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なにかと便利な「Google Pixel Watch 2」の特徴を解説【1週間使用レポート】

ASCII.jp / 2023年10月19日 8時0分

コンパクトで軽量、ガジェット感覚で軽快に使える「Google Pixel Watch 2」

 グーグルが最新のWear OS 4を搭載する純正スマートウォッチの第2弾「Google Pixel Watch 2」を発売しました。今回、筆者は実機を借りて1週間ほど使用しました。きっとまだ知らない方も多いであろう「グーグルのスマートウォッチの特徴」に注目しながらレポートします。

Androidスマホユーザーに絶好のスマートウォッチ

 Google Pixel Watch 2(以降、Pixel Watch 2)は41mmの正円形ケースに、タッチ操作に対応するカラー有機ELディスプレイを搭載しています。デザインは腕時計というよりもデジタルガジェットらしさが強い印象です。質量は31gと軽くコンパクトなので、男女を問わず身に着けやすいスマートウォッチです。筆者は夜間の睡眠トラッキングのため、身に着けたまま眠れるサイズ感が気に入っています。

 本機はAndroid 9.0以降を搭載する多くのAndroidスマホとのペアリングに対応します。スマホに届いた通知を見たり、通話の着信を受けたり、Google Playからはスマートウォッチに対応するアプリを任意に追加できます。

 残念ながらPixel Watch 2は、iPhoneとのペアリングに対応していません。以前のWear OS by Googleの頃はAndroidだけでなく、iOS向けのアプリもあり、AndroidスマホとiPhoneのどちらでも使えるグーグル以外のブランドによるスマートウォッチも揃っていました。

Google Pixelシリーズのスマートフォンと好相性。Android 9.0以降のほとんどのAndroidスマホにペアリングして使えます

 現在、Wear OS 4に対応するスマートウォッチは、Pixel WatchとGalaxy Watchの2本柱のみ。このままでは強力なライバルであるアップルのApple Watchからシェアを奪うことは難しいでしょう。最新のWear OS 4を早くサードパーティにも積極的に提供するべきです。

バッテリー持ちが良くなった!

 話題をPixel Watch 2に戻しましょう。本機には単体でLTE対応のセルラー通信ができるモデルと、Wi-Fi専用のモデルがあります。本体にはGPSにコンパス、高精度なマルチパス光学式心拍センサーを内蔵。手首の皮膚に触れて身体反応を測定する電気センサー(cEDA)、皮膚温センサーも初代のPixel Watchから追加されました。

強化された心拍計測用のセンサーや、身体反応を計測するためのセンサーが追加されました

 たくさんのセンサーがあることで、Pixel Watch 2の用途はアプリと連携しながらワークアウトや睡眠習慣の計測、心拍のトラッキングなど多彩に広がります。Fitbitのアプリを入れて月額640円の「Fitbit Premium」のメンバーシップに登録すると、充実したワークアウトやヘルスケアの機能も使えます。

 2022年10月にグーグルが発売した初代のPixel Watchが搭載するWear OS 3.5よりも、Wear OS 4はバッテリーの駆動効率が改善されています。グーグルが公開するスペックではバッテリー持ちが「最大24時間」とされています。初代のPixel Watchも最大24時間のバッテリー持ちをうたっていましたが、最新モデルは「常に画面をON」にした状態で同様の持続性能を発揮します。

Pixel Watch 2専用のワイヤレス充電器(右側)。初代のPixel Watch(左側)と違うものです

 筆者が1週間ほど試した感触では、満充電後24時間が経っても残量が10〜15%前後ありました。初代機は突然バッテリーが勢いよく減ったり安定感に欠けるところもあったので、バッテリーの信頼性はPixel Watch 2で向上した実感があります。

スロットを数多く配置できるウォッチフェイス「アドベンチャー」

ウォッチフェイスやバンドなどカスタマイズの自由度も高い

 Pixel Watch 2のGoogleウォレット、Google Playのアプリ検索とダウンロード、データのバックアップなど本体設定は「Google Pixel Watch」アプリからします。

