シャープの定番スマホ「AQUOS sense8」は外観変わらずも大きな進化が魅力大
ASCII.jp / 2023年10月21日 12時0分
シャープの「AQUOS sense8」は、シャープの定番かつ最も売れ筋となるミドルクラスの「AQUOS sense」シリーズの最新モデル。基本的なデザインは前機種「AQUOS sense7」を踏襲しながらも、カメラやバッテリーなど性能面でさまざまな強化が図られている。発売前の実機からその性能を確認してみよう。
◆外観は踏襲も指紋センサーは電源キー一体型に
まずは外観を確認すると、ディスプレーは約6.1型の有機EL(IGZO OLED)を採用しており、サイズは約71×153×8.4mm、重量は約159g。AQUOS sense7はディスプレーサイズは同じで、サイズが約70×152×8.0mm、重量が158gなので、厚さがやや増していることを除けばサイズ的にあまり大きく変わっていない。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625188/x/b041279a33be98bc.jpg)
背面のデザインもここ最近の「AQUOS R」シリーズのデザインを踏襲したアルミボディーで、標準カメラが中央上部に位置するデザインが継承されていることから、ぱっと見では両機種の区別がつきにくい。
なお、カメラ部分の出っ張りの高さもそれなりにあるが、出っ張りがなだらかな上に中央にあることから、背面を背にして置いた場合の傾きはそこまで気にならない。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625189/x/7dbd350af3e7d91e.jpg)
一方で大きく変わったのが右側面で、AQUOS sense7では独立していた指紋センサーが電源キー一体型となり、見た目にもシンプルになっている。前機種で指紋センサーが独立していたことには不満の声が多かっただけに、ユーザーの声をくみ取っての変更といえそうだ。
もちろんフロントカメラを用いた顔認証にも対応しており、引き続きマスクをした状態での顔認証にも対応する。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625190/x/60c8d5f7bb1ab3e0.jpg)
それ以外のインターフェースを確認すると、底面にUSB Type-C端子と3.5mmのイヤホン端子が、上部にSIMトレイが用意されている。SIMトレイはシャープらしくSIMピン不要で抜き差しできる仕組みなのがうれしい。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625191/x/c99fa7a097bb8396.jpg)
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625192/x/8c27cfc5cb2aa7b2.jpg)
◆標準カメラにはついに光学式手ブレ補正を搭載
続いてカメラを確認すると、背面のカメラは約5030万画素/F値1.9でセンサーサイズが1/1.55インチの標準カメラと、約800万画素/F値2.4の広角(超広角)カメラの2眼構成。前面のフロントカメラは約800万画素/F値2.0となっている。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625193/x/13b2c02f019d98f9.jpg)
スペックだけを見ると、こちらもAQUOS sense7と変わらず、高い画素数を活かして高精細な2倍ズーム撮影を実現するなど、できることも共通している部分が多い。だが大きな違いもいくつかあり、1つは手ブレ補正が進化したことだ。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625203/x/4e51a2b6626221b0.jpg)
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625204/x/2a44ddf6c2e846ce.jpg)
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625205/x/3f2fe6c61b00f706.jpg)
AQUOS sense8はAQUOS senseシリーズでは初めて、電子式手ブレ補正に加え光学式ブレ補正を搭載。両者を組み合わせることで、より暗い場所での撮影に強くなっているのだ。それゆえ暗い場所での撮影はかなりやりやすくなっており、ナイトモードを使わなくても場所によっては十分な明るさで、ブレなく撮影できるケースが多かった。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625206/x/fb54f07749753d6f.jpg)
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625201/x/e00e5b57a6695ddf.jpg)
