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【保存版】現行最新 Wi-Fi 6Eの強みを知ろう

ASCII.jp / 2023年10月25日 7時0分

この記事は『週刊アスキー』1446号(2023年7月4日発売)に掲載されたものです。製品情報や発売日、価格などは変更されている場合がありますので、ご了承ください。

速度が速いだけじゃない Wi-Fi 6Eをおさらいして実作業に役立てよう

 Wi-Fiの規格が誕生してはや27年。とりわけ、転送速度の伸びは著しい。2024年には「Wi-Fi 7」の登場も控えている。さて、現行最新規格の「Wi-Fi 6E」は、Wi-Fi 6と最大転送速度は変わらないが、使える帯域が増えたことで、高速かつより安定した通信が行えるようになった。徐々に対応機器が普及している本規格だが、どれほどご存じだろうか。

 本特集では、Wi-Fi 6/6Eについての基礎知識をおさらいしつつ、編集部おすすめのWi-Fi 6E対応ルーターも紹介している。改めてWi-Fi 6Eについておさらいしたい人だけでなく、買い替えを検討している人も最後までご覧いただき、参考にしてほしい。

この機におさらいしよう! Wi-Fi 6&Wi-Fi 6Eの基礎知識

【Wi-Fi 6&Wi-Fi 6Eのメリットってなに?】速度はもちろんだが、遅延が少ない、消費電力が減らせるといった部分もメリット。Wi-Fi 6Eなら、さらに6GHz帯も利用可能になる。

Wi-Fi 5よりどのくらい高速なの?

 Wi-Fi 5は、80MHz幅の電波と1ストリームでの通信(1本のアンテナを使用)が基本で、速度は433Mbps。機器によっては2ストリームで866Mbpsを実現しているほか、160MHz幅にすることで、1.7Gbpsに対応するものもある。

 これに対しWi-Fi 6は、80MHz幅の1ストリームで600Mbps。多くの機器は2ストリームに対応するため、1.2Gbpsという機器が多い。もちろん160MHz幅使用すれば、2.4Gbpsとさらに速くなる。つまり、Wi-Fi 5と比べ、約1.4倍速くなるわけだ。

 ただし、5GHz帯は帯域が狭く、160MHz幅は2つしか使えない。近所で使用している人がいれば競合し、速度が低下、通信が不安定になる恐れがある。

 そこでオススメなのが、「Wi-Fi 6E」。これはWi-Fi 6に6GHz帯の利用を追加したもので、160MHz幅がさらに3つ利用できる。つまり、競合の可能性が低くなり、安定した高速通信に期待できるのだ。

 これ以外にも、複数同時接続時の遅延、速度低下の抑制、消費電力の削減といったメリットもある。今からWi-Fiルーターを買うなら、6E対応を狙っていこう。

これってどうなの? Wi-Fi 6&6EのQ&A

Q どんな機器が6Eに対応しているの? A 発売1年以内のPCに多い、スマホは少なめ

 対応機器はPCに多く、特にここ1年以内に発売されたノートPCであれば、多くが対応済みだ。ただし、デスクトップや廉価なエントリーモデルでは対応してないこともあるので、注意したい。

 スマホで対応しているモデルはまだ少ないが、グーグルのPixel 7シリーズや、Xperia 1 IV/5 IVなどは対応済み。ハイエンドモデルを中心に、これから対応モデルが増えていきそうだ。

【アップル製品も対応!】今年発売されたMacシリーズの多くが対応。また、iPad Pro 11インチ(第4世代)、iPad Pro 12.9インチ(第6世代)も対応している。ただし、iPhoneは非対応だ。

Q インターネットも速くなるの? A 速くなるのはWi-Fiのみ、別途契約を!

