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定番の動画編集アプリ「LumaFusion」の基本操作をマスターしよう

ASCII.jp / 2023年11月2日 9時0分

 iPadの動画編集アプリにはさまざまなものがあるが、これから始めようとするなら、定番の有料アプリ「LumaFusion」がおすすめだ。低価格ながらPC向けアプリに引けを取らない機能を持ち、多くのクリエイターにも使われている。

 「LumaFusion」のインターフェースは、PC向けの動画編集アプリに似ているため、この手のアプリを使い慣れている人ならすぐに使いこなせるだろう。しかし、はじめて使う人にとっては、見慣れない用語や操作が多く、ややとっつきにくさを感じるかもしれない。

 しかし、「LumaFusion」を使えるようになれば、ほかの高機能な編集アプリにも対応できるようになる。そのため、これからずっと動画制作をしていくつもりなら、このアプリから始めるのがおすすめだ。今回は、「LumaFusion」の基本的な画面構成から「プロジェクト」の作成方法、タイムラインに素材を配置する方法について解説していこう。

〈アプリ情報〉 LumaFusion 作者:Luma Touch LLC 価格:4500円(アプリ内課金あり) https://apps.apple.com/jp/app/id1062022008 ※2023年10月現在

「LumaFusion」の画面構成を確認しよう

 まずは、「LumaFusion」の基本的な画面構成を確認しておこう。主に使う動画編集画面は、「ライブラリ」「タイムライン」「プレビュー」の3つの画面によって構成されている。各画面の主な役割は、以下のとおりだ。

「LumaFusion」の動画編集画面は、「ライブラリ」「タイムライン」「プレビュー」の3つで構成されている。

●ライブラリ  ライブラリは、素材(動画、写真、音楽など)を選ぶエリア。ここに表示されている素材をタイムラインに配置して動画を作っていく。左上のアイコンで「写真」をタップすると、「写真」アプリに保存されている静止画や動画が表示される。

ライブラリの左上にあるアイコン→「写真」をタップ。「写真」アプリのフォルダが表示されるので、使いたい素材が保存されているフォルダをタップする。
選択したフォルダの素材が表示された。これをタイムラインに配置していく。上部には階層が表示されており、ここをタップすると1つ上の階層に戻ることができる。

 なお、ライブラリは、素材以外にもトランジション(カットとカットの間を自然に繋ぐために用いられる効果)やタイトルなどを選択する場合にも使う。これは、左上のアイコンをタップして表示されるメニューから切り替えることができる。

左上にあるアイコンをタップして表示されるメニューから、トランジションやテキスト、インポートした素材(後述)などを選択できる。

●タイムライン  タイムラインは、映像や音声の素材を時系列に並べて編集するエリアで、ビデオトラックとオーディオトラックが並んでいる。

 ビデオトラックでは、映像素材のカットやトリミング(必要な部分のみに絞る作業)、トランジションやテキストの追加・編集などの作業をする。上部にはオーバーレイトラックの追加が可能だ(最大6本)。オーバーレイトラックに配置した素材はメイン映像に重ねて表示できるため、タイトルや字幕、ピクチャーインピクチャーなどの映像を配置するのに適している。

素材が青色で表示されているのがビデオトラック。映像素材(動画や写真)、タイトルやテキストなどを時系列に並べて編集する。オーバーレイトラックを追加すれば、最大6本まで同時に配置できる。

 ビデオトラックの下には、BGMや音声、効果音などの音素材を編集するオーディオトラックがある。ビデオトラックと同様に、オーディオトラックも最大6本まで表示可能だ。オーディオトラックは、下方向に追加されていく。

素材が緑色で表示されているのがオーティオトラック。音を入れたい場所に音素材を並べていく。トラックは下に向かって追加され、最大6本まで同時に配置できる。

●プレビュー  プレビューは、選択中の動画の内容を確認するエリアだ。ライブラリで素材を選択している場合は、その素材を再生できるし、タイムラインで編集している場合は、編集中の動画を再生できる。

 プレビュー画面の下にはタイムライン全体を見渡せるバーが表示されており、タップするとすぐにその場所へ移動できる。後述するが、このエリアでライブラリの素材をトリミングして、タイムラインに配置することも可能だ。

