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厳しい残暑、“冷えるハンディファン”が電気代節約に使えそう サンコー「ピタファン City」

ASCII.jp / 2023年9月5日 14時0分

サンコー「ピタファン City」
サンコー「ピタファン City」

 気象庁が8月22日に発表した9〜12月の3ヵ月予報では、気温が平年より高くなる地域が多く、厳しい残暑が続く見込みだ。そんな暑さを耐え忍ぶ上で心強いアイテムが携帯扇風機(ハンディーファン)。今回は数ある製品の中から、サンコーの冷却プレート付きハンディーファン「ピタファン City」を選び、筆者が体を張って試した結果をご紹介しよう。

【注意】本製品に限らず、ハンディーファン製品は一般に気温(室温)35℃以上の環境での使用は推奨されていません。利用にはご注意ください。

扇風機+冷却プレート=ピタファン

 ピタファン Cityの見た目は一般的なハンディーファンと同様、棒状のグリップの先にプラスチック製のメッシュでガードされたファンが付いたデザインだ。

 ハンディーファンの中ではやや大型の機種だが、重量は約215gでスマホにたとえるとグーグル「Pixel 7 Pro」(約212g)と同じくらい。首から紐で提げるというわけにはいかないが、リュックや鞄のポケットに差し込んでおけば持ち運びには苦労しない。

 ピタファン City最大の特徴は、メッシュ部分の中央にペルチェ素子を使った冷却プレートを搭載していること。冷却プレートのスイッチをオンにして肌に当てることで、扇風機の風に加えて、ひんやりとした冷たさも感じることができるという1粒で二度美味しい製品に仕上がっているのだ。

扇風機と冷却プレートの隙を生じぬ二段構え
扇風機と冷却プレートの隙を生じぬ二段構え

 市販のハンディーファンのほとんどは、気温が高い日は風がぬるくなってしまう弱点がある。冷却プレート単体の製品はヘッドホンのような形をした首掛け式が主で、長時間使っていると首や肩が疲れやすい。

 ピタファン Cityであれば、暑さでファンから出てくる風が多少ぬるくなっても冷却プレートの冷たさでカバーできるし、手持ち式なので首や肩が疲れる心配もない。肩こりもちの筆者にとってはぴったりの製品なのだが、実際のところはどうだろうか。

 わからなければ実験すれば良い。実験すれば結果がわかるということで、冒頭で触れたように筆者が体を張ってテストすることにした。

いざ!炎天下の屋外へ

 テストを実施したのは8月下旬の某日。場所は関東近郊の公園で時刻は12〜13時、気温31℃。天気はほぼ快晴で風は微風といったところ。絶好のテスト日和だ。

屋外テスト実施時の様子

 ピタファン Cityは「扇風機単体モード」と「扇風機+冷却プレートモード」の2モード仕様となっているため、テストもモードごとに実施する。

 扇風機単体モードのテストでは、ピタファン City本体を筆者の顔から20〜30cm離して、弱・中・強の各段階の風量をテスト。扇風機+冷却プレートモードについては、熱中症の際に冷やすと良いとされている首筋に冷却プレートを当て使用感をチェックした。

あれ? 思ったほど風が来ないぞ(扇風機単体モード編)

●風量弱モードの場合

 早速、扇風機単体モードのテストに入ろう。電源をオンにして、風量弱の状態からチェックを開始。結論はすぐに出た。弱モードでは顔まで風がほぼ届かないのだ。事前に室内でチェックした際はファンからの風を感じたのだが、屋外だと肌で感じられないレベルの僅かな自然風でもファンの風を遮ってしまうらしい。

屋外テストの様子

 結論(1)屋外では風量弱モードはあまり使えない

●風量中モード・強モードの場合

 つづいて風量を中モードまで上げてみた。すると弱モードよりは少し風量が増えたのだが、ギリギリ肌まで届くという感じで、扇風機としては使えるかというと微妙なところだ。

 結局、出力最大の強モードにしてやっと風が肌に当たる感覚をはっきり得ることができたが、こちらも強い風が肌にガンガン当たるというよりは、ふんわりとやさしい風が届くという感じだ。

