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「Google Pixel 8」は扱いやすいサイズ感で、AIカメラが進化したAndroidスマホのベストバイ

ASCII.jp / 2023年10月12日 9時0分

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 グーグルの最新スマートフォン「Google Pixel 8」と「Google Pixel 8 Pro」が、今日12日に発売される。どちらもグーグルが独自に開発した「Google Tensor G3」を搭載するハイエンドモデル。Pixel 8は画面が小さめのベーシックモデルで、Pixel 8 Proは画面が大きく、カメラ性能などを強化した上位モデルという位置付けだ。本稿ではPixel 8の使用感を紹介する。

◆前モデルよりひと回り小さく軽く ちょうどいいサイズ感を実現

 Pixel 8を手にして最初に感じたのが「軽い」ということ。前モデルのPixel 7は画面サイズが6.3型で、重さは197g。純正のケースに入れると232gを超え、ずっしりとした重さを感じた。Pixel 7 Proよりも小さいとは言え(横幅は73.2mm)、「コンパクト」とは言えなかったのが本音だ。

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左が6.2型画面のPixel 8、右が6.3型画面のPixel 7

 Pixel 8は6.2型の有機ELディスプレーを搭載。前モデルよりも若干小さくなっただけだが、横幅は前モデルより2.4mm細い70.8mmで、重さは10gも軽い187gになった。ちなみに、アップルの「iPhone 15 Pro」は6.1型画面で187gだ。サイズ感では、ライバルであるiPhoneに並んだと言えよう。

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左がPixel 8、右がiPhone 15 Pro。画面サイズはPixel 8が6.2型で、iPhone 15 Proは6.1型。横幅はPixel 8が70.8mmで、iPhone 15 Proは70.6mm。重さはどちらも187gだ
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Pixel 8のディスプレーの解像度は2400×1080ドット。グーグルは「Actuaディスプレー」と呼び、最大輝度は1400ニト(ピーク輝度は2000ニト)で、リフレッシュレートは最大120Hz

 フロントパネルはフラットで、サイドフレームと背面パネルのエッジは丸く、全体的に角張っていなくて、柔らかい雰囲気。サイドフレームと背面のカメラバーはアルミでシームレスに繋がっている。サテン加工が施され、光沢は控えめでマットな手触り。背面パネルには、フロントパネルと同じく「Corning Gorilla Glass Victus」という強度に優れたガラスを採用。光沢があり、ツルツルとした質感だが、指紋はつきにくい。軽さを優先するなら、裸のままで使うのもアリだろう。

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右側面に音量ボタンと電源ボタンを搭載
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上部にはマイクのみ。イヤホンジャックは非搭載
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nanoSIMは1枚しか挿せないが、eSIMを追加できる
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底部にUSB Type-C接続口、スピーカー、マイクを搭載。スピーカーはディスプレーの上にもあり、ステレオ音声を出力できる
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背面パネルはガラス。カメラバーはアルミで出っ張っている
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純正のケースに収めると、カメラバーの出っ張りは相殺される

◆正常進化のデュアルカメラはマクロフォーカスにも対応

 背面カメラは広角(50メガ/F値1.68)+超広角(12メガ/F値2.2)。望遠カメラは搭載していないが、画質劣化が気にならない超解像ズームでは最大8倍で撮影可能。前面カメラは10.5メガでF値は2.2。シングルレンズだが画角を広くして、グループでの自撮りもしやすいように配慮されている。

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左が広角カメラ、右が超広角カメラ
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超広角(0.5×)で撮影
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広角(1×)で撮影
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2倍ズーム(2×)で撮影
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最大の8倍ズーム(8×)で撮影
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室内で料理を撮った作例
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「夜景モード」で撮影

 カメラの有効画素数は前モデルのPixel 7と同じだが、グーグルいわく「全面的にアップグレードされた」とのこと。前モデルとの大きな差分は、メインとなる広角カメラのF値が1.85から1.68になり、より明るく撮影できるようになったこと。次に、超広角カメラの画角が114度から125.8度へと広がり、Pixel 7では非対応だった(Pixel 7 Proは対応)マクロフォーカスに対応したこと。実際に前モデルと撮り比べてみると、画質に大きな変化はないものの、より明るく、鮮やかな色で写るようになったと感じられた。

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前モデルのPixel 7で撮影
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Pixel 8で撮影。空の青や植栽の緑、黒い車両などが、より明瞭な色で写った
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マクロフォーカスに対応したことも大きな進化点

◆AIを用いた画像編集機能が大きく進化

 PixelはカメラとAIを組み合わせて、ユニークな写真が撮れる(というか作れる)ことも利点だ。Pixel 8から新たに搭載されたのが「ベストテイク」「編集マジック」「音声消しゴムマジック」といった機能。

