日本でも注目を集めそうな「DIYモバイルバッテリーケース」を衝動買い
ASCII.jp / 2023年10月13日 11時30分
自分に必要な電力容量のバッテリーをパッケージに収納 DIY方式のモバイルバッテリー組み立てキットが楽しい!
最近、中国のAliExpressを見ているとやけに目につく商品がある。DIY(Do It Yourself)方式のPower Bank(以降、モバイルバッテリー)の組み立てキットだ。簡単に言ってしまうと市販の標準的なリチウムイオンバッテリーを、お気に入りのパッケージに収納してモバイルバッテリーとして使用する物だ。
多く使われるのは18650リチウムイオン電池や21700リチウムイオン電池を1本から、数本格納して自分に必要な電力容量のモバイルバッテリーを数分から何時間かかけてDIYで作ってしまう、なかなか楽しいホビー性の強い商品だ。
商品には昨今の完成品のモバイルバッテリーでも流行りの、一部分がトランスルーセントになったタイプのパッケージや本体のスイッチ操作でモバイルバッテリーに仕組まれたLEDが発光して、実用+商品の存在感をアピールする楽しい商品も多い。
今回、AliExpressから購入したのは某電気自動車にも数千本くらい搭載されている、18650リチウムイオン電池を3本収納できるモバイルバッテリーハウジングの「18650バッテリー充電器ケース」だ。筆者が購入した9月初旬は、50%オフの1個約350円だった。日本までの送料も極めて安価で他のモノなどを同時に注文すると無料になることも多い。
専用のパッケージには入っておらず、プチプチで梱包ビニール袋に入った形式で中国からEMS(国際スピード郵便)で1週間から2週間で日本まで届く。袋を開けると中には18650バッテリー充電器ケース本体と簡単な取説が入っている。取説は主として電池の取り扱いがメインで、操作系はAliExpressの商品ページを見るのがもっとも分かりやすい。
中に収納する18650リチウムイオン電池は、国産が良いとの先入観からAmazon.co.jp(以降、アマゾン)で「国産」とうたっている18650を4本購入(送料込み2998円)したが、最終的にPSE(電気用品安全法)マークが見当たらず、その認証番号も不明のため、別の18650リチウムイオン電池を探すことにした。
タイミング良く秋葉原に勤務先のある筆者の友人が、千石電商でPSE認証済みの18650リチウムイオン電池入手したとの話を聞いて、追加で同じものを3本購入してもらい速攻で受け取った。該当商品は中国製ではあるが、日本国内で使用できるPSE認証を取得しており、メールでその認証番号もすぐに確認できた。
一般的に2019年の2月以降に市場で流通しているモバイルバッテリーには、PSE認証マークが必要だ。実際に筆者の手元にあるAnkerとクラウドファンディングの2つのモバイルバッテリーも、本体裏にはPSEマークが記載されている。
筆者の知るところではリチウムイオン電池本体やモバイルバッテリーは「丸形PSEマーク」と呼ばれる形式のはずだが、黄色いクラウドファンディングの商品にはなぜか「ひし形PSEマーク」が印刷されていた。なぜクラフォンモデルはひし形PSEマークなんだろう?
本来なら、ひし形PSEマークは電気温水器、電動式おもちゃ、電気マッサージ器、自動販売機の直流電源装置など全116品目が対象だ。それ以外だとACアダプターや電源ケーブルだと思うので、どうも納得がいかない。製造を担当した中国工場に丸形PSEマークの版下がなかったのか、単なる勘違いかどうしても事実を知りたくなってきた。
当然のことだが今回の18650バッテリー充電器ケースに収納して使うのは、アマゾンで買ったMade in JapanだけどPSE認証不明のバッテリーではなく、代理店が明確で中国製だがPSE認証済み番号の分かっているバッテリーにした。
今回使うバッテリー本体はPSE認証済みの製品だが、外側のパッケージとなる18650バッテリー充電器ケースにはPSE認証マークがないのが気になったので、知人のエンジニアに依頼して経産省に確認してもらった。今のところはバッテリーがPSE認証を取得済みであれば、ハウジングやパッケージには追加でPSE認証は必要としないとの判断のようだった。
いざ18650バッテリー充電器ケースに PSE認証済み18650充電池をセット!
