Radeon RX 7800 XT搭載ゲーミングPCを検証 GeForce RTX 4070より安く性能は比肩!
ASCII.jp / 2023年10月31日 10時0分
前回はサイコムのゲーミングPC「G-Master Spear X670A
」の外観や内観について紹介したが、今回は性能面をチェックしていこう。その前に、試用機のCPUとGPUについてざっと説明しておこう。
Ryzen 7 7800X3D&Radeon RX 7800 XT構成で検証
CPUはAMDの「Ryzen 7 7800X3D」。3D V-Cacheによる大容量L3キャッシュでゲーミング性能は最強クラスだ。ライバルのインテル製CPUはもちろん、同じRyzen 7000シリーズの中でも高価な上位モデルを超えるほどの性能を叩き出す。
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ビデオカードはGPUにRDNA 3アーキテクチャーを採用する「Radeon RX 7800 XT」を採用している。このGPUはWQHDゲーミング向けだが、ビデオメモリーが16GBと多く、メモリーバス幅は256bitと広い。そのため、タイトルによっては4Kでも快適に遊べるポテンシャルがある。
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では、次ページから定番ベンチマークソフトでその実力をチェックしていこう。
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CINEBENCH R23は第13世代Core i5とCore i7の中間ぐらい
G-Master Spear X670AのCPU、Ryzen 7 7800X3Dは8コア/16スレッド、最大ブーストクロック5GHz。競合のインテルCPUと比べるとやや物足りない印象を受ける。ゲームでは比類なき強さを見せるものの、それ以外の用途では「並」のCPUと言えるかもしれない。
そこで、まずはゲーム以外の用途の代表と言うことで、定番の「CINEBENCH R23」からチェックしてみよう。これはCGレンダリング時間からCPU性能を測ってくれるソフトで、結果は「pts」という独自単位のスコアーが出る。このスコアーが高ければ高いほど、CGレンダリングにおいて性能が高いCPUとなる。
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全コアを使用するMulti Coreテストの結果が18171pts。1コアしか使わないSingle Coreテストでは1810ptsとなった。手元のデータから、これに近いスコアーのインテルCPUを探してみると、第13世代CoreではCore i5とCore i7の中間くらいといったところ。
つまり、CGレンダリングにおけるRyzen 7 7800X3Dの性能は、悪くはないものの飛びぬけて優れているというわけではないことがわかった。ついでに、CINEBENCHの最新バージョン「CINEBENCH 2024」のテスト結果も紹介しておこう。
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こちらはMulti Coreテストで1060pts、Single Coreテストは111ptsとなった。なお、CINEBENCH R23と同じ「pts」という単位が使われているものの、これは互いに比較できる数値ではない点に注意してほしい。
ちなみに、GPU(=Radeon RX 7800 XT)のテストは途中でソフトが落ちてしまい、スコアーが取得できなかった。原因は不明だが、もしかするとドライバーのバージョンなどでうまくかみ合わないことがあるのかもしれない。
一般的な用途でも十分頼りになる性能
続いては「PCMark 10」で検証してみよう。このベンチマークソフトはビデオ会議やブラウザー、表計算などのオフィスソフト、動画や写真編集まで幅広くソフトを動かし、PCの総合性能をスコアー化してくれる。特定用途に偏っていないため、CPUやビデオカードだけではなく、メモリーやストレージの性能も重要となる。
また、テストグループごとのサブスコアーも算出できる。ビデオ会議やブラウザーなどを想定した「Essentials」、主にオフィスソフトの動作を見る「Productivity」、動画や写真編集時の性能を測る「Digital Content Creation」の3グループに分かれている。
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総合スコアーは9870と高めで、幅広い用途でストレスなく使えるレベルと言える。試用機がゲーミングに特化した構成だが、一般的な用途でも十分頼りになる性能だ。
サブスコアーの中でも「App Start-up Score」という項目が特に高めだった。これはアプリの起動時間が高速であることを示し、ストレージ性能が優秀だということ。そこで、システムドライブに使われているSSDの性能を、ストレージのベンチマークソフト「CrystalDiskMark 8.0.4」で測ってみた。
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SSDはCrucial製の「P5 Plus」の1TBモデルで、シーケンシャルリードが約6848MB/s、同ライトが約4989MB/sと高速だった。PCIe 4.0×4接続のM.2 SSDらしい速度で、ゲームでもクリエイティブ系のアプリでも不満を感じることはないだろう。