プレビューの画面では、ライブラリで選択中の素材、またはタイムラインで編集中の動画を再生できる。画面の下にあるスライドバーで全体の確認が可能だ。

「プロジェクト」を作成する

 多くの動画編集アプリは、動画を「プロジェクト」という単位で管理する。これにはタイムラインの情報や、使用している素材の情報が含まれている。つまり、このプロジェクトデータをほかのiPadにコピーすれば、同じ状態で編集を再開できる。

 「LumaFusion」でプロジェクトを作成する場合、「プロジェクト名」「フレームレート」「アスペクト比」「色空間」を設定する。これらの項目のうち、「プロジェクト名」についてはわかりやすい名前を付けておこう。残りの項目は、最初のクリップに合わせて自動的に最適なものを設定してくれるので、初期状態のままで問題ない。

画面左下のアイコンをタップすると、画面下部にいくつかのアイコンが並ぶ。その中の「+」をタップする。
「プロジェクトを新規作成」が表示されるので、プロジェクト名を入力する。あとは初期値のままで「+」をタップする。これでプロジェクトが作成され、編集画面に遷移する。

 なお、「アスペクト比」については、作成目的によっては変更する必要がある。「YouTube」などの動画なら初期設定のまま(16:9)で問題ないが、SNS向けに動画を作成する場合は投稿先に合わせた設定をしておこう。代表的なSNSで推奨されるアスペクト比は次のとおりだ。

【Instagram】 ・正方形=1:1 Square ・横長=1:9:1 DCI 4K(IMAX Digital) ・縦長=4:5 Instagram Portrait

【TikTok】 ・縦長=9:16 Portrait

【X(旧Twitter)】 ・正方形=1:1 Square ・横長=4:3 SD/iPad Portrait/3:2 Photo Landscape/16:9 Landscape/2:1 360 Mon ・縦長=3:4 SD/iPad Portrait

【Facebook(フィード配置)】 ・正方形=1:1 Square ・縦長=4:5 Instagram Portrait

タイムラインへの基本的な配置方法を覚えよう

 プロジェクトを作成したら、次は編集する動画をタイムラインに時系列で配置する。この作業は、文章を書くときの「下書き」のようなもの。動画素材を適切に並べて、動画の構成を決めていく。

 iPhoneで撮影した動画の場合、素材を取り込む作業は不要。「写真」アプリのアルバムと連動しているので、ライブラリで「写真」を選べば、すぐにiPhoneで撮った素材が表示される。あとは、使用する素材をタイムラインにドラッグ&ドロップしていくだけだ。なお、タイムラインに配置したメディアのことを「クリップ」と呼ぶ。よく使う単語なので覚えておこう。

素材をタイムラインに配置するには、使う素材をタイムラインにドラッグ&ドロップする。
タイムラインに素材(クリップ)が配置される。後は同じ要領で使う素材をタイムラインへ時系列に並べていけばいい。

 ちなみに、ライブラリの「写真」で表示されている素材は「iCloud」上にあり、タイムラインに配置するとiPadへダウンロードされる。ダウンロード中のクリップは波線で表示され、ダウンロードが終わるまで映像が粗い状態になる。ダウンロードの進捗は、クリップを選択すると表示されるインジケーターで確認できる。

ダウンロード中のクリップは波線が表示される。ダウンロードの進捗はインジケーターで確認できる。

効率よく編集するならトリミングしてから配置しよう

 動画編集は、カット編集から始めるのが基本だ。並べたクリップを再生して動画の流れを確認し、無駄な部分をカットしていく。この作業をするとき、明らかに不要な部分がクリップに残っていると、動画の流れを確認するのに時間がかかってしまう。

 そのため、ライブラリから素材をどんどん並べるのではなく、不要な部分はカットし、必要な部分だけを並べていったほうがいい。これにより動画の流れがつかみやすくなり、より的確にカットする部分が見つけられる。

 素材の必要な部分だけを切り取るには、選択した素材をプレビューでトリミングしてからタイムラインにドラッグ&ドロップする。切り取りすぎてもタイムライン上で調整できるので、あまり神経質になる必要はない。ざっくりとトリミングして配置していけば、作業を効率的に進められる。

ライブラリで素材を選択。プレビューで動画を確認したら、必要な区間の最初と最後に黄色のカッコをドラッグして位置を指定する。
区間を指定できたらプレビュー画面をタップし、そのまま映像をタイムラインへドラッグ&ドロップする。
これで指定した区間だけをタイムラインに配置できる。