早速、今回の18650バッテリー充電器ケースにPSE認証済み18650充電池を3本入れて、充電を開始した。18650のフラットトップ(+)側と扁平な(−)側をしっかりと認識し、マイナス側をケースのスプリング側に押し付けてすべて同じ向きで3本を収納する。
最終的に充電・放電の機能確認を終えるまでは、背面のフタは閉めないことが重要だ。一般的なモバイルバッテリーがフタで簡単に開閉できないのと同様、18650バッテリー充電器ケースも一度背面のフタを閉めてしまうと、再び開けるのはなかなか面倒で大変な構造に作られている。
ひとまず18650バッテリー充電器ケースが100%充電ができたら、実際にスマホなどに充電が確実にできることを確認してから背面のフタを閉めるのが良いだろう。18650バッテリー充電器ケースは、18650バッテリー3本を含めても実測204gと比較的軽いので、黄色い持ち手でぶら下げて持っても大丈夫だ。
黄色い持ち手側には、左からType-C、オンオフスイッチ、microUSBポートの3つが並ぶ。これらの2ポートは18650バッテリー充電器ケースに充電するための入力ポートだ。そして反対側には、USB Type-Aポートが2つ並びこちら側の2ポートは、スマホなどに充電(給電)するための出力ポートとなる。
18650バッテリー充電器ケースの黄色いストラップ上のスイッチを一回押すことで、給電したり現在のおよそのバッテリー容量を知ることができる。またダブルクリックすることで、基板に配置されている8個のLEDを光らせるライト機能となる。その後、1クリックすることで照度アップ、点滅など4段階の表現形態を指定できる。
今回も100%充電した18650バッテリー充電器ケースで、強制放電で残量を15%まで落としたLeitz Phone 2(5000mAh内蔵バッテリー)に接続して、充電時間と充電量を計測してみた。18650バッテリー充電器ケースには1本2500mAh、3.6Vのリチウムイオン充電池が3本収納する。トータルの電池容量は7500mAhとなるが、5Vでスマホなどに充電するので、実際の定格容量は最大でも5400mAh程度だと考えられる。
容量5000mAhで15%のバッテリー残量のあるLeitz Phone 2は、計算上750mAhのバッテリー残量があると考えられる。今回このLeitz Phone 2に満タンの18650バッテリー充電器ケースを接続して充電したところ、約3時間20分(200分)のノーマル充電で100%の満充電となった。
単純計算では約4250mAhの電力を5400mAhの18650バッテリー充電器から、Leitz Phone 2側に充電したこととなる。計算上はまだ18650バッテリー充電器内には、1150mAhの電力が残っていることになる。Leitz Phone 2に100%充電が終了した時点で、18650バッテリー充電器のLED残量表示は25%が点滅していたので、最大で1350mAhの電池残量があることになる。少し誤差はあるがそれほど矛盾はなさそうだ。
購入した18650バッテリー充電器ケース(350円)+2500mAhのPSE認証済みリチウムイオンバッテリー3本(1800円:定格容量5400mAh)の合計金額は2150円。人とあまりかぶらないユニークな18650バッテリー充電器ケースとPSE認証済みリチウムイオンバッテリーのコンビネーションで、この価格はなかなか魅力的だ。
今回、筆者はDIYスタイルのモバイルバッテリーに極めて強い興味を持ったので、次回は21700リチウム充電池を4本使うより大きなDIYモバイルバッテリーケースを速攻で衝動買いしてしまった。バッテリーを入れる以外何もしなくて良い今回のモデルではなく、少し組み立ても楽しめるタイプだ。基本的にはんだを使うことはまずないので、筆者のような素人でも問題なく完成までたどり着けそうだ。
最近我が家には、ストラップ付やストラップに変身するUSBケーブル付きのモバイルバッテリーが増えてきた。だが、今回衝動買いした18650バッテリー充電器ケース+リチウムイオンバッテリーの組み合わせは、最高にコスパに優れたモバイルバッテリーのベストバイアイテムとなるだろう。
今回の衝動買い
・アイテム:18650バッテリー充電器ケース ・購入:AliExpress ・価格:350円
・アイテム:PSE認証済み2500mAh 18650リチウムイオン充電池(3個) ・購入:秋葉原 千石電商 ・価格:1800円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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