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神ジューデン対応の新モデル「Xiaomi 13T Pro」はライカロゴはないけどカメラが進化

ASCII.jp / 2023年11月11日 12時0分

 ソフトバンクなどから販売されるシャオミの新しいハイエンドモデル「Xiaomi 13T」シリーズの上位モデル「Xiaomi 13T Pro」は、前機種「Xiaomi 12T Pro」同様120Wの急速充電に対応した「神ジューデン」に加え、国内ではライカカメラの監修は付かないものの、写真の質の面では大きな進化を遂げている。

 発売前の実機をお借りできたので、実際に触れて評価したいと思うが、開発中のバージョンとなることをあらかじめご了承いただきたい。

◆カラーによって異なるボディー素材

 まずは外観を確認すると、Xiaomi 13T Proは約6.7型の有機ELディスプレーを搭載しており、サイズと重量は今回お借りしたメドウグリーンとブラックの場合、約76×162×8.5mm、206g。アルパインブルーの場合は約76×162×8.6mm、200gとなる。最近の大画面ハイエンドモデルとしてはスタンダードなサイズといえるが、ある程度の重さと大きさがあるのでコンパクトモデルを求めている人には向かないだろう。

「Xiaomi 13T Pro」の前面。約6.7型のディスプレーを搭載しており、フロントカメラはパンチホール型だ

 また本体カラーによってサイズや重量に違いがあるのは、背面の素材に違いがあるためで、アルパインブルーはフェイクレザー加工が施された樹脂素材を採用しているのに対し、他の2色は光沢のあるガラス素材を採用していることから重量があるものと考えられる。カラーによって素材が異なる点は下位モデルの「Xiaomi 13T」と共通しているので、両機種を購入する際は店頭で実際に触れて素材感を確かめてみるのがいいだろう。

背面から見たところ。写真のメドウグリーンは光沢のあるガラス素材が用いられている

 またその背面に関して、Xiaomi 12T Proでは出っ張りが気になったカメラ部分だが、Xiaomi 13T Proではよりサイズが大きくなり、段差が目立つ印象だ。側面部分を垂直ではなく斜めにして引っ掛かりにくくするなどの工夫はなされているのだが、背面を背にした時の傾きはやはり気になる。

カメラ部分はよりサイズが大きくなり、段差はなだらかになっているが背面を背にしておくとやはり傾きが目立つ

 側面のインターフェースを確認すると、右側面に電源キーと音量キー、本体下部にUSB Type-C端子とSIMスロットが備わっている。イヤホン端子などはなく、ハイエンドモデルとしてはスタンダードな構成といえるだろう。

右側面には音量キーと電源キーを配置。指紋センサーはディスプレー内蔵型で電源キーには備わっていない
底面にはUSB Type-C端子とSIMスロットがある

カメラはスペックより画質に重点を置く

 続いてカメラ性能を確認すると、背面のカメラは5000万画素/F値1.9の広角カメラと望遠カメラ、そして1200万画素/F値2.2の超広角カメラの3眼構成。前面のフロントカメラは2000万画素/F値2.2となっている。

カメラは3眼構成だが、望遠カメラの性能が大幅に向上するなど構成や性能は以前と大きく変わっている

 従来の「T」シリーズは広角カメラに1億画素超のサムスン電子製イメージセンサーを採用し、それ以外のカメラはコスト的にも性能を大きく落とすなど、広角(標準)カメラにかなり大きな比重を置いたスペックのアピールに重点が置かれていた。

 だがXiaomi 13T Proでは広角カメラのイメージセンサーにサイズが1/1.28型のソニー製の「IMX707」を採用、望遠カメラにも約5000万画素のイメージセンサーを採用するなど、内容が大幅に変わっている。

 その理由は、日本以外に向けたモデルでライカカメラと協業してカメラを開発したことが影響しているものと考えられる。諸事情から日本向けモデルはライカカメラ監修ではなくなっており、ライカカメラのロゴやライカカメラ関連機能も使えなくなっているので画作りには一定の違いがあるのだろうが、ハード的には他の国に向けたモデルと変わっていないだけに、近しい部分はあるものと推測される。

