世界最薄クラス2ポート充電器「NovaPort SLIM 65W PD」を衝動買い
ASCII.jp / 2023年7月21日 11時30分
CIOの薄型PD充電器を初衝動買い
先頃実施していたAmazonプライムデーでCIO「NovaPort SLIM 65W」PD 薄型 充電器(以降:NovaPort SLIM 65W)を980円引きの5000円で衝動買いした。
GaN(窒化ガリウム)テクノロジーを採用した、65W×USB Type-C 2ポート出力のできる薄さ14mmのPD USB ACアダプターだ。2023年4月11日までやっていたクラウドファンディングのMakuakeでのプレッジ価格が4980円だったので、時期は少しズレたがほぼ同じ価格でゲットしたことになる。
NovaPort SLIM 65Wは同社独自の制御技術である「Nova Intelligence」(電力自動振り分け機能)によって、2台同時充電時は2台のデバイスの組み合わせによって最大65W以内で45W+20Wや30W+30W、20W+20Wを柔軟に切り替え、供給する電力を最適化してくれる。ユーザーはポートの区別をする必要はない。同梱品はNovaPort SLIM 65W本体と挨拶カード、取説、製品保証1年延長のご案内の4つだ。
NovaPort SLIM 65Wの外形サイズは、約85×47×14mmとかなりコンパクトで薄型。重量は実測97g(スペック95g)。クレジットカードサイズより一回り小さく、薄さは100円硬貨の直径の3分の2以下だ。実際に手のひらに乗せてみると、サイズは予想より小さい。
前述したように出力ポートはUSB Type-Cポートが2つ。ACプラグの2枚のブレードは、本体に折り込み収納されるリトラクタブルタイプだ。今回筆者はブラックモデルを購入したが、表面全体がマットなシボ付き(鏡面仕上げではない細かな凹凸のある表面処理)のために汗や指先の脂肪分、指紋の付着などの汚れが最小化できそうだ。
NovaPort SLIM 65Wは1ポート使用時は最大出力は67W。5V=3A/9V=3A/12V=3A/15V=3A/20V=3.35A PPS:3.3-11V=5Aとなる。そして2ポート同時使用時は最大出力は65Wとなり45W+20W、30W+30W、20W+20Wのデュアル供給となる。
ずんぐりむっくりしたUSB ACアダプターが大多数 軽量スリムなNovaPort SLIM 65Wは異色存在
筆者は実際に自分で使う以上に、くのUSB ACアダプターの類をコレクションしている。少し感覚的だが、世界中で発売されているUSB ACアダプターの多くは、ずんぐりむっくりとした外形のモノが大半の印象だ。今回ご紹介するスリムタイプは、どちらかと言えばマイナーだ。筆者宅のここ数年のUSB ACアダプターの中では、多くても4分の1〜5分の1程度だろう。
その理由がUSB ACアダプターを構成する多くの部品の形状やデザインなのか、製造コストなのか、薄型を市場から求められていないのかは定かではない。しかし日本の市場だけを見渡してみても、圧倒的にスリムタイプはマーケットで見かけることの少ないのが現実だ。
昨今のUSB ACアダプター市場を見ると、モバイルバッテリー機能を併せ持ったようなハイブリッドタイプを除けば従来通りのトラディショナルな立方体〜直方体タイプ、そしてマイナーな薄型・レガシーなお弁当箱タイプ、機能一辺倒ではないコレクターズアイテムの3種類が存在するようなイメージだ。
今回はNovaPort SLIM 65Wと同じCIOのずんぐりタイプであり、USB ACアダプターとしては先輩格に当る「NovaPort TRIO」(65W 3ポート)と外観デザインや使い勝手を筆者の独断と偏見で比べて見た。
いずれも1gまで計測できるキッチンはかりで測ってみると、NovaPort SLIM 65Wは97g。一方、ずんぐりしたNovaPort TRIOは実測で93gとポート数が1個少ないNovaPort SLIM 65Wの方が4g重い。ついでに家族3人にそれぞれのUSB ACアダプターを目をつぶって手のひらに乗せてどちらが重いか聞いてみたところ、実測値と同様3人ともNovaPort SLIM 65Wの方が重いと答えた。
