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【先行レビュー】音系AI機能強化「Pixel 8 Pro/Pixel 8」選ぶ理由

ASCII.jp / 2023年10月12日 2時0分

Google Pixel 8 Pro(左)とGoogle Pixel 8(右)。発売を間近に控える端末のファーストインプレッションを報告します

 グーグルが10月12日に発売するAndroid 14搭載のスマートフォン「Google Pixel 8 Pro」「Google Pixel 8」のファーストインプレッションをレポートします。話題のAIカメラ機能の周辺にも数多くある「最新のPixelスマホを選ぶ理由」に注目してみました。

「音」に関わるAI機能が充実した

 Pixelシリーズには、AIに関わる様々な機能を使いやすくするためグーグルが独自に設計した「Tensor」チップが載っています。2021年に爆誕。Pixel 6シリーズに搭載された初代Tensorチップの機械学習モデルと比べて、Pixel 8シリーズが搭載する最新のTensor G3は約10倍も複雑な処理がこなせるそうです。

Pixel 8シリーズに搭載されている「Google Tensor G3」チップ

 その高い性能は写真と動画の機能だけでなく、今回はPixel 8シリーズの「音声」に関わる魅力的なAI機能の拡充にも大役を果たしています。

 ひとつはPixel純正アプリの「レコーダー」が搭載する「文字起こし」機能です。レコーダーの音声文字変換の言語をあらかじめ設定しなくてもアプリが自動で言語を認識。それぞれの言葉で文字に起こしてくれます。

レコーダーアプリをGoogle Playストアから最新バージョンにアップデートすると、レコーダーアプリの「設定」の中、「音声文字変換」から「言語の検出」が選択できるようになります。あとはアプリの録音ボタンをタップするだけ

 なお、年内予定のFeature Dropによるアップデートを経て、起こしたテキストの「要約」機能が加わることもグーグルが発表しています。Pixelシリーズがインタビューや会議の議事録の下ごしらえをしてくれる、夢のような機能です。Pixelシリーズのレコーダーは英語のテキスト化精度が高いので、要約もわかりやすくまとめてくれそうです。日本語への対応は未定ですが、英語からの対応でも「早め」がありがたいです。

 AIによる音源分離の技術が「音声消しゴムマジック」として、グーグル純正のカメラとフォトのアプリの連係により実現します。

動画と一緒に収録した音源を種類ごとに分離。それぞれにレベルを調整できる「音声消しゴムマジック」の機能

 Pixel 8シリーズのカメラで撮影した動画の音声を種類別に分けて、例えば被写体の人物が話している声だけを残して、バックグラウンドの環境ノイズを消すといった使い方ができます。音源の種類解析は「音楽」や「風切り音」も識別します。動画からストリートミュージシャンの楽器の演奏だけ抜き出して聴く、なんて使い方もできそうです。

テーマやキーワードを決定すると、AIが壁紙を自動生成。結果に満足が行かなければ「ひらめきがほしい」をタップすると違うイメージを即座につくってくれます

「AI壁紙」にいきなり感動!

 今回試用したPixel 8シリーズのセットアップを済ませた直後、筆者が最初に感動した新しいAI機能は「AI壁紙」です。

 正直に言って、筆者はPixelシリーズの壁紙にいつも不満を感じていたので、自分で撮影した写真を使っていました。AI壁紙はひと味違いました。これは飽きがきません。毎日壁紙を新しくしてしまいます。

 壁紙の設定から「AI壁紙」を開いて、最初に「テーマ」を決めます。テーマを「X線」にして、次に「色」と「モチーフ」を選ぶと10秒前後で壁紙画像が生成されます。画像が好みに合わなければ「ひらめきがほしい」をタップすると、テーマをキープしたまま、ほかの色やモチーフの壁紙を次々に生成してくれます。今のところ同じ壁紙が繰り返し生成されることはありません。壁紙の色に合うアイコンとテキストなど、システムカラーは自動で統一されます。

写真をAIで遊ぶ「ベストテイク」と「編集マジック」

 Tensorチップを搭載するPixelシリーズの醍醐味である、AIによるフォト編集の機能も試しました。新しい機能は「ベストテイク」と「編集マジック」のふたつです。

 ベストテイクは同じ人物、または5〜6名前後までの人物のグループを撮影した写真から人の顔を認識して、目つぶりや変顔の表情を差し替えるという機能です。加工した写真はベストテイク写真として生成して、フォトアプリに書き出せます。これからPixel 8シリーズによるグループ写真撮影は、その場で何枚かシャッターを切っておけば、後から全員がベストな表情で写っている写真がつくれるので安心です。

フォトアプリの「ツール」に新設された「ベストテイク」。近似する写真の顔画像を認識して1枚のベストショットを合成します

 編集マジックは、写真に写り込んでしまった不要な被写体を消す「消しゴムマジック」のほかに、空の色をビビッドにしたり、黄昏時のあかね色に差し替える編集加工がPixelスマホ単体で遊べる機能です。花壇の写真をアニメ絵風に加工して壁紙にしたり、工夫次第で色んな楽しみ方ができると思います。

編集マジックを選択すると写真の被写体に合わせて加工メニューを表示。青空を強調したり、マジックアワーの夕焼け空に変換して楽しめます

 なお、ベストテイクと編集マジックは、どちらの機能もPixel 8シリーズ以外で撮影した静止画の加工に対応しています。昔に撮影して満足できなかったグループ写真も、顔画像を差し替えられるデータとまとめて残っていれば、ベストテイクでいい感じの写真として復活させるチャンス到来です。

上位モデルのPixel 8 Proは、5倍光学ズーム/30倍超解像ズームに対応する「望遠カメラ」を含むトリプレンズカメラ仕様です

新しいPixel、買うなら「Pro」が狙い目

 Google Pixel 8シリーズには発売から7年間という、スマホとしては長い期間に渡るOSアップグレード、セキュリティアップデートなどの各種サポートがユーザー向けに提供されます。グーグルによる最先端のAIテクノロジーが向こう7年間は楽しめるデバイスとして考えれば、端末はけっして安価ではないものの「良い買い物」になりそうです。

マイナス20度から150度の被写体の温度が計れるセンサーを搭載

 筆者はこだわりのカメラ機能と、Pixelスマホで初めて温度センサーを載せた「Pro」を推薦します。6.7インチの大型スマホが、6.1インチのiPhone 15 Proとほぼ同じ価格(15万9900円〜)で買えるとなれば、お買い得感もあります。

「温度計」アプリから測定する被写体の材質を選択。2cm前後の距離にカメラを近づけます

 Android 14を搭載するPixel 8シリーズは、高音質・低遅延に加えてオーディオの共有機能が充実するワイヤレスオーディオの新世代規格である「Bluetooth LE Audio」もサポートしています。年末から来年にかけて、同じLE Audioに対応するワイヤレスイヤホンの種類も増えます。オーディオ的な目線から、iPhoneよりも先にLE Audioのメリットを享受できるスマホとしても、Pixel 8シリーズはおいしい選択肢です。

   

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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