新発表のOPPOの新折りたたみ機「Find N3」はさらにカメラを強化
ASCII.jp / 2023年10月23日 12時0分
OPPOは10月19日にシンガポールで新製品発表会を開催し、折りたたみスマートフォン2モデルを発表した。フラッグシップモデルとなる「OPPO Find N3」は高速CPUに高画質カメラを搭載、さらにディスプレーサイズを大型化した意欲的なモデルだ。
◆フラッグシップモデルにふさわしい高性能カメラを搭載
OPPO Find N3は、本体を横方向に折りたたむ形状のスマートフォンだ。OPPOはこれまでに「Find N」「Find N2」と2つの横折りモデルを出してきたが、いずれもディスプレー形状は開いたときに横方向に長いデザインで、グーグルの「Pixel Fold」を一回り小さくしたような形状だった。
しかし、OPPO Find N3では他社の折りたたみモデル同様に、開いたときの形状はより正方形に近いデザインとなった。この設計変更は過去2機種のユーザー調査をしたときに、「より大きな画面でコンテンツを見たい」「2つ以上のアプリを同時に使うマルチタスクへの対応」などの声が多かったからとのこと。
OPPO Find N3はチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Gen 2を採用。メモリーは16GB(LPDDR5x)、ストレージは512GB(UFS 4.0)となる。開いたときのディスプレーサイズは7.82型で解像度は2440×2268ドット。Dolby Vision対応でリフレッシュレートは120Hz、輝度は2800ニトと明るいパネルを採用している。バッテリーは4805mAhで、67Wの急速充電に対応する。
背面側のカバーガラスは6.31型とこちらも大きくなった。カメラは4800万画素の広角と超広角に加え、6400万画素の3倍望遠を搭載している。折りたたみボディーに高倍率望遠カメラを搭載するために、ペリスコープ方式でもモジュール全体を薄くしたタイプのものを採用しているという。
開いたときの本体サイズは縦153.4×横143.1mm、厚さは最薄部で5.8mm。重量は239gとなる。写真ではややわかりにくいかもしれないが、第3世代のFlexion Hingeを採用し、ディスプレーの折り曲がるヒンジ部分に筋のようなラインはほぼ目立たない。また、ヒンジの耐久性は開閉回数100万回と、他社の20万回と比較して強度を増している。
本体を閉じたときの大きさは約153.4×73.3×11.7mm。片手で十分持てる大きさだ。ディスプレーは前述した通り6.31型で解像度は2484×1116ドットでアスペクト比は20:9。閉じた状態では一般的なスマートフォンと同じように使える。120Hz駆動と2800ニトのスペックは、メインディスプレーと同等である。
なお、ディスプレーをカバーするガラスは、従来比で500倍強度が高い「Nanocrystal Glass」を採用している。
本体カラーはシャンパンゴールドとコスミックブラックの2色。コスミックブラックモデルは背面をクラシカルな雰囲気のビーガンレザーとしており、アナログカメラ風の仕上がりになっている。シャンパンゴールドは輝きが美しい、上品なデザインだ。
カメラ部分のでっぱりはそれほどでもなく、3つのレンズとハッセルブラッドの「H」のロゴがカメラ強化モデルであることを強く意識させる。各社の折りたたみスマートフォンはカメラスペックを落した製品も多いが、Find N3のカメラは同社のカメラ強化モデル「Find X6」シリーズと並ぶ高性能なカメラを搭載している。
◆マルチタスクも楽にできる新UIを搭載
ディスプレーはヒンジの途中で止めたまま使えるFlexモードに対応する。カメラが高性能なことからか、開く側の角度は100度くらいが限界で、それ以上開くと後ろ側に倒れてしまうため角度を開いて使いたいときは手で持って使うといいだろう。カメラアプリなどはFlexモードでアプリ画面が2分割され、使いやすくなる。
さてFind N3にはAndroid OSをベースにした、OPPO独自開発の「ColorOS for Find N3」が搭載されている。このOSは折りたたみディスプレーをより活用するためのUIで、前モデルユーザーからの要望だったマルチタスクの使いやすさを高めており、画面の分割表示もモードが増えた。「左右」2つまたは「左右+下」の3つのウィンドウを表示できるようになっている。
分割表示は他社のモデルでも対応しているが、ColorOS for Find N3は分割表示中の各アプリウィンドウを大きく表示することができる。表示を大きくしたいアプリの画面を右端または左端のギリギリよりやや手前までドラッグして指先を離すと、1つのアプリを大きく表示し、隠れたアプリは裏側に回り込むように端側に一部が表示されるのだ。
3つの画面を表示しているときは上下へのドラッグ操作を加えることで、3つのアプリのうち1つだけを大きく表示できる。
大きくしたいアプリウィンドウをドラッグして大きくするという操作は直感的でわかりやすいと感じた。たとえばブラウザーでお店を検索して地図アプリを分割表示させ、そのまま外出して地図アプリだけを大きく表示し、店に近づいたらブラウザー画面を大きくしてお店のメニューを表示する、といった操作が簡単にできるのだ。
また、指4本で画面中央をピンチ操作すると、2つまたは3つのウィンドウが縮小されて全表示される。どのウィンドウでどんな表示がされているかを一瞬で確認できるわけだ。この縮小表示は仮想的に15型サイズの大きさの表示が可能であり、マルチタスクをさらに使いやすくしてくれる。
◆折りたたみスマートフォンの新時代を感じさせる製品
OPPO Find N3はチップセット性能やディスプレーサイズを強化しただけではなく、カメラの性能も自社のフラッグシップモデルに並ぶレベルに引き上げている。ちなみにFind N3のカメラは現在販売されている折りたたみスマートフォンの中で最も高性能だ。
大きな画面を活用できるマルチタスク・マルチウィンドウ操作はビジネスやクリエイティブな用途で強みを発揮するだろう。
折りたたみスマートフォンの業界標準ともいえるサムスンの製品と比べても本体は軽量で薄く、持ちやすい。ここまで完成度が高い折りたたみスマートフォンがこれからグローバル市場に出てくるとなると、サムスンの地位を脅かす存在に十分なりうるだろう。日本での発売も期待したい。
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