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一家に一台欲しいカラフルな「iMac M3」リビングにも似合うオールインワン【レビュー】

ASCII.jp / 2023年11月6日 23時0分

新しいiMacをリビングに1台。プライベートパソコンとして使うも良し、家族で共用するも良い。価格は19万8800円から

 キュートでカラフルな新しいiMac(24インチ、M3)をリビングに置くと、家の中が華やぐような気がした。家族の中心にあって、みんなで使えば共有している写真を見たり、旅行のプランを立てたりするのにも便利に違いない。ひとり暮らしの部屋のフィットしそうだ。なんでもできるパートナーになってくれそう。

 新しく登場したiMacは、24インチのディスプレイと、M3チップを搭載する。2021年5月に登場したM1搭載モデルの後継で、チップセット以外の変更点はほとんど見いだせない。ウェブで仕様を比較していると細かなメカニカル上の差違が気になるが、薄くてカラフルなiMacをリビングに置いてみると、大切なのはそういう部分ではないな……と思わせられる。

 価格は19万8800円から。本機は、10月31日(日本時間)に開催したApple Eventで発表され、現在予約受付中だ。発売は11月7日となっているが、先行して試用する機会を得た。

リビングに1台あるととても魅力的

 M3チップを搭載することでパワフルになったカラフルなiMacは、大きく2ラインに分けられる。その違いはGPUのコア数で、GPUが8コアで背面に2つのThunderboltポートのみ持つタイプと、10コアのGPUと、それに加えて2つのUSB-Cポート、つまり4つのポートを持つタイプがある。日々ビデオ編集をするとかでなければ、8コアでも十分に速い。

 シンプルな使い方をするなら、2つのポートを持つタイプで十分だろう。外部ディスプレイや、SSDなど高速接続を必要とするデバイスを常設で接続しておくなら、その他のちょっとした用事のために追加の2つのUSB-Cポートがあった方が便利。

試用機は、上位モデルである4ポートのタイプ。2ポートがThunderbolt 3/USB4ポートで、2ポートがUSB-Cとなっている

 下位モデルはブルー、グリーン、ピンク、シルバーの4色の中から選ばねばならないが、上位モデルはさらにイエロー、オレンジ、パープルという色を選択肢に加えることができる。

 GPUとポート数以外の条件を揃えて見て見ると、これら2項目による価格差は2万6000円だった。4ポートモデルのもっとも安い仕様は23万4800円。最廉価モデルである19万8800円の仕様は、2ポートであるほかに、電源アダプターのギガビットEthernet(4000円分)と、キーボードのTouch ID(6000円分)が省略されている。

オプションのギガビットEthernet。なんだかんだいっても有線接続が一番速い。本体ではなく、アダプター部分にコネクターがあるのもクレバーだと思う

 初めて買うMacであるとか、家族で使う共用リビングMacであるとかであれば、メモリー8GBを搭載した一番安い19万8800円の仕様を基準に、必要なだけのストレージを追加すれば十分だと思う。外付けのストレージを繋ぐことが多いとか、追加でディスプレイを繋ぐとか、日々ビデオ編集をするとかであれば、上位モデルにメモリーを追加していくという構成。最大メモリー容量は従来モデルの16GBから24GBにアップデートされたが、重いアプリを複数立ち上げるような使い方だと、それでも足りないだろう。

試用機としてやってきたのはグリーンのモデル。30万7600円の仕様

家族で使うなら「Touch IDの指紋認証」を使った ユーザー切り替えが便利

 ちなみに、レポート用に貸し出されたiMacは、8コアCPU、10コアGPUの4ポートモデル。メモリ16GB、ストレージ512GB、ギガビットEthernet付きと、我々のようにちょっと使い慣れたユーザーに「手ごろ!」と思わせてくれる素敵な仕様。私も自分で買うなら、これを選ぶと思う。メモリは24GBまで増やせるようになったが、2万8000円の追加フィーが必要だと思うと、16GBがコスパが高いと思う。

 使用機にはさらに、Touch ID付きのMagic Keyboardと、Magic Mouse、Magic TrackPadの全部盛りで、アップルのサイトで調べると30万7600円ということだ。最安仕様が20万円を切って、ほどほどに満足できる仕様にすると30万円……という感じで理解しておくといいかもしれない。

 マウスやキーボードはたいていの人が持っているかと思うと「なし」を選べてもいいんじゃないかと思うが、「Magic Keyboard」「Touch ID搭載Magic Keyboard」「Touch ID搭載Magic Keyboard(テンキー付き)」のいずれかのキーボードと、マウスとトラックパッドのどちらかは選ばなければならない。アップルは、このボディと共色で揃えたデザインのMagic KeyboardやMagic Mouse、Magic TrackPadを一緒に使って欲しいのかもしれない。

