【レビュー】ゲームに動画も超快適! Apple M3搭載の14インチMacBook Pro
ASCII.jp / 2023年11月6日 23時0分
アップルが最先端の「Apple M3」を搭載するMacBook Proを11月7日に発売します。今回はシリーズの中でエントリークラスの「M3」チップを搭載する14インチのMacBook Proと、新色「スペースブラック」のM3 Maxチップを搭載する16インチMacBook Proのファーストインプレッションを合わせて報告します。
M3搭載14インチMacBook Proは新シリーズの入門機
アップルが自社で設計するMac向けの最先端チップ「M3」シリーズは、クラスの異なる3種類のチップが一斉に発表されました。エントリーのM3は、14インチのMacBook ProとオールインワンのデスクトップマシンであるiMacに採用されます。
M3のパフォーマンスをさらに強化したM3 Proと、最大128GBのユニファイドメモリーと組み合わせて「モンスターマシン化」できるM3 Maxが揃います。サイズは14インチと16インチの2種類。M3チップが選べるモデルは14インチのMacBook Proに限られます。
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今回筆者が試したM3搭載の14インチMacBook Proは、M2搭載の13インチMacBook Proに置き換わる「Proのエントリーモデル」です。上位チップを搭載するMacBook Proほどのパワーは要らないけれども、オフィスのデスクワークやオンラインミーティング、趣味として楽しむ動画や音楽のクリエーションなどを快適にこなしたい方にベストな選択肢です。
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M2搭載13インチのMacBook Proと実力の差は?
新旧MacBookの「Proのエントリーモデル」の違いを整理してみます。
M2搭載の13インチMacBook Proから見ると、新しいM3搭載の14インチMacBook Proは主に以下の点で機能と仕様が優れています。
最大の違いは高精細・高輝度なHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)映像をそのままの画質で観られるLiquid Retina XDRディスプレイの有無でしょう。映像エンターテインメントが格段に楽しくなり、動画や写真の編集も快適さが増します。
ProMotionテクノロジーによる120Hz駆動にも対応するので、ウェブブラウザのスクロールがチラつかなかったり、ディスプレイ環境を良くするためにもM3搭載の14インチMacBook Proを買う価値があると思います。
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外部機器の接続に使うThunderbolt/USB 4ポートが2基という仕様は新旧モデル間で変わりませんが(M3 Pro/Maxモデルはポートが3基)、M3搭載の14インチモデルはMagSafe 3による充電ができるので、2つのデジタルポートは他の用途に使えます。
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デジカメユーザーにとってはSDカードからの写真や動画データの取り込みが楽になるSDXCカードスロットの搭載、大画面によるプレゼンテーションの機会などにも役立つHDMIポートが揃っていることなど、14インチのMacBook Proはコネクティビティが高いマシンである感触は使うほどにわいてきます。
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フロントカメラはM2搭載機の720p画質から、M3搭載機では1080pに画質が向上します。M2搭載機のカメラも画像処理エンジンが優秀なので十分な高画質が得られるのですが、ビデオ会議などでさらに写りを良くするなら1080pへの階段を登るべきです。
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ビジネスシーンでも頼もしいロングバッテリー設計
内蔵バッテリーによる連続駆動時間については、インターネットブラウジングだけ楽しむのであればM2搭載の13インチモデルが約2時間勝りますが、反対に動画再生の場合は新しいM3搭載機が約2時間長く楽しめます。YouTubeやNetflixなどのサービスも採用する、圧縮効率に優れるAV1形式による動画ストリーミングのデコードにM3チップの新しいメディアエンジンが対応するからです。M3搭載機は別途、アップルの96W USB-C電源アダプター(標準構成では70W)を入手すると高速充電ができます。
「足回り」がかなり良くなるM3搭載の14インチMacBook Proは、M2搭載13インチのMacBook Proよりもわずかに本体が重くなりますが、その差は約150gとわずかです。バッグに入れてしまえばその差はほとんどわからないと思います。