 ウォッチフェイスはアプリへのショートカットである「スロット」を数多く配置できる機能性重視の「アドベンチャー」と「アナログ(円弧)」、シンプルな「回転」に「ラージスケール」が増えました。

 ウォッチフェイスは背景がブラックのデザインが多めですが、中には色鮮やかな「ビスタ」、または好きな写真をウォッチフェイスにする選択肢もあります。

アーティスティックな文字盤の「ビスタ」

 ウォッチフェイスを左右にスワイプして、お気に入りの機能やアクションに素速くアクセスするためのショートカットとして機能する「タイル」も便利です。タイルはWatchアプリから追加や並べ替えができます。

 本体から着脱交換ができるバンドは、サードパーティのものを含めて初代のPixel Watchのバンドと互換性が保たれています。サードパーティのアクセサリーメーカーによる商品も含めて、初代Pixel Watchの発売から1年が経ってバンドの選択肢も充実しました。

バンドの着脱交換は簡単にできます。初代Pixel Watch用のバンドにも対応します

Fitbitアプリのサービス、無料と有料どちらを選ぶ?

 Pixel Watch 2を装着した状態でのワークアウトや睡眠、心拍数などアクティビティの記録にはFitbitアプリが便利です。有料のFitbit Premiumに申し込まなくても、無料メンバーシップの範囲で体重や食事・水分摂取の記録など、ヘルスケア系のデータ記録を含む基本的な使い方が色々できます。

Fitbitの有料プレミアムサービスに登録すると、様々な動画付きのコーチングコンテンツが利用できるところも大きな魅力のひとつです

 Fitbit Premiumがあれば、さらに詳細なデータ解析、動画・音声によるワークアウトのコーチングセッションなどがモバイルアプリと併用しながら楽しめます。コーチングセッションはメニューが充実しているので、ジムやヨガスタジオに通う時間がない方は、月額640円でワークアウト習慣を身に着けられる良い手段になると思います。

 Fitbitアプリのデータは、Health Connectという機能を使うとGoogle Fitアプリにリンクできます。Fitbitアプリの右上にあるユーザーのアイコンをタップして、「Fitbitの設定」の中にあるHealth Connectを有効にします。

Health Connectを有効にすると、Fitbitアプリの計測データをGoogle Fitアプリにまとめて見ることができます

 Fitbitアプリだけでも詳細なアクティビティトラッキングのデータが参照できるのですが、Google FitアプリにはPixel Watch以外のヘルストラッカーやウェアラブルデバイスなど、ユーザーが他にも使っているスマートデバイスの記録を集約して見られる良さがあります。

Pixel Watch 2からワークアウトの開始・終了の「通知」表示を選択します

ワークアウトを自動記録。開始・終了の通知も追加

 筆者はPixel Watch 2とFitbitアプリの組み合わせによる「ワークアウトの自動記録」機能が使いやすくなったと思います。

 Pixel Watch 2を装着したままウォーキングにランニング、サイクリングなど7種類のワークアウトを開始すると、Pixel Watch 2が自動記録を開始します。

 Pixel Watch 2の側で「ワークアウト開始・終了の通知」をオンにすると、体を動かし始めてから数分後にPixel Watch 2の画面に通知が届きます。Pixel Watch 2はワークアウトの「種目を判別したうえで通知を送れない」ため、最初に記録する種目を手動で選ぶ必要があります。続いて記録の開始のボタンをタップします。

 Apple Watchは「種目も自動で判別してくれる」ので、あとは「屋外ウォーキングを記録」といった感じで、ワークアウトも表記したアイコンをタップする操作だけで記録がスタートします。通知が届く前のアクティビティも記録されます。

 このApple Watchの操作感に慣れてしまうと、Pixel Watchで「記録開始」のアイコンをタップする操作を忘れてしまいがちです。でも、実はFitbitアプリはユーザーに通知を送る前から該当する種目のワークアウトデータを自動記録しています。これは初代のPixel Watchから対応していました。Pixel Watch 2にはウォッチにリマインドとして通知を送る機能が加わったということです。