ただ超広角カメラの性能が変わっていないこともあって、標準カメラと同じ感覚で超広角カメラを使って撮影してしまうとブレやボケが生じやすいとも感じた。コスト面の問題もあるので欲張りな要求かもしれないが、ここまで標準カメラが進化してしまうと、超広角カメラにも性能強化がほしいと感じてしまう。
そしてもう1つ、新たに追加された機能が「フローティングシャッター」である。これはカメラアプリの画面内に自由に設置できるシャッターボタンで、設定から追加できる。
フローティングシャッターは好きな場所に設置できることから、従来のシャッターボタンや音量キーではシャッターが切りづらいシーン、主に片手で持った状態でシャッターを切る時にとても役立つ。実際に試してみたが、片手で持って親指が届きやすい位置にフローティングシャッターを置くことにより、片手で縦だけでなく、横に持った状態でも撮影しやすくなるので非常に便利だ。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625194/x/3292906fd6cde71b.jpg)
◆チップセットやバッテリーに加えディスプレーも進化
基本性能を確認すると、チップセットはクアルコム製のミドルクラス向けとしては最も新しい「Snapdragon 6 Gen 1」を搭載。メモリーは6GB、ストレージは128GBで、microSDにより最大1TBの追加が可能だ。
2023年に投入されたミドルクラスのスマートフォンは、2022年の同クラスのモデルと同じ「Snapdragon 695 5G」を搭載することが多かった。それだけに、世代が新しいチップセットを搭載していることもミドルクラスの中では大きな差異化要因となりそうだ。
実際どの程度の性能を持つのかベンチマークで確認してみると、やはりSnapdragon 695 5Gよりは明らかに高いスコアを記録している。それゆえ主要ゲームで確認しても、「PUBG MOBILE」でグラフィック設定をハイエンド並みの「ウルトラHDR」にまで上げられるなど、著しく性能が向上している。
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625196/x/6132f6a4ece200b9.jpg)
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625198/x/7536fc98c69cf0ce.jpg)
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625200/x/0210f7f3c8e0ebb4.jpg)
![AQUOS sense8](https://ascii.jp/img/2023/10/20/3625187/x/71bcde877e7f6dc5.jpg)
ただクアルコムやMediaTek製のハイエンドモデルと比べるとやはりスコアは低いので、“ミドルハイに限りなく近いミドル”といったところ。とはいえ世代の進化でチップセットは明らかに進化しているだけに、ミドルクラスながらゲーミングでは従来より高い満足度が得られることは間違いない。
もう1つ、強化がなされているのがバッテリーであり、AQUOS sense8はAQUOS sense7からバッテリーをおよそ500mAh増量し、5000mAhとなった。それに加えてディスプレーには従来同様、省電力に定評のあるIGZO OLEDを採用していることから、バッテリーの持ちに関しては従来以上に高い安心感が得られるだろう。
ちなみにディスプレーはリフレッシュレート90Hz駆動で、間に黒の画面を挿入した最大180Hzでのなめらかハイスピード表示も取り入れられている。素材の改良によって画質を変えることなくブルーライトの50%低減を実現しており、ディスプレー技術を存分に発揮した使い勝手の向上がなされているのも、シャープらしいポイントといえる。
最後に通信に関してだが、全モデル共通で物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM機構を採用しており、もちろん5Gにも対応。AQUOS sense7同様、ドコモの5Gの4.5GHz帯(n79)や、携帯各社の4Gプラチナバンドにも対応しているので安心感がある。
【まとめ】値段は上がったがミドルクラスの中では魅力が高い
AQUOS sense8は見た目こそAQUOS sense7に近いが、その中身はかなり進化していることがわかる。ベースの性能強化だけでなく、得意とするディスプレー技術を使い勝手の向上に存分に活かしている点はやはりシャープらしさを感じさせる。
ただ、性能向上に加え円安の影響が直撃したためか、携帯各社の販売価格を見ると、価格は6万円前半と、AQUOS sense7よりさらに価格が上がってしまった。それでもSnapdragon 695 5Gを搭載した競合のミドルクラスと比べれば性能的に見て魅力もお得感も高いのだが、定番中の定番というべきAQUOS senseシリーズの価格がここまで上がってしまうと「購入しやすいミドルクラス」という定義も変わってきてしまうだけに悩ましい。
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