20%で修理代が済むのだ。太っ腹なサポートと言えよう。
ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIは パワー、高画質、携帯性を兼ね備えた最強ノートPCだ
ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JIはノートPC向けハイエンドのHXプロセッサーと、GeForce RTX 4070を組み合わせてハイパフォーマンスを達成。
加えて、DCI-P3カバー率100%かつリフレッシュレート120Hzの16型3.2K OLEDを搭載し、クリエイティブワークとゲーム用途に両対応する。
これだけのスペックを詰め込みつつ、22.35~23.3mm、約2.18kgとモバイル可能な携帯性を実現している。パワー、高画質、携帯性を兼ね備えたVivobook Pro 16X OLEDはどんなPCワークも軽々こなす最強ノートPCだ。
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