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以前は主流の格安SIMのデータ専用回線 今でもこんな用途に便利!

ASCII.jp / 2023年7月2日 12時0分

 MVNOの格安SIMといえば、10年ほど前の黎明期にはデータ回線のSIMが中心で、音声通話ができる回線はマイナーだった。しかし、今はそれが逆転して、ほとんどが音声通話付きの回線でデータ回線との料金差もわずか。しかし、今でもデータ回線の活用法はあるのだ。

データ回線は少し安く、通話料も(当然ながら)発生しない

 データ通信専用のSIMは今でも提供されている。たとえばMVNO大手のIIJmioは同じ通信量なら、音声通話付きよりも若干安い料金で提供されている。たとえば、月5GBのプランでは音声SIMは月990円だがデータSIMなら900円だ。

IIJmioのギガプランは、今でも音声SIMのほかに、データSIM、SMS付きデータSIMの申し込みが可能。しかし、料金差はわずかだ

 ほかのサービスでも基本的には同様で、データ回線の提供は多くのサービスで今でも続いている。しかし、以前は月700円程度だった差額は小さくなり、実際に契約する際も音声通話付き回線に加入に誘導されることがほとんどだ。今話題のドコモ「irumo」でも、OCN モバイル ONEにはあったデータ回線プランは存在しない。

こちらはmineo。新しい「マイそく」はデータSIM(シングルプラン)の契約はあるが、料金差は無し

 料金面でのアピールでも音声通話付き回線がメインで、スマートフォンの特価販売も音声通話付き回線の新規契約が前提になっていることが大半だ。

 そのため月々の支払いが多少高くなったとしても、得られる特典から考えると、音声通話付き回線のほうがトータルで有利になることが多く、実際に筆者もこの回線で通話をすることはないなと考えていても、音声通話付き回線を選ぶこともあった。

 それでもデータ回線のメリットを考えると、まず音声通話が“できない”という点がある。たとえば、子供に使わせている回線で、勝手に友達などに電話をかけた結果、従量制の料金で支払いがどんどん跳ね上がることはありえる。また、IoT機器にセットして使う場合でも、データ回線なら誰かのいたずらや悪意ある行為で請求額がかさむことが防げる。

 実際に通話料は馬鹿にならない。30秒あたり11~22円程度の設定のため、子供が勝手に1時間の長電話をすれば1320~2640円の支払いが発生する。

契約の簡単さ、SIMの受け取りの簡単さがある

 また、音声通話付きの回線には、本人確認が厳密に実施された後で提供するというルールがあるが、データ回線は比較的緩い。それが悪いということではなく、急ぎで回線の必要があったときにすぐ入手できるというメリットがある。

 たとえば、IIJmioのeSIMのデータ回線はIIJmioのアカウントがある状態からなら、申込みから数分で開通準備の連絡がきた例もある。IIJmioとして開通までの時間を保証していないので、あくまで一例だが、本人確認の必要があり、身分証明書のアップロードも加わる審査だとそうはいかないはずだ。eKYCで電子的に認証する方法もあるが、それでも一瞬で開通とはならない。

 また、物理SIMの発行の場合、たとえばmineoなら、受領印が必要な宅配便で送ってくるが、データ回線のSIMは必要ない便で届く。受け取り確認がないという不安もあるが、自宅に不在がちな人ならデータ回線のほうが結果的に速くSIMが届いて使い始めることができそうだ。

mineoはデータSIMでは普通郵便で送られてくると書かれている

迷惑電話の心配がないのもデータSIMのメリット

 最近よく言われるのが、携帯電話を新規契約して新しい番号を得たとたん、迷惑電話や間違い電話がかかってきて困るという話だ。090や080の番号は過去に誰かが使っていた番号が大半で、筆者が契約したある回線も驚くほど覚えやすい良番だったのはいいが、結果的に迷惑電話が相次ぐという問題が発生した。気になって相手の番号を調べたら債権回収業者だった。

 番号の再利用で繋がらない期間があったはずなのだが、同じ番号に債権回収の電話をしてくるあたり、思慮の足りない業者であることは間違いなく、関わらないほうが得策と判断して、すぐ番号を変更した。これがデータ回線ならそもそも着信がない。

 SIMをモバイルルーターなどに挿入していれば着信ができないで問題はないが、たまにスマートフォンに入れると着信履歴が一気に表示されるのは気持ちのいいものではない。このように余計な着信の心配がないという点もデータSIMのメリットとなる。ただし、SMS付きのデータ回線の場合、最近多いSMSでのなりすましメールは受信してしまう。本当に平穏に使いたいのなら、SMSもないピュアなデータ回線をオススメしたい。

データSIMの問題は緊急通報ができないことだが それがメリットになることもある

 一般的にデータ回線のSIMを挿入しているスマートフォンから、110番などの緊急通報は不可能だ。もし、緊急通報の必要があるなら、音声通話付き回線を使うしかない。普段の通話はLINEなどのアプリで事足りるという人でも、その点は十分に理解しておく必要があるだろう。

 ただし、緊急通報ができないことでメリットになることもある。最近、筆者に相談があったのが「LINEを使えるようにしてほしいが、緊急通報はできないようにしてほしい」ということだ。緊急通報をストップさせる理由は介護現場で問題になっている誤通報を防ぐためだ。

 LINEを有効にするにはSMSの認証が必要。この問題を解決するには、SMS対応のSIMを使うか、別の端末で受信して認証すればいい。もし、スマートフォンを使う場所が限られており、Wi-Fiでつながる場所だけならSIMなしでもいいが、外出したりWi-Fi環境がなかったりする場合には、データSIMを活用する方法がベターだろう。

 ただし、繰り返しになるが、くれぐれも緊急通報ができないということはよく理解した上で使用してほしい。

データ回線にはメリットもある 必要なら検討を

 このように、データ回線のメリットは少し安いこと以外にもいくつかある。余計な発着信をしないためにデータ回線を利用するのもありだし、サブ回線として使うのもいいだろう。

 もし、今回紹介したような困りごとがあるのなら、一度データ回線という選択肢も検討してもらえればと思う。

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