3段階の調光機能付き、330インチ&120Hz映像視聴が可能なARグラス「XREAL Air 2 Pro」が登場【CEATEC 2023】
ASCII.jp / 2023年10月18日 9時0分
10月17日、幕張メッセにて開催中のIT技術とエレクトロニクスの国際展示会である「CEATEC 2023」にて日本XREALが、同社の最新ARグラス「XREAL Air 2 Pro」を発表した。
同社は9月に行われた東京ゲームショウ2023にて「XREAL Air 2」を展示していたが、「XREAL Air 2 Pro」は展示が見送られていたが、CEATECのブースでは体験できるようになっていた。
「XREAL Air 2 Pro」はソニーの0.55インチOLEDマイクロディスプレーを採用。ARで330インチのスクリーンを投影し、USB Type-Cケーブルで接続したゲーム機やPC、スマートフォンから出力したゲームや映像コンテンツが楽しめる。
解像度は1920×1080ドット、リフレッシュレートが120Hzで、輝度は500nit。カラーはダークグレーで、ノーズパッド抜きの重量が75g。X軸・Y軸・Z軸周りの3つの動きに対応する3DoFに対応する。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623439/x/0d807d6fdf0909df.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623440/x/6972e0aff990f458.jpg)
発表会では、日本Xreal General Managerのケン・ファン氏が登壇し、同社の取り組みや製品説明を行なった。ファン氏は同社が世界でARグラスを20万台売り上げた初のメーカーとして知られ、BCN+Rのデータでは、ARグラスにおいて日本市場でリードしているとしているとアピール。
そんななか、同社は独自に「AR/VR製品について聞いたことはあるか? 購入したことはあるか?」と、1万人にアンケートしたところ、約95%のユーザーが「聞いたことがない」と回答。そのうえで、この95%の部分が我々にとっての大きな機会として捉えているとコメントした。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623441/x/d5f7e84c52d15664.jpg)
また、AR/VR製品を購入したという人は、「新しい製品を試すのが好き」という最先端技術にオープンな考えを持ち、AR/VR製品を「聞いたことがない」という人よりも高学歴で高所得層が多いというデータも得られたという。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623442/x/59287fdd0c1361ff.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623443/x/d74beed37f5004e8.jpg)
そのうえで、同社は日本で製品を普及していくには、5G、AI、ソフトウェアの開発という3点が重要な要素と考えているとコメント。これらを実現するためにユーザーのニーズをリサーチしたところ、ARユーザーの興味は幅広く、さまざまな電子機器を所有している。主なユースケースはゲーム機が75%、スマホ&タブレットが65%、ラップトップが48%の順で、それらのデバイスの利用を拡張するのに使っているとした。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623444/x/fcb01c48ec39f781.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623445/x/282f22c893e64517.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623446/x/21870b9f34e0b4f5.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623447/x/d0d010cc59e149bc.jpg)
AR(Augmented Reality)とVR(Virtual Reality)、MR(Mixed Reality)は、同じようで少し技術が異なる。VRは360度すべてが仮想空間で、MRは外部カメラから取り込まれたデジタルのリアリティーに仮想を重ねる。一方で、ARは透過したグラスから見る現実のうえに、仮想を重ねている。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623448/x/edb8e66cb4a4f031.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623449/x/42b98bdf54efa861.jpg)
東京ゲームショウ2023にて展示されていた「XREAL Air 2」は、グラスの透過度は変えられなかったが、基本スペックは同じながら「XREAL Air 2 Pro」は、電流により液晶分子の配列を調整し、グラスの透過度を0%、35%、100%の3段階で調整できる。最新のiPhone 15とも直接接続できるとアピールした。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623450/x/008604c85a75a725.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623451/x/7298046df4ec3f11.jpg)
価格は「XREAL Air 2」が5万4980円のところ、「XREAL Air 2 Pro」が6万1980円。先行予約開始日は10月27日(金)で、販売開始日は11月17日(金)。Amazonの他、ビックカメラやヨドバシカメラで購入できる。また、事前予約特典としてApple Gift Card 2500円分と、グラススキン、レンズフレームが1000円割引となるクーポンが付いてくる。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623452/x/57f409e4a64dd10f.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623453/x/62f84e2feb4228dd.jpg)
視認性は高く、ゲームや動画視聴には良好
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623458/x/d77a9c9b53ea60cf.jpg)
CEATECの6Hallには、同社のブースがあり、自転車に乗って「XREAL Air 2 Pro」でサイクリングアプリを視聴する体験や、Nintendo SwitchやPlayStation 5、今年話題のゲーム機型PC「ROG Ally」の画面を表示してゲームをプレイする体験が行なえた。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623459/x/471ff7b6704069f5.jpg)
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623456/x/575af5e6c9ecb6f2.jpg)
筆者は同社の従来製品である「Nreal Air」を試したことがあるが、個人差もあるだろうが、レンズの内側にあるディスプレー部が瞼の上に接触し、やや不快感を覚えた。しかしながら、ノーズピースや形状の変更ゆえか、そうした接触もなく快適に利用できた。
筆者は普段眼鏡を使用しているが、ブースでは眼鏡の上から掛けても使えると説明を受けた。確かにやや不安定ではあるが、眼鏡(フレーム形状にもよるだろうが)の上からでも固定して使うことはできた。
![XREAL Air 2 Pro](https://ascii.jp/img/2023/10/17/3623457/x/6c201e76595f3576.jpg)
ただし、いくら75gで軽いと言っても、眼鏡を2つ掛けているようなものなので、「XREAL Air 2 Pro」だけを掛けた時よりも重い。従来機も「XREAL Air 2 Pro」も、視度調整機能までは搭載していない。従来機はそのため度付きレンズ製作指定店のJUN GINZAにて度付きインサートレンズを作れた。
「XREAL Air 2 Pro」でも度付きインサートレンズが使えるため、長くゲームや動画を快適に楽しみたいなら、購入を検討したいところだ。
表示画面は「Nreal Air」よりもやや大きく、500nitの高い輝度により、会場の室内光の中でもゲームキャラもはっきりと見えるほどの高い視認性を得られた。右につる部分には、ディスプレーの輝度を上下するボタンと、周囲の調光を3段階で変えられるボタンが設けられている。
周囲の調光を100%にすると、会場のLEDで照らされたメーカーロゴなどは輪郭が分かるが、ほぼ真っ暗になる。ただし、一般的なVRヘッドセットのように、レンズと目の間の横の隙間を埋めるガスケットはないため、やや横からの光量が気になるが、0%時よりは高い没入感を得られる。
とはいえ、最新のVR/MRヘッドセットは、パンケーキレンズを採用してヘッド部が軽く薄くなったとはいえ、多機能ながら「XREAL Air 2 Pro」ほどよりは重い。あくまで、大画面のゲーム&動画視聴だけを求めるなら「XREAL Air 2 Pro」は、より最適な選択肢とも言える。以下公式動画に見られるような寝転がってのゲームプレイなどにも最適だろう。
個人的には、高解像度になったとはいえ、現状の最新のMRヘッドセットでもPCのデスクトップを表示した場合、細かい文字の視認性にやや不満があるため、PC画面を表示して文章作成などの実作業が、どれだけ快適に行なえるのかが気になった。
大画面のディスプレーの内環境で、仮想の大画面で作業できるかどうかなどは、ぜひ今後実機を試せる機会があれば確認したいところだ。
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