FeliCa入りで2万円台のエントリーSIMフリー機「Redmi 12 5G」は普段使いでどう?
ASCII.jp / 2023年11月5日 12時0分
スマートフォンの価格が上がり、ミドル~エントリークラスの新製品は性能があまり変わらないが、逆にスペックダウンしているケースもある。そんな中、2万円台という価格で、最新チップセットを搭載。さらにFeliCaにも対応したシャオミ「Redmi 12 5G」が登場した。早速購入して普段使いで試した。
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633500/x/a4d1c62afcc4ecd3.jpg)
4番台ではあるが最新のスナドラ 「Snapdragon 4 Gen 2」を搭載
最近のスマートフォンは、iPhoneにしてもPixelにしても販売価格が上がっている。そして、ミドル~エントリーになると、プロセッサは古いままのことも多く、新製品を買ったという気分になりにくかった。その点、Redmi 12 5Gは少し違う。
特徴としては、最新のSnapdragon 4 Gen 2を搭載していること。あくまで新しいプロセッサというだけで、決して性能が高いわけではないが、新しいプロセルルール(4nm)で製造されており、省電力性能でも期待できそうだ。いずれにせよ、新しいのは気持ちの面でもいいことだ。
そして、シャオミが販売するエントリー機は、これまでFeliCa非搭載の製品が多かったが今回は対応。防水以外は全部入りで、あとは普段使いできる性能かどうかとなりそうだ。
ストレージが128GBはともかく、RAMが4GBなのは実用でどうか?
最近ではエントリー機でも128GBのストレージを搭載することが多くなっているが、Redmi 12 5Gも同様で、メイン機としてアプリをたくさん入れても大丈夫そう。現在の筆者の使い方では64GBではギリギリになってしまうので、128GBは必須条件だからだ。
必要容量が大きくなっている理由としては、購入した店舗などでアプリをやたら入れられる点。「アプリをその場で入れると500円」といった値引きがよくあるので、どんどん増えていってしまうのだ。やたらアプリを入れさせる風潮もどうかと思うが、入れたほうがオトクに生活できるのも事実。当面は増え続けるアプリと容量の戦いになると思うが、スマートフォン側としてはストレージが多いにこしたことはない。
ストレージは及第点としても、少し気になるのがRAMの容量だ。本機は4GBと現時点で“普通”に使える最小限で、アプリ切り替え時のもたつきも気になる。プロセッサのパフォーマンスがそれほど高くないこともあり、RAMだけはもう少し大きくなっていてもよかったと思う。とはいえ、シャオミの前エントリー機「Redmi 12C」は3GBだったことに比べれば、少しマシになったと考えるべきだろうか。
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633501/x/7a35865c729c7f27.jpg)
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633502/x/2de552f6e286018c.jpg)
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633503/x/0a42389752ca5fde.jpg)
普段使いのメイン機でも 「困らない程度の実用性はある」という印象
普段使い用としてメイン機にするべく、本格的に自分の設定やアプリをインストールして使っているが、率直な感想としては「困らない程度の実用性はある」となる。ちなみに比較はミドルハイに属する「Pixel 7」だ。
なんとも微妙な表現で申し訳ないが、ゲームなどをバリバリ使う人にとっては物足りないが、ウェブサイトを見たり、キャッシュレス決済、そして動画再生という使い方では十分実用的ということだ。
実はPixel 7においても、なにをやってもサクサクで超快適というわけでもなかった。ある決済アプリは回線の認識が遅く、アプリ自体を再起動しないとうまく動かないという場面もあった。さらにPixel独自の操作性のせいか操作に時間がかかることもあった。その点、Redmi 12 5Gは全体的な速度感はもうひとつだが、不具合もなくスムーズに事が運ぶ印象がある。トータルで言えば筆者の使い方ではRedmi 12 5Gになったところで不便は感じていない。また、普段使いのための重要なカギとなるFeliCaも問題なく使えている。
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633504/x/2c57a5d89c2408e0.jpg)