外部ストレージやオンラインストレージの素材を使う方法

 ここまでは、iPhoneで撮影した素材を取り扱う方法を説明した。しかし、素材をサイトからダウンロードしたり、別の機材で撮影した素材を使ったりしたいときもあるだろう。この場合は、「LumaFusion」でそれらのストレージを利用できるように設定する必要がある。

●「iCloud」や外部ストレージに保存した素材を取り込む

 「iCloud」または外部ストレージ(SDカードやUSBメモリー)に素材が保存されている場合は、これらのストレージと「LumaFusion」をリンクさせよう。すると、「リンク済みフォルダ」から直接アクセスできるようになり、素材をタイムラインに配置できるようになる。「写真」を選んだときと同じ操作感になるので、非常に便利だ。

ライブラリ左上のアイコン→「リンク済みフォルダ」をタップ。リンク済みフォルダの一覧が表示されるので、「フォルダにリンクを追加」をタップする。
フォルダ選択画面が表示されるので、目的のフォルダを選択して「開く」をタップする。これでフォルダが追加され、保存されている素材にアクセスできるようになった。

●オンラインストレージに保存した素材を取り込む

 「LumaFusion」は、「Dropbox」「Googleドライブ」「OneDrive」「Box」にも対応している。これらのオンラインストレージに保存してある素材をインポートすると、「インポート済み」フォルダに素材が保存されて利用できるようになる。

 つまり、オンラインストレージの素材を使うには毎回インポートしなければならないため、やや面倒だ。可能なら「iCloud」に保存して、フォルダをリンクさせたほうがいいだろう。

ライブラリ右上の「…」をタップし、「メディアのインポート」を選択する。オンラインストレージ名が表示されるので、利用するものをタップする。
はじめて使うときはオンラインストレージの認証画面が表示されるので、画面の指示に従って認証する。認証されたらアクセス権の画面が表示されるので「許可」をタップする。
オンラインストレージのフォルダが表示されるので、素材が保存されているフォルダを選択。素材が表示されたら利用するものを選択し、右上の「↓」をタップ。これでiPadにダウンロードされ、利用できるようになる。

知っておくと便利な素材ファイルの管理方法

 ライブラリに素材が増えてくると、目的の素材が見つけにくくなるので、適切に素材を管理しておきたい。「LumaFusion」には便利な管理ツールが備わっているので、これらもぜひマスターしておこう。

●ファイルの表示方法を変更する

 初期状態のライブラリは、素材のサムネイルが並んだ形で表示される。この表示方法だとファイル名は表示されず、素材の長さなども確認しづらい。そのため、ファイルの情報が確認しやすい一覧表示に変更するといいだろう。

ライブラリの右下にあるアイコンをタップすると、ライブラリの表示方法を変更する画面が表示される。ファイルを一覧表示にするには、「表示タイプ」の中央にあるアイコンをタップする。
ライブラリの素材表示が一覧形式に変更される。一覧形式の場合、ファイル名が表示され、素材の長さや大きさなどの情報も確認しやすくなる。

●素材にメモを付ける

 「LumaFusion」では、素材にメモを付けることが可能だ。メモは検索の対象になるので、素材の特徴やシーン番号など特記事項をメモに残しておくと、見つけやすくなる。編集作業がよりスムーズになるだろう。

メモを付けるには、素材を選択してからライブラリ右上の「…」をタップし、「メモを編集」をタップ。表示されたボックスにメモ(ここでは「縦移動で使う」)を入力する。
ライブラリ右下の虫眼鏡アイコンをタップすると、検索ボックスが表示される。ここにキーワードを入力すると、そのキーワードを含む素材が検索される。

●素材を「色タグ」で管理する

 素材が増えてくると、違うプロジェクトで使う素材が一緒に表示されてしまうことも少なくない。これだと、どのプロジェクトの素材なのかが見分けられなくて不便だ。

 そんなときは、簡単に見分けられる「色タグ」がおすすめ。プロジェクトごとに素材を色分けしておくと、どのプロジェクトで使う素材なのかが一目瞭然となるので、効率的に管理できるようになる。

色タグを付けたい素材を選択し、ライブラリ左下の「色タグ」アイコンをタップ。表示された色タグをタップすると、素材にその色が表示される。

 このようにして、素材をタイムラインに配置したら、あとは編集作業で仕上げていくことになる。

 次回は、「LumaFusion」でのカット編集やタイトル・テロップの挿入などの手順を紹介しよう。

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