また、ベンチマーク中のSSD温度を「CrystalDiskInfo 9.1.1」で観測したところ、70度近くまで上昇していた。しかし、この程度なら速度低下が起こるほどではないので、そこまで気にする必要はないだろう。
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GeForce RTX 4070に比肩するRadeon RX 7800 XT
続いて、G-Master Spear X670Aの3D描画性能をチェックしていこう。まずは定番ベンチマークソフト「3DMark」から。まずはDirectX 12 Ultimateに対応し、グローバルイルミネーションやレイトレーシングを扱うため、最も重いテストになる「Speed Way」の結果を見てみよう。
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結果は3916スコアーと、Ryzen 7 7800X3D&Radeon RX 7800 XTのコンビなら妥当な値だった。ちなみに、同じくCPUはRyzen 7 7800X3Dで、GeForce RTX 4070採用ビデオカードを搭載したPCのスコアーは4408と1歩上を行く。
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Radeon RX 7800 XTとGeForce RTX 4070は同価格帯のGPUだが、レイトレーシングにおける性能差が大きく影響しているように思える。では、Speed Way以外のテストではどうか?
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レイトレーシングを用いる「Speed Way」と「Port Royal」以外のテストは、先述のRyzen 7 7800X3D&GeForce RTX 4070を採用するPCよりも軒並み1割程度スコアーが高い。レイトレーシング設定を使わないのであれば、Radeon RX 7800 XTは魅力的な選択肢に思える。
軽量級のゲームなら4Kでも最高画質で遊べる?
もう少し実際のゲーム寄りのベンチマークとして、MMORPGベースの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下、FF14ベンチマーク)と、アクションRPGベースの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FF15ベンチマーク)を試してみよう。
Radeon RX 7800 XTはWQHDゲーミング向けではあるものの、ビデオメモリーが16GBと多いことから、タイトルによっては4Kゲーミングも視野に入る。そこで、どちらのテストも解像度はWQHDと4Kの2通り試してみよう。なお、画質設定はプリセットの最大、画面はフルスクリーンでテストした。
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FF14ベンチマークは軽量級のため、4Kでも余裕で遊べる。スコアーもWQHDで27865(評価:非常に快適)、4Kで12882(評価:とても快適)とかなり余裕があるように思える。
レポートを見てみると、WQHD設定時は最低フレームレートでも108fpsと高く、最高画質でも不安のないプレイが期待できる。4K設定時は57fpsと、快適指標の60fpsに1歩及ばずといったところだが、十分プレイできるレベルと言っていい。
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FF15ベンチマークは比較的重いテストだが、WQHDでは12661(評価:非常に快適)と優秀な結果だった。とはいえ、4Kでは7297(評価:快適)と遊べなくはないが、シーンによっては不安が残る成績。画質を1つ落とすか、WQHDプレイが無難かもしれない。
まとめ:Ryzen 7 7800X3D&Radeon RX 7800 XTはコスパ重視型ゲーミングPCの新鉄板コンビ
G-Master Spear X670Aは最新AMDプラットフォームを採用し、自由に構成をいじれる点が最大の魅力だ。PCパーツの選択肢が多いので、動画配信や編集もこなせる最強PCを目指せるし、今回の試用機材のようにコスパ重視のゲーミング特化構成もいける。
特に、Ryzen 7 7800X3Dは現時点で最もお買い得なゲーミング向けCPUという立ち位置だ。クリエイティブな用途では、競合に譲る部分があるものの、ことゲーム用途に絞るならこんなに効率的なモデルはない。
Radeon RX 7800 XTに関しても、GeForce RTX 4070と同等の性能が期待できる。それでいて本機のBTOメニューにおける価格は5000~1万円ほど安い。ゆえに、レイトレーシング性能にこだわらなければ、結構お得な選択肢に思える。
ゲームさえ快適にプレイできれば、ほかの用途における性能はそこまでこだわらない。そんな人には、Ryzen 7 7800X3D&Radeon RX 7800 XTの組み合わせを強くオススメしたい。
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