 「ベストテイク」は、グループで記念写真を撮った時に、写っている人のベストの表情を合成した“最高の1枚”を作れる機能。「フォト」アプリの「編集」から起動でき、合成する顔の表情は手動で選択することも可能。家族で写真を撮った時に、1人だけ笑っていない、1人だけ目をつぶっている、なんてことが多い人に重宝しそうだ。

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 グーグルが開催した説明会でのデモンストレーションで撮影された画像を、Pixel 8に入れて「ベストテイク」を使ってみた。写っている人数や保存されている類似写真の枚数によっては、処理に若干時間がかかる。人を選択して、個別に表情を選ぶことも可能だ。

 また、「編集マジック」は写真に写っている人や物を動かしたり、大きさを変えたり、不要なものを消したりできる機能。言うなればウソの写真を作れる機能だ。日常の記録ではなく、作品づくりに役立つ機能だろう。

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「編集マジック」は、大胆な画像編集が「フォト」アプリで簡単にできることが魅力

 「音声消しゴムマジック」は、その名の通り、不要なものを消す「消しゴムマジック」の音声版。動画の音声が分析されて、「周囲の人」や「ノイズ」など不要な音だけを消したり、小さくしたりできる機能だ。たとえばペットの動画を撮った場合、撮影者がペットに話しかける声だけを消すことができるといった便利な機能だ。

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「音声消しゴムマジック」は、不要な音だけを自然に消音できる。グーグル提供の素材で試したが、精度の高さに驚かされた

 AIはカメラ以外の機能にも使われている。日本語を含む6言語の文字起こしが可能な「レコーダー」は、これまでは言語の選択が必要だったが、言語を自動で認識するようになるとのこと。ただし、筆者が借りている端末では自動で認識されなかったので、今後のアップデートで対応するものと思われる。

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「レコーダー」アプリの自動文字起こしは、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、日本語に対応

 外国人と話す時に通訳機のように使ったり、カメラで翻訳したりできる「リアルタイム翻訳」機能も引き続き搭載。アフターコロナで、訪日外国人が増え、海外旅行・出張の機会も増えつつあるので、役立つ場面が増えそうだ。

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「リアルタイム翻訳」は多くの言語に対応。言語をダウンロードしておけば、オフラインでも使える

◆パフォーマンスは大満足だが電池持ちは前モデル並み

 プロセッサーは、2021年に発売されたPixel 6シリーズに搭載された「Google Tensor」から数えて3世代目となる「Google Tensor G3」。筆者が普段ベンチマークの測定に使っている「Geekbench 6」というアプリが現時点で対応しておらず、前モデルとの比較はできなかったのだが、実際の操作感としてはきわめて良好だった。

 メモリーは8GBで、ストレージは128GBと256GBから選べる。microSDには対応していないので、高画質の写真や動画をたくさん保存したい人は注意が必要だ。

 バッテリー容量は4575mAh。前モデルから小型化を図りつつ、220mAhほど増やしている。標準的な使用での持続時間は24時間以上で、「スーパーバッテリーセーバー」使用時は72時間としている。実際に使ってみた印象では1日は持ちそうだが、他社のAndroidスマホと比べると、もう少し頑張ってもらいたいのが本音だ。

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「バッテリーセーバー」はバックグラウンド通信などを制御する「標準バッテリーセーバー」に加えて、使えるアプリを制限する「スーパーバッテリーセーバー」も用意。ワイヤレス充電に対応し、他のデバイスへの給電も可能

【まとめ】使いやすさを重視するならPixel 8を選ぶのが得策

 前モデルのPixel 7も、その前のPixel 6も、画面サイズのわりには本体が大きく重かった。スペックには満足しつつも、購入を見送り、Pixel 7a、Pixel 6aを待った人も多いのではないかと思う。Pixel 8は、現在の主流と言えるサイズ感になっているので、いずれ発売されるであろうPixel 8aを待つ必要はないだろう。

 上位モデルのPixel 8 Proとの大きな差分は、画面サイズ、カメラ、そしてPixel 8 Proに初搭載された「温度計」。Pixel 8 Proのカメラは光学5倍の望遠カメラを搭載し、細かい撮影設定をできる「プロ設定」、動画の画質を向上させられる「動画ブースト」などを利用できることが優位性だ。これらを必要としないのであれば、扱いやすく、価格も安いPixel 8を選ぶのが得策だろう。

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Pixel 8の同梱品
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左がPixel 8、右が上位モデルのPixel 8 Pro。カメラ性能を重視するなら比較検討を

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