 Wi-Fi 6や6Eで速くなるのは、あくまでWi-Fiの通信だけ。そのため、1Gbps以下の回線速度で契約している場合はWi-Fi 5でも十分で、インターネットまでは速くならない。

 Wi-Fiの高速化に合わせ、インターネットも速くしたいというなら、回線契約を見直そう。最近は、個人向けの10Gbps光回線サービスが増え、提供エリアも広がってきている。

【回線速度を10Gbpsに!】インターネットを高速化するなら、回線契約の見直しを。まずは提供エリアの確認から。

Wi-Fi 6&Wi-Fi 6Eのメリット

メリット01 通信速度が速い!

 規格では最大8ストリーム対応となるため、Wi-Fi 5は6.9Gbps、6/6Eは9.6Gbpsが最大。実際の製品では、廉価モデルで2ストリームの2.4Gbps、高性能モデルで4ストリームの4.8Gbpsが主流だ。

メリット02 速度が速い上に消費電力が低い!

Wi-Fi 6では、通信していないときはスリープさせ、消費電力を抑える「TWT」(Target WakeTime)という機能を装備。スリープのタイミングを機器ごとに個別設定するため、不要なスリープ解除がなくなり、消費電力が減らせるのだ。

メリット03 複数台接続でも速度が落ちにくい!

Wi-Fi 5までは接続している機器に対し、順番に通信を行っていた。一方、Wi-Fi 6からは複数の機器と同時通信が可能となり、待ち時間(遅延)が激減。さらに通信効率がアップするため、1台あたりの平均速度が上昇するのもメリットだ。

 最近はIoT機器が2.4GHz帯を使うことが多く、混雑状態になりがち。PCやスマホ、タブレットなどは5GHz帯を使うことが増えている。そのため今度は5GHz帯が混み始めているわけだ。Wi-Fi 6Eでは6GHz帯が追加されているため、この混雑を緩和できる。イメージでいえば、道路に車線が1つ増えたようなもの。とくに家族で複数のノートPC、スマホを使っている人なら、その効果は高い。

Q 有線LANを速くする意味は? A ルーターやAPのボトルネック解消が狙い

 いくらWi-Fiを高速化しても、ルーターやアクセスポイント(AP)がボトルネックになれば速度が出ない。10Gbpsなどの高速光回線を使うなら、ルーターの有線LAN、とくにWAN側が2.5Gbps以上の高速なものを選びたいところ。

 なお、NASを利用する場合など、家庭内LANそのものを高速化したい場合は、LAN側にも注意。エントリーモデルでは、LAN側は1Gbpsまでというルーターがほとんどだからだ。

【ルーターがボトルネックに】せっかく10Gbpsの光回線を契約し、Wi-Fi 6/6Eを導入しても、ルーターの有線LANが1Gbpsでは、ボトルネックになってしまう。

Q 6E非対応の機器でも使える? A 接続は可能だが、6GHz帯は使えない

 Wi-Fi 6E対応のルーターを導入しても、6GHz帯が使えるのは6Eに対応する機器だけ。非対応の場合は2.4GHz帯や5GHz帯を使うことになる。

 6E非対応のPCで6GHz帯を使いたい場合は、USB子機を使うという手がある。ただし、通信速度は1.2Gbpsとなっているのがほとんど。場合によっては遅くなってしまうこともあるので、6GHz帯を使わなければならないという事情がない限り、選ぶ必要はないだろう。

【Nighthawk A8000】Wi-Fi 6Eに対応した、ネットギアのUSB子機。80MHz幅、2ストリームに対応し、速度は最大1.2Gbpsとなる。実売価格1万8000円前後と、少々お高めだ。

 (次ページ:オススメWi-Fi 6E対応ルーター【エントリーモデル編】)

 Wi-Fi 6E対応ルーターは、性能の違いで大きく2つに分類できる。ひとつは価格を2万円台に抑えた、エントリーモデル。Wi-Fi通信速度は最大2.4Gbps、有線LANは1Gbpsというスペックが基本になる。手頃な価格で6GHz帯を使えるのが魅力だ。もうひとつは、Wi-Fi通信速度が最大4.8Gbps、有線LANの一部が10Gbpsが基本となる、ハイエンドモデル。ボトルネックを気にせず高速なWi-Fiを堪能したい場合は、ハイエンドモデルを選びたい。

