最新のパナソニック「LUMIX G9PROII」とLEICAレンズでモノクロの猫写真を撮ってみた
ASCII.jp / 2023年10月4日 12時0分
秋の新製品シリーズ第2弾である。今回はパナソニック。
最近のパナソニックのカメラといえば、35mmフルサイズセンサー搭載のSシリーズか、動画重視のGHシリーズか、という感じだったのだけど、久々に来たのだ。写真に軸足を置いたフラッグシップ”マイクロフォーサーズ機”が。
その名も「G9PROII」(DC-G9M2)。G9PROの後継機というよりは、フルサイズ機のS5IIの姉妹機。連携して開発したプロジェクトで、ボディがほぼ同じなのだ。G5PROIIって名前でもよかったんじゃないかというくらい。発売前に機材をお借りできたので、早速猫撮影である。
![](https://ascii.jp/img/2023/10/02/3614361/x/2df1a3aa7df2d88f.jpg)
でも、本格派マイクロフォーサーズ機ならではの使い勝手や取り回しやすさがあり、何より像面位相差AF採用でAFがスムーズになったうえに、猫の瞳・顔・動体どれでも認識してくれるのである。
で、それで猫を撮るわけだが、今回の冒頭写真はモノクロで撮ったうちの猫。G9PROIIは、新しく「LEICAモノクローム」というモノクロモードが付いたのだ。それがすごくいい案配なのである。パナソニックはライカと協業してるわけだけど、その成果のひとつなのかも。
モノクロって単に色を抜くだけじゃなくて、階調とか色のバランス(RGBそれぞれをどういうバランスで重ねるかで絵が違ってくる)とか、いろんな要素で仕上がりが全然違うのだ。LEICAモノクロームは、ちょっと渋めで特に暗部の階調がいい。うちの黒猫を撮ると、それがよくわかる。ちなみに、これを撮ったのは10月下旬発売予定の「LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.」。上の製品写真で付けてるレンズだ。写りがすごくいい。
この構成でぶらぶらと猫散歩。さすがに全部モノクロで撮るわけにはいかないので、「お、これはモノクロでコントラストをいい感じに出したい」というときだけ切り替える。
これは、とあるお寺で出会った猫。人懐こいハチワレなのだけど、雨が降ってきたので屋根の下に逃げ込み、すのこの上でくつろいでたのだ。やあやあと挨拶しながら、しゃがんで地面すれすれから狙う。なんか不機嫌そうだけど、昼寝の邪魔しちゃったからだな。
![](https://ascii.jp/img/2023/10/02/3614362/x/e0cc1a0ee7c96c3c.jpg)
もう1枚、モノクロの猫を。ふさふさの神社猫、たびちゃん。誰かが置き忘れていった汚れた傘の感じが、モノクロだといい案配なのである。レンズの描写力もいい。
![](https://ascii.jp/img/2023/10/02/3614363/x/59fbbc9adcaff8b9.jpg)
このあとは、普通にカラー写真で。
白黒の猫がくつろいでたところを、35-100mm F2.8レンズで。LEICAモノクロームで撮ってもよかったのだけど、手前の緑をちょっと生かしたかったのだ。
![](https://ascii.jp/img/2023/10/02/3614364/x/99b334ef1d5fa5cc.jpg)
そんな感じで、G9PROIIの被写体検出を猫(というか動物)にして、AF-Cモードにして35-100mmレンズを付けて散歩してたら、芝生がきれいなおうちの室外機の上で、きれいなチャトラが昼寝してたのである。
おお、これはよいところに出会った、と、フェンスの隙間からカメラを向けると、こちらに気づき、なんと想定外なことに、そこから飛び降りてこちらへ向かってくるではないか。
![](https://ascii.jp/img/2023/10/02/3614365/x/e5a16ecc7987a362.jpg)
いきなりとことことやってきてフェンス越しにこっちを見つめるのである。こちとら望遠レンズなので、慌ててズームを35mm(35mm換算だと70mm相当)側に持っていき、ピントは完全にカメラ任せで左手を差し出す。
![](https://ascii.jp/img/2023/10/02/3614366/x/9b51b587f5c90270.jpg)
そしたら、いきなり手を出してきたのだ。ただ、攻撃的な感じではないので指を引っ込めないでいたら、手が当たっても痛くもなんともない。ちゃんと爪も手入れされてるのだろう。
![](https://ascii.jp/img/2023/10/02/3614367/x/506ada3f79e3ad45.jpg)
このチャトラさん、私から何かもらえると思ったのかもしれないし、もしかしたら、自宅警備員してて攻撃しようとしたのかもしれない。
そして、私の指先をくんくんして、ちょんと手を出したあとどうなったかというと、「なあんだ、何もくれないのか」って顔をして去って行ったのだった。なんてゲンキンな! 私はといえば、そんな去って行く後ろ姿でも、ちゃんと猫と認識してフォーカスを合わせ続けて、いい色の写真を撮ってくれたカメラに感心してたのである。
![](https://ascii.jp/img/2023/10/02/3614368/x/2f98b8842d973b4c.jpg)
いやあ、とてもいい猫でした。このおうちの方と仲良くなって猫と芝生で遊びたいくらい。よく手入れされた芝生にチャトラって似合うよね。
かくして、各社とも新製品が出るたびに猫AFのレベルが上がっててうれしいのであった。来週も新製品特集……の予定です。さて何になるか。
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老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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