容量約16LでCore i7-13700&RTX 4060 Tiを運用できるミニタワーPCの上質な完成度
ASCII.jp / 2023年6月27日 11時0分
ゲーミングPCは高価、選び方が問われる時代
激安PCを探せば、数万円から手に入る時代になった。しかし、リッチな描写のPCゲームが快適に動作するハイスペックPCは、20万円を超えることも珍しくない。これだけ高額になると、そう頻繁に買い換えられるものではないだけに、絶対失敗したくない買い物の1つと言える。
ゆえに、選び方や買い方は様々だ。例えば、エントリーモデルを買って性能に不満を感じたら即買い替える派。コストパフォーマンスの高いミドルスペックの製品を2~3年で買い替える派。ハイエンドモデルを買って5年以上もたせる派。といったところがその代表だろう。
もちろん、エントリーモデルを5年以上使いたい、という人もいるだろう。しかし、年々ソフトが要求する性能は上がっていく。少なくともミドルクラス以上のPCじゃないと、長期運用は難しい。また、PCは長年使っていると、どこか調子が悪くなってくるもの。多くのPCは保証が1年しかなく、それを超えると何らかの形でお金がかかることもある。
そんな不安を少しでも払拭できるPCを探しているなら、サイコムの「Premium Line」シリーズがピッタリだ。標準で保証期間が2年と長く、さらに無償で1回のオーバーホールサービスが付属。また、購入後でもPCパーツ交換によるアップグレードサービスが有償で受けられるので、CPUを高速化したい、ビデオカードを新しくしたい、といった要望にも応えてくれる。
長期運用できるプレミアムなミニタワーPC
自作PCファンであれば知らない人はいない人気メーカー、Fractal Designとコラボしている点も特徴の1つだ。PCケースに電源ユニット、CPUクーラーなどに同社製品を採用し、長く使える高品質なBTOパソコンとなっている。
そんなPremium Lineシリーズから、コンパクトながらも高性能なミニタワーPC、「Premium-Line B660FD-Mini」を紹介しよう。
小型ボディーに簡易水冷クーラーを搭載
Premium Lineのトップページを見てもらえるとわかる通り、Premium-Line B660FD-MiniはミドルタワーPCと比べるとかなりコンパクトだ。この小さなボディーの中身がどうなっているのか、早速チェックしてみよう。
PCケースはFractal DesignのMini-ITXモデル「Era ITX Carbon」。サイズは166(W)×325(D)×310(H)mmと小型だが、内部のPCパーツは思いのほか整然としている。ケーブルは見えるものの、必要最小限の露出に留めている印象だ。
電源ユニットはPCケース内の前方に配置。ミドルタワーPCなら、HDDなどのストレージを装着するベイがある位置に固定している。ここからエアフローを極力ジャマしない経路を選択肢し、物陰をはわせることで目立たない配線を実現している。
また、ミニタワーPCは内部の温度が上昇しやすいので、熱を一旦PCケース内に拡散してしまうタイプの空冷クーラーでは厳しいものがある。そのため、案外ラジエーターとファンでPCケース外に熱を放出できる簡易水冷クーラーがおあつらえ向きだ。
そして、Premium-Line B660FD-Miniはこれだけ小型にもかかわらず、240mmラジエーターの簡易水冷クーラーを採用している点も驚きだ。コンパクトでも低騒音かつ、高性能なCPUを搭載するための選択なのだろう。事実、標準構成でも16コア/24スレッド、最大5.2GHzのCore i7-13700を採用している。
コンパクトなだけではなく、デザインも凝っている。ただの四角い箱ではなく、緩やかなカーブや斜めに角度のついたフロントやサイドパネルを採用し、「花瓶」のような雰囲気すらある。天板はガラスのため、「プレミアム」の名にふさわしい高級感も感じる。
電源端子まわりの工夫が光る
Premium-Line B660FD-Miniは小型ながらも、パワフルなPCパーツとうまく共存している。一般的なタワー型デスクトップPCならすんなり運用できるPCパーツでも、小型PCでは工夫を施さないと実装は難しい。
例えば、ビデオカード。今回の試用機ではGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルを採用しているが、PCケースの奥行きは十分あるものの横幅はぎりぎりだ。ゆえに、補助電源ケーブルがサイドパネルにぶつかってしまう。そこで、コの字型のアダプターを追加し、サイドパネルに干渉することなく接続できている。
また、電源ユニットはPCケース内の前方にあるが、電源ケーブルは内部のコードで背面に延長している。ちなみに、電源ユニットは80 PLUS GOLD認証を取得しているモデルを採用。電力変換効率が高いため、発熱が少ないというメリットもある。
背面インターフェースはUSB Type-Aが4基(USB 3.2 Gen 1が2基、USB 2.0が2基)、ギガビットLAN、音声入出力、PS/2を搭載。デスクトップPCとしては少なめだが、Wi-Fi 5無線LANもあるので、LANケーブルを引き回せない場所でも使いやすい。
前面インターフェースはヘッドセット端子と2基のUSB Type-A(USB 2.0)のほか、USB Type-C(USB 3.1 Gen 1)もある。対応機器が急増中のUSB Type-Cが前面で使える点はありがたい。
まとめ:見た目・性能・サービスのすべてがハイレベルなミニタワーPCのお手本
Premium-Line B660FD-Miniはコンパクトながらも、アッパーミドルのゲーミングPCとして十分な性能を備えている。これだけの性能をよくこのサイズに詰め込めたなと感心してしまうほどだ。また、2年間保証や無償オーバーホールなど、長く使うためのサポート体制まで整っている点も魅力だ。
会社の目標に「Craftsmanship」(職人技)を掲げ、ユーザーの信頼に応えるべくひたすらに努力し続けているサイコムが、あえて「プレミアム」と謳っている点も惹きつけるものがある。確かな性能を、確かな技術のもとで組み合わせた、ミニタワーPCのお手本のようなモデルと言ってもいいのではないだろうか。
今回は外見や中身について紹介したが、次回は性能について定番ベンチマークソフトを使ってチェックしていく。
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