■編集部厳然! オススメWi-Fi 6E対応ルーター【エントリーモデル編】

お手頃価格でもWANが2.5Gbps! バッファロー「AirStation WNR-5400XE6」

・最大速度 6GHz:2401Mbps/5GHz:2401Mbps/2.4GHz:573Mbps ・ポート構成 LAN:1Gbps×3/WAN:2.5Gbps×1

Wi-Fi 6Eルーター解説

 Wi-Fiの最大速度は2.4Gbpsまでだが、エントリーモデルながらWAN側端子が2.5Gbpsと高速なのが魅力。LANは1Gbpsとなるため、すべてのボトルネックが解消されるわけではないが、Wi-Fiだけでもボトルネックを解消したいという人にオススメだ。2.4GHz帯と5GHz帯を自動で切り替える「バンドステアリングLite」を搭載しているので、Wi-Fiルーターからの距離にかかわらず、快適な環境で通信できるのも魅力だ。実売価格は1万5000円前後。

Wi-Fi 6Eルーター解説バッファロー「AirStation WNR-5400XE6」
WANだけとはいえ、2.5Gbpsに対応している。LANは1Gbpsだが3ポート搭載し、PCはもちろん、プリンターやNASなど複数の機器が接続できる
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  • 【Amazon.co.jp限定】 バッファロー WiFi ルーター 無線LAN 最新規格 Wi-Fi 6E 6GHz対応 AXE5400 2401+2401+573Mbps Easy Mesh トライバンド WNR-5400XE6/N

スマホからのセットアップが簡単 TP-Link「Deco XE75」

・最大速度 6GHz:2402Mbps/5GHz:2402Mbps/2.4GHz:574Mbps ・ポート構成 WAN/LAN自動判別:1Gbps×3

Wi-Fi 6EルーターTP-Link「Deco XE75」

 円筒形のオシャレなデザインで、リビングにも置きやすい。スマホアプリを使ったセットアップが分かりやすく、ルーターに不慣れな人でも迷わず設定できるのが◎。複数台利用し、通信範囲を広げるメッシュWi-Fiも構築しやすい。実売価格は1万7100円前後。

Wi-Fi 6Eルーター
有線LANはWAN/LAN共用で、3ポート。全て1Gbpsとなる。メッシュWi-Fiのバックホール(ルーター同士を繋ぐ回線)にもなる
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  • TP-Link WiFi 6E ルーター メッシュWi-Fiシステム wifi中継 スマートテレビ 対応 メッシュWi-Fi無線LANルーター スマートホーム AXE5400 (2402 + 2402 + 574Mbps) Deco XE75 1ユニット

5GHz帯なら4.8Gbpsで通信可能! NECプラットフォームズ「Aterm WX7800T8/PA-WX7800T8」

・最大速度 6GHz:2402Mbps/5GHz:4804Mbps/2.4GHz:574Mbps ・ポート構成 LAN:1Gbps×4/WAN:1Gbps×1

Wi-Fi 6EルーターNECプラットフォームズ「Aterm WX7800T8/PA-WX7800T8

 6GHz帯は2.4Gbpsだが、5GHz帯では4ストリームの4.8Gbpsまで利用可能。対応機器の少ない6GHz帯ではなく、あえて5GHz帯を手厚くするという、実用性を重視した仕様がうれしい。バンドステアリングに対応し、2.4GHz/5GHz/6GHz帯を切り替えられる。実売価格は2万5200円前後。

Wi-Fi 6Eルーター
WAN/LANともに1Gbps。有線LANを経由すると、そこがボトルネックになってしまうが、Wi-Fi同士の通信なら高速。Wi-Fi対応機器を多数使う人に◎
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  • NEC PA-WX7800T8 無線LANルータ Aterm

 (次ページ:オススメWi-Fi 6E対応ルーター【ハイエンドモデル編】)