Fitbitアプリはワークアウトを自動で記録してくれます。通知に対して反応できなかった場合も、アプリにはウォーキングやランニングの記録などが残ります

 Pixel Watchは安静時心拍もバックグラウンドで「常時計測」しています。今この瞬間の心拍数を知りたければ「タイル」などを開きます。Apple Watchではコンプリケーションやウィジェットから「心拍数」アプリを起動する所作を間に挟むことができます。Pixel Watchは、基本的にはバックグラウンドで記録してくれる使用感が特徴です。タップ操作を挟むApple Watchと、操作方法の好みが分かれるところかもしれません。

身体反応があるとウォッチにアラートが届きます。この時は特に、筆者には思い当たるフシがありませんでした。深く悩む必要はないと思います

自動でストレスを計測。手動で「気分」を記録する機能も

 Pixel Watch 2は手首の皮膚に触れて心拍数、皮膚温、発汗量などを追跡する電気センサー(cEDA)と皮膚温センサーを本体に搭載しています。身体の緊張状態が高まったりした時に「身体反応」を記録する機能が付きました。

 筆者はこの機能を1週間ほど使ってみても、まだ法則性が読めていません。自宅でテレビを見ながらリラックスしている瞬間にも「身体反応」のアラートが表示されることもあったからです。ストレスの計測と、ストレス状態の把握をどのようなアルゴリズムで実施しているのか、いずれ機会があればグーグルに詳しく取材してみたいです。

その時の気分を手動で記録。Fitbitアプリで振り返ることもできます

 ストレス判定についてはPixel Watch 2、またはスマホのFitbitアプリからその瞬間の気分を手動で記録する機能もあります。一日の節目に振り返るという習慣を身につけるとメンタルのレジリエンス(強さ・回復力)を高めることができます。Apple WatchのwatchOS 10に新しく搭載された「心の状態」の記録機能に似ています。

 メンタルヘルスの自己管理習慣は、身体を鍛える筋トレやジョギングと違って実践効果がわかりにくいものです。Fitbit Premiumのメンバーが楽しめる「コーチ」のメニューには「マインドフルネス」を目的とした瞑想や深呼吸、心を落ち着かせるためのエクササイズも充実しています。Pixel Watch 2は「心を整えるための機能やコンテンツが充実しているスマートウォッチ」であることを覚えておくと良いでしょう。

筆者はソニー銀行のSony Bank WALLETが登録できました

ウォレットやマップなどグーグルの使い慣れた機能が充実

 ほかにもPixel Watch 2はGoogleウォレットにクレジットカードやSuicaを登録して、タッチで電子決済や交通機関を利用できます。

 Pixel Watch 2で使えるクレジットカードとサービスはVISAタッチ決済とMasterCardタッチ決済、Suica、QUICPay、iDです。詳細はGoogleウォレット ヘルプのページに公開されているリストから確認できます。

屋外を歩いて移動する際にはGoogleマップのナビ機能をウォッチの画面に表示しながら移動できるので便利です

 屋外を歩いて移動する際には、GoogleマップをPixel Watch 2の画面に表示できるナビゲーション機能が便利です。初めて訪れる駅に降りて、Googleマップの音声入力から「近場のカフェ」と指定すると近所のカフェを探してナビしてくれます。スマホでも見慣れたGoogleマップが使える心強さも好感触でした。

 Pixel Watch 2はスマートウォッチに求められる機能がよくまとまっているので、初めてスマートウォッチに触れる方もシンプルな操作に馴染みやすいと思います。初代のモデルよりもバッテリーの持ちやFitbitアプリと連携するワークアウト、ヘルスケアの計測機能も安定度が増していました。iPhoneで使えないことがとても残念ですが、AndroidスマホでApple Watchが使えないことを考えれば「おあいこ」です。

 Androidスマホがメインという方には、いま最も使いやすいスマートウォッチのひとつとしてGoogle Pixel Watch 2をおすすめします。

 

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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