周辺機器から、ケーブルまですべて共色。マウスやキーボードは別売りでは買えない

 この共色の周辺機器は、別売りはされておらず本体を買う時にしか選べないので、よく考えてチョイスしておきたい。特に、Touch ID付きのキーボードは、リビングに置いて家族で使い分ける時に、指紋認証でユーザーを切り替えたりできるので、実はとっても便利だったりする。

Geekbench 6で、処理能力を調べてみた。およそ、アップルの発表通りの性能

M3チップは日常ユースのほぼすべてをカバーする

 ディスプレイは、500ニトのP3色域、True Tone対応とだいたいMacBook Airと同じような品質。プロ仕様のモデルに用意されるものほどではないが、4480×2520ピクセルの4.5K解像度と使いやすいサイズ。資料とドキュメントを同時に広げても狭い感じはしない。

 それで足りなければ、1台までの最大6K解像度のディスプレイをThunderbolt接続(変換コネクターを使ってHDMIなどに対応可能)で接続することもできる。

 最新のM3チップのパフォーマンスは、日常使用どころかプロの日常業務まで十分に対応できる。M1でも十分以上だったが、そこからさらにCPUで35%、GPUで65%、機械学習で60%の性能向上をみている。また、M1世代と違って、スタンダードラインのM3にもMedia Engineなど専用チップが搭載されいてるので、ProResなどの画像処理性能はベンチマークの数値より以上に向上しているはずだ。

 ちなみに、Geekbench 6でテストしてみたところ、CPUのシングルコアが2989、マルチコアが1万1510だった。これはそれぞれM2の115%と116%にあたる。M1と較べると128%と139%。

 GPUはOpen CLは3万0416、Metalが4万7079。M2と較べると112%、104%、M1と較べると162%、155%になる。こういうテストに誤差は付き物なので細部は無視するにしても、おおむねアップルの言うとおり、大幅な性能向上を見ている。

 つま、iMac 24インチ(M3)は、前世代の(M1)に較べて35~65%の性能向上を見ており、特に映像を扱う能力は大きく向上してるとみていい。ビデオ編集などをするなら、前モデルだって十分に快適だったのだが、さらに性能が向上しているはずだ。

ビデオ会議、音楽、映像観賞にも相応しい画質・音質

 さらに忘れてはならないのが、映像品質とオーディオ品質。内蔵カメラは1080pでiPhoneのカメラと同様に画像信号プロセッサーがすべてを処理するので、あまり良くない状況でも、顔を明るく鮮やかな色彩をもって描いてくれる。3マイクアレイが協調して、周囲の雑音を抑えてクリアな声を獲得、さらにフォースキャンセリングウーファーを含む6つのスピーカーが空間オーディオ対応の音を響かせるので、わずか11.5mmの本体から鳴っているとは思えないほどのサウンドを体験することができる。

リビングに置いて、家族写真を見たりするのにもいい。Apple TVを見たり、音楽を聞いたり、ちょっとした調べ物をしたりにも便利そう

 ビデオ会議をしても、あなたの映像は顔色良く明るい部屋にいるように映るし、声もはっきり相手に届く。映画のサウンドも、音楽も、立体感ある迫力ある音を満喫できる。iMacが日常的な生活のグレードをググッと上げてくれるのだ。

Touch IDを登録すれば、家族それぞれが指を置くだけで自分のアカウントにログインできる……というような使い方も可能

iMac 27インチを使い続けている人にもぜひ

 なかなか数値や、ウェブの写真や文章だけでは魅力の伝わりにくいマシンだが、Apple Storeなどの店舗で実物を見ると、そのチャーミングさがわかるはずだ。

 M3チップの搭載により、はっきりと「すべての日常作業に不満のないパフォーマンス」と言い切れるようになったので、従来以上に幅広い人にお勧めできるマシンになった。

 インテル版のiMac 27インチを今でも使っている人は案外多い。5120×2880ピクセル→4480×2520ピクセルへの解像度の低下は許容できない人は多いだろうけれども、、あらゆる処理があっという間に終わるM3チップのパフォーマンスと、薄くてコンパクトな本機の魅力はぜひ体験してみて欲しいと思う。

 薄さ、コンパクトさ、静音性、カラフルなボディの魅力など、現行iMacならではの魅力はたくさんあると思う。

 

筆者紹介――村上タクタ  趣味の雑誌を30年間に600冊ほど作ってきた編集者・ライター。バイク雑誌「ライダースクラブ」で仕事を始め、ラジコン飛行機雑誌「RCエアワールド」、海水魚とサンゴ飼育の雑誌「コーラルフィッシュ」、デジタルガジェットの本「flick!」の編集長を約10年務めた後退職。現在フリーランスの編集者・ライターであり、ウェブメディアThunderVoltの編集長。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー、mmhmmヒーロー。iPhone、iPadなどのデジタルガジェットや、バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。

 

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