■編集部厳然! オススメWi-Fi 6E対応ルーター【ハイエンドモデル編】

高性能な内蔵アンテナでスッキリ NECプラットフォームズ「Aterm WX11000T12/PA-WX11000T12」

・最大速度 6GHz:4804Mbps/5GHz:4804Mbps/2.4GHz:1147Mbps ・ポート構成 LAN:10Gbps×1、1Gbps×3/WAN:10Gbps×1

Wi-Fi 6EルーターNECプラットフォームズ「Aterm WX11000T12」

 2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯のすべてのバンドで、4ストリームに対応した高性能Wi-Fi 6Eルーター。最大速度は4.8Gbpsで、2.4GHz帯でも1147Mbpsと高速なのがうれしい。アンテナは、内蔵にも関わらず360度電波が届く「ワイドレンジアンテナPLUS」を採用。利用する機器の位置、向きなどによらず、安定した高速通信を実現できるのが魅力だ。WANだけでなく、LANに10Gbpsのポートを装備しているのもグッドだ。実売価格は5万5000円前後。

Wi-Fi 6EルーターNECプラットフォームズ「Aterm WX11000T12」
10GbpsはWAN、LANに各1ポートずつ、1Gbpsを3ポート装備。アクセスが集中するNASを高速化したいなど、LANの高速化を考えている人にオススメだ
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  • 【Amazon.co.jp 限定】NEC Aterm 無線LAN WiFi ルーター Wi-Fi 6E(11ax)トライバンド対応 10Gbps有線LANポート対応 12ストリーム AM-AX11000T12 (iPhone 15 Pro / 14 / 13 / SE/Nintendo Switch メーカー動作確認済み)

10Gbps対応でも4万円台! バッファロー「AirStation WXR-11000XE12」

・最大速度 6GHz:4803Mbps/5GHz:4803Mbps/2.4GHz:1147Mbps ・ポート構成 LAN:10Gbps×1、1Gbps×3/WAN:10Gbps×1

Wi-Fi 6Eルーターバッファロー「AirStation WXR-11000XE12」

 10GbpsのWAN、LANを備えながら、価格が抑えめなのがうれしい1台。可動式の大型アンテナを備え、環境に応じて向きや角度を調節可能。本体位置をそのままに、電波感度を改善できるのがメリットだ。実売価格は4万5500円前後。

Wi-Fi 6Eルーターバッファロー「AirStation WXR-11000XE12」
WANは10Gbps、LANは10Gbps+1Gbps×3を装備。USBにHDDなどを接続すれば、簡易NASとして使用可能
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  • 【Amazon.co.jp限定】 バッファロー WiFi ルーター 無線 LAN Wi-Fi 6E 11ax 6GHz AXE11000 トライバンド 12ストリーム 4803 + 4803 + 1147 Mbps 有線 10Gbps エコパッケージ 【 iPhone 15 Pro / 14 / 13 / Nintendo Switch / PS5 動作確認済み 】 WXR-11000XE12/N

ルーターに見えない高級感 TP-Link「Deco XE200」

・最大速度 6GHz:4804Mbps/5GHz:4804Mbps/2.4GHz:1148Mbps ・ポート構成 WAN/LAN自動判別:10Gbps×1、1Gbps×2

Wi-Fi 6Eルーターバッファロー「AirStation WXR-11000XE12」

 最大4.8Gbpsに対応する高速Wi-Fi 6Eルーターながら、ルーターに見えないスタイリッシュなデザインが特徴。メッシュ利用に向いている2台セット(実売10万1000円前後)も用意されている。実売価格は4万8000円前後。

Wi-Fi 6EルーターTP-Link「Deco XE200」
Wi-Fi利用をメインにしているため、共用のLANが3ポートのみ。1つが10Gbpsで、残りは1Gbpsだ
■Amazon.co.jpで購入
  • TP-Link WiFi 6E ルーター メッシュWi-Fiシステム wifi中継 スマートテレビ 対応 メッシュWi-Fi無線LANルーター スマートホーム AXE11000 4804 + 4804 + 1148Mbps Deco XE200 1-pack

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