2台のUSB ACアダプターを筆者が出張などに持って行くという前提にして、Ankerの1.5mのシリコン製ケーブル(Type-C to Type-C)とAmazonの15cmショートケーブル(Type-C to Type-C)を一緒に計測したところ、163g〜168g近辺だった。筆者のメインのモバイルPCであるThinkPad X1 Nano(実測931g)と一緒に持つと総重量は1.1Kg辺りになるだろう。筆者的にはモバイルPCの持ち歩き総重量の上限値だ。
形状によって変わるテーブルタップへの挿抜度合い 挿抜のテストでわかったUSB ACアダプター形状とは
さて同じCIOのUSB ACアダプターでも形状が違うと、様々な状況で使い勝手も変わってくるはずだ。ずんぐり型かスリム型の差異は部材や製造手段、インダストリアルデザイン、コストだけの違いではない気もする。
今回は2つの形状違いのUSB ACアダプターを実際に手に持って何度かテーブルタップ(100均ショップで入手した3個口)を使って、挿抜の実験をやってみた。これは手先と眼の感覚の鈍い筆者だけかもしれないが、結果的にずんぐり型のUSB ACアダプターの方がプラグをテーブルタップのコンセントに挿入しやすかった。
理由は明快だ。1面あたりの面積の小さなずんぐり型のUSB ACアダプターの場合、最初から2枚のブレードをコンセントに挿入し終わるまでの間、ブレードとコンセントの関係性を確実に自分の目で追えるのだ。しかし扁平なスリム型USB ACアダプターでは、視角を変えない限り挿入直前のブレードとコンセントの位置関係が扁平な本体に隠れてしまって、見えなくなってしまう。
もちろん誰もが自然にやるように視線を変えて見る角度を変更すれば良いだけの些細な話だが、確実に1回の動作でUSB ACアダプターの2枚のブレードをコンセントに挿そうと考えるなら、スリム型よりずんぐり型のUSB ACアダプターの方がアドバンテージがある。
またコンセント穴が一定距離で均等に配置されているテーブルタップでも、スリム型のUSB ACアダプターはプラグの生えている面の面積が大きく横に広い形状のために、より多くのスペースが必要だ。100均ショップなどの3個口のテーブルタップに多くのUSB ACアダプターを効率良く挿して使うには、順列組み合わせの工夫が必要かもしれない。
一方、スリム型のUSB ACアダプターが最も得意とするのは、壁面コンセント面とすぐ横に配置された机などが、スペースを圧迫して隙間が数cm以下の場合だ。一般的なずんぐり型USB ACアダプターなら最低8cm以上は必要だが、NovaPort SLIM 65Wならその半分の4cmもあれば十分だ。そして隙間に手が入るなら完璧だ。コンセントから離れる方向に距離がない場合は、NovaPort SLIM 65Wの独壇場だろう。
しかしコンセントそのものが見えにくい場所にある新幹線などは、ずんぐり・スリムに関わらず面倒な環境だ。まして大きな面積のNovaPort SLIM 65Wの場合、表面から見て背面にある2本のブレード位置の予想がつかない間は、何度かの失敗を覚悟した方が良さそうだ。トレーニングを積めばブレードは見えなくても、いずれ百発百中の時代はやってくるだろう。
最後になったが今回ご紹介のNovaPort SLIM 65Wは、会員登録すれば1年延長で商品の保証期間が2年間になるありがたいサービスが付属する。LINEで登録するかメアドなどでアカウント登録して画面で求められる事項を入力するだけで、保証期間が倍の2年になる。
ずんぐりむっくりしたUSB ACアダプターが大多数の世界で、軽量スリムなNovaPort SLIM 65Wは異色の存在だ。実際にモバイルワークするためにモバイルPCやACアダプターそのほかのいろいろなモノを一緒に持ち歩く環境であれば、明らかにずんぐりむっくりよりスリムで扁平な製品がモビリティー度が高くなるのは自明だ。昨今流行のPD対応USB ACアダプターを選ぶ際は、用途に合わせてずんぐりむっくりとスリムの組み合わせが重要だ。
今回の衝動買い
・アイテム:CIO「NovaPort SLIM 65W」 ・購入:Amazon.co.jp ・価格:5000円(Amazonプライムデーでのセール価格)
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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