 強い風を望まないユーザーには良いかもしれないが、筆者としてはもう少し風量があっても良いと思う。

 結論(2)強モードの風はやさしいが、風量に物足りなさを感じることもある。

冷却プレートはすぐにぬるくなってしまう(扇風機+冷却プレートモード編)

 次はいよいよ扇風機+冷却プレートモードのテストだ。

 本製品を扇風機単体モードで起動した後、グリップ上部にある星印の入ったスイッチを押すと冷却プレートが起動する。冷却完了までの所要時間は長くても10秒程度。最大で外気温に対して約17℃低い温度まで下がるため、今回のテスト環境(外気温31℃)の場合、プレート表面は推定14℃前後ということになる。

冷却プレートが起動すると星印のスイッチが光る
冷却プレートが起動すると星印のスイッチが光る

 冷却が完了したことを確認して、プレート部を肌に当ててみた。当たった瞬間は確かに冷たさを感じる。だが「これは行ける!」と思った次の瞬間、そこにあったのはぬるくなった金属板だった。ここまで時間にして10秒弱。一瞬とは言わないが、かなり短く感じることは確かだ。

冷却プレートを首筋に当てている様子
冷却プレートを首筋に当てている様子

 原因を推測してみたが、どうやら冷却プレートが小さすぎて、体温ですぐに暖まってしまうらしい。冷たさを取り戻すには一旦本体を肌から離して1〜2秒待つ必要があるため、結局、数秒間隔で肌に当てたり離したりを繰り返すことになる。

 もう少し冷却プレートが大きければ結果は違ったかもしれないが、現状ではペルチェ素子の部分はオマケ程度と考えておいた方が良いだろう。残念ながら体温を下げるという点においては、力不足と言わざるを得なかった。

 結論:冷却プレート機能はオマケ程度

風量が少ない理由は本体の形状にあった

 扇風機+冷却プレートモードの実験中、扇風機単体モードで風量が少なく感じた原因にも気付いた。

 ピタファン Cityを横から見ると、ファンを取り囲むメッシュ部が冷却プレートを頂点に台形(山形)に盛り上がる造りとなっている。実際に使ってみるとよくわかるが、台形になっているおかげで、冷却プレートを肌に当てた際もメッシュ部は肌に触れることなく、ファンが起こした風も体表をスムーズに流れていく。

冷却プレートを肌に当てた際の風の流れのイメージ
冷却プレートを肌に当てた際の風の流れのイメージ(赤矢印)

 一方、本体を肌から離して使う扇風機単体モードでは、台形構造のせいでファンの風が周囲へ分散してしまい、肌まで届きづらくなるというわけだ。

扇風機単体で使った際の風の流れのイメージ
扇風機単体で使った際の風の流れのイメージ(赤矢印)

まとめ:屋内で空調の補助として使うにはちょうど良い製品

 テスト結果や構造的な要因も含め総合的に判断すると、少なくとも30℃超えの炎天下に本製品1本で対応できるとは言い難い。こういった環境ではより強力な冷却グッズなどと併用することが望ましいだろう。単独使用に関しては夏に入り始める直前、暑さを感じ始めるくらいの時期に向いているように感じた。

 今回は屋外での使用感をチェックしたが、屋内であれば真夏でも活躍の余地はある。たとえばジムで運動の合間にクールダウンするときや、職場の空調温度が合わず暑さを感じたときなどには、個人用の冷房ツールとしてちょうど良いはずだ。特に後者の場合、屋外や運動中と比べて冷却プレートの冷たさも長持ちするので使いやすい。

 筆者も節電目的でエアコンの温度を高めに設定しているので、自宅でもピタファン Cityを使って厳しい残暑と電気代高騰を乗り切る予定だ。

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