また、NFCにもしっかりと対応している。マイナンバーカードの読み取りも可能だ。一時期ほど絶対必要という感じではないが、新型コロナウイルスのワクチン接種履歴を表示させたり、ふるさと納税などで確定申告する場合にも便利だろう。
スピーカーがステレオではないことと 本体が少し重いことは気になる
最近はスマートフォンを立てかけて、動画を再生するといった使い方が増えているが、Redmi 12 5Gはスピーカーがステレオではないのが残念。縦画面での本体下部にしかスピーカーがなく、横向きにすると、右側からしか音声が聞こえてこない。
以前のシャオミのエントリー機、Redmi Note 11ではステレオスピーカーを装備していたことに比べると、エンタメ性能ではマイナスとなる。ただし、最近の上位機では装備されないヘッドホン端子がある点は便利で、有線イヤホンがそのまま使えるほか、アナログ入力のオーディオ機器と組み合わせて音を再生するといった応用はしやすい。
ディスプレーは最近では少数派になった液晶(6.8型、90Hz対応)ではあるが、特に気になる点はない。視野角も広めで、正面から見なくても輝度が大きく落ちるということはない。解像度も1080×2460ドットと高く、緻密な映像を楽しめる。
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633505/x/d163eac67638e83a.jpg)
そして、もう1点気になるのは少し重いこと。スペックでは約200g。もう少し軽いほうが扱いやすい。ただし、カメラ周りに一段高いような段差がなく、ボディ単体の厚みである8.2mmがほぼそのまま適用されることを考えれば、ある意味コンパクトとも言える。最近のPixelシリーズのようにカメラ部分が大きく出っ張っている機種に比べれば、ポケットなどへの収まりは十分いい。
なお、筆者はカメラ性能に関しては、あまり求めていないが、メモ撮りやSNSに状況を知らせるような使い方では十分。カメラは3眼に見えて、メインカメラ以外は深度センサーとLEDフラッシュなので実質1眼で、超広角も望遠もないが、今のところ不便は感じていない。SNSへ料理をきれいにアップしたいなどとカメラ性能を求めるのなら、他のレビューなどで確認してみてほしい。
MIUI 14の操作性は独自の部分もあるが、 通常のAndroidに慣れていればすぐに使いこなせる
Android機のなかでも一部のメーカーは独自にカスタマイズしたものを採用しており、Redmi 12 5Gでは「MIUI 14」を搭載している。
MIUIの操作で他のAndroid機と違うところでは、ナビゲーションボタンがGalaxyシリーズのように戻るボタンが右にあること。そして、タスク切り替えのときにタスクを削除したい場合、横にスワイプすることだろう。
どちらも変更は可能で、戻るボタンを左にしたり、タスクキルの向きは変更可能だ。設定は「ホーム画面」から「システムナビゲーション」でミラーボタンをオフ、また「最近のタスクでアイテムを配置する」から横の並びを選択すれば、上へのスワイプでタスクキルが可能になる。
ほかに独自の部分としては、通知エリアが上部の左側からスワイプで呼び出し、クイックメニューが上部の右からと区別していることくらいだろう。
それ以外は大きな違いはなく一度アプリに入ってしまえば操作は変わらない。ボタン類も右側面に集まっており、電源ボタンが下側(ボリュームボタンが上側)にある標準的な仕様。通常のAndroidに慣れていれば、すぐに使いこなすことができる。
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633508/x/238456845eed0499.jpg)
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633509/x/32bc52bbbcd888b7.jpg)
ミニマムな投資で、十分使える機種
総合的に見れば、普段使いでは十分に使える機種ということになる。今後、懸念があるとすれば、暑くなる時期に防水性能がないことや、今後OSやアプリが機能アップしてプロセッサのより高いパフォーマンスが求められるようになったときだろう。
今、積極的に新機種を買う気にならないが、故障や紛失など必要に迫られて安い機種でも買わないといけない場合になったときなど、ミニマムの投資で十分使えるスマートフォン、それがRedmi 12 5Gと言えそうだ。
![Redmi 12 5G](https://ascii.jp/img/2023/11/04/3633507/x/cd45bd394b8f9eb6.jpg)
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