あとは価格です。M2搭載の13インチMacBook Proは「10万円台後半から買えるMacBook Pro」として貴重なラインナップでした。M3搭載の14インチMacBook Pro(ユニファイドメモリー8GB)の価格は24万8800円からです。ただ、昨今はパソコンで扱うファイルのデータサイズが大きくなっています。モバイルPCのストレージ容量が256GBでは心許ない時代になりました。M2搭載機のストレージ容量は512GBに引き上げると、価格は20万6800円でした。
よりパワフルなM3チップになって、さらに高画質なLiquid Retina XDRディスプレイや豊富なスロットが揃うことを考えれば、約4.2万円の価格差はリーズナブルだと言えます。14インチのMacBook Proは誕生から2年が経ちましたが、インテル製プロセッサを搭載するMacBook Proから買い換えるとデザインの新鮮味も楽しめるでしょう。
Liquid Retina XDRディスプレイと高性能GPUでゲーミングが快適
ミニLEDバックライトを搭載するLiquid Retina XDRディスプレイは映像の明部ピークを力強く描き、暗部をしっかりと引き締めます。MacBookシリーズのディスプレイは色再現がとても自然で、階調表現もきめ細かくできるところが特長です。
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アップルが今年発売したM2搭載の15インチMacBook Airも魅力的な大画面モバイルパソコンですが、動画エンターテイメントを楽しんだり、iPhone 15シリーズで撮れるHDR動画をベストな環境で編集するならば、やはりMacBook ProシリーズのLiquid Retina XDRディスプレイがベターです。
Apple M3チップは、グラフィックス処理の中核を担うGPUのアーキテクチャをブラッシュアップしています。GPUによるタスクが必要とするメモリーを正確に割り出して、適切な量を配分する「Dynamic Caching」のテクノロジーを載せたことにより、GPUに高い負荷がかかるゲームも滑らかにプレイできます。
さらにmacOS Sonomaでは、ゲームアプリを立ち上げると自動的に「ゲームモード」がオンになります。光の効果を映像のリアルな陰影表現に活かして、迫力あふれるバトルシーンを楽しませてくれるNEOWIZのアクションRPGゲーム「Lies of P」の非常に緻密なグラフィックスもM3チップが軽々と処理をこなします。
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ゲームモードにより、ワイヤレスゲームコントローラーの入力レイテンシが低減されます。ソニーのDualSenseコントローラーによる操作感はとても快適でした。
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オープンにサウンドが鳴らせる環境であれば、ぜひ6スピーカーサウンドシステムを活用すべきですが、夜間など静かにゲームを楽しみたい時間帯にはMacBook Proのケーブルで充電できる、USB-C対応になったAirPods Proが活躍します。MacBook ProにAirPodsを組み合わせると、ゲームモードがオンの時にワイヤレスオーディオの遅延が低減されます。
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漆黒のプレミアムモデル、M3 Max搭載16インチMacBook Pro
今回はM3 Maxチップを搭載する16インチMacBook Proも借りて試すことができました。
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本機は新しいMacBook Proシリーズのトップエンド。Liquid Retina XDRディスプレイは圧倒的な没入感です。モンスターマシンの実力を知るためにもう少し使ってみてからレポートしたいと思いますが、Maxon Cinebenchで計測したベンチマークのデータを報告しておきます。GPU、CPUのマルチコア・シングルコアともにM3 Maxが「ぶっちぎり」のスコアを記録しました。
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M3 Pro、M3 MaxのMacBook Proは新色の「スペースブラック」が選べます。表面に酸化皮膜シールを形成する化学処理を施したことで、ダークカラーの筐体なのに指紋が付着しにくいカラバリとしたことが大きな特徴です。実機にべったりと触ってみましたが、確かに指紋が付きにくく、簡単に拭き取れます。
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チップをM3にすると、残念ながらスペースブラックは選べません。でも反対にM3 Pro、M3 Maxのモデルはより指紋が目立ちにくい「スペースグレイ」が選べないので“おあいこ”かもしれません。なにはともあれ、今年のM3搭載MacBook Proにはひときわ選び甲斐のあるラインナップが勢揃いしました。
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筆者紹介――山本 敦 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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