広角カメラで撮影した写真
同じ場所から望遠カメラで撮影した写真
同じ場所から超広角カメラで撮影した写真

 実際、明るい場所での細かな表現や発色などははっきりしているし、広角カメラには光学式手ブレ補正が備わっており、暗所で夜景モードを切った状態で撮影しても、ブレを抑えて十分な明るさで撮影できた。

暗い場所で撮影した写真
同じ場所で夜景モードを使って撮影したところ。こちらの方がくっきりした画になるが、夜景モードがなくてもかなり綺麗に撮影できることが分かる

 また、一般的に画素数が低い傾向にある望遠カメラの性能も高いので、離れた場所から被写体を細部まで綺麗に写し出せるというのはほかの機種にはあまりないメリットだ。望遠カメラには光学式手ブレ補正が備わっていないなどの違いはあるものの、離れた場所を綺麗に撮りたいニーズは意外と多いだけに、ぜひ有効活用したい。

広角カメラで撮影した写真
同じ場所から望遠カメラで撮影した写真。望遠カメラの性能が高いので、少し離れた場所でも望遠カメラを使って精細な表現の写真を撮ることができる

◆グラフィック強化でゲームは快適、急速充電も健在

 性能面を確認すると、Xiaomi 13T ProはチップセットにMediaTek製の「Dimensity 9200+」を採用しており、メモリーは12GB、ストレージは256GB。ハイエンドに相応しい性能であることは間違いない。

 あくまで開発中のバージョンであることはご了承いただきたいが、その実力をベンチマークで確認してみると、CPU性能はクアルコムのハイエンド向けとなる最新の「Snapdragon 8 Gen2」より低く、1世代前の「Snapdragon 8+ Gen1」と同等か、それより低めといったところ。だがグラフィック関連はSnapdragon 8 Gen2に引けを取らない値で、リアルタイムレイトレーシングにも対応することから、ゲーミングにはかなり力が入れられていることが分かる。

「Geekbench 6」のCPUベンチマークの結果
「3DMark」(Wild Life Extreme)のベンチマーク結果
リアルタイムレイトレーシングに対応した「3DMark」(Solar Bay)のベンチマーク結果

 実際AAAクラスのゲームをいくつかプレイしてみたが、いずれも画質を最高に設定してもプレイは快適だ。大型のベイパーチャンバーを搭載するなど発熱対策にも力が入れられており、筆者が測定した限りではゲームプレイ時の発熱は40度をやや超えるくらい、という状況であったことから「熱くて持ちにくい」ということにはならないだろう。

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティーが「ウルトラHDR」、フレーム設定が「ウルトラ」まで上げることが可能
「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「中」。もちろん「最高」かつフレームレートやモーションブラーを最上位に設定しても快適にプレイできる

 そしてXiaomi 13T Proのアピールポイントの1つとなっている急速充電だが、こちらはXiaomi 12T Pro同様120Wに対応。性能をフルに発揮するには専用の充電器が必要で、付属のものを利用する形となるが、従来同様サイズはかなり大きいので使用する場所には依然注意が必要だ。

 なお、公称では5000mAhのバッテリーを、19分で1%から100%まで充電可能とされている。そこで実際に本体のバッテリーが1%の状態から専用の充電器を用い、充電速度のブースト設定をして画面を消すなど、可能な限り公称値の測定時と条件を合わせて充電してみた。

120W急速充電に対応しており専用の充電器が付属するが、充電器のサイズは変わらず大きい

 その結果19分では70%くらいまでの充電となり、100%に達するにはおよそ30分かかる結果となった。こちらもあくまで開発中のバージョンでの測定だということをご了承頂きたいのだが、それでも30分で100%の充電ができるのはほかのスマートフォンと比べて明らかに高速で、大きなメリットであることに変わりはないだろう。

120Wの急速充電時の画面。充電速度が非常に速いことは間違いない

 それ以外の性能を確認すると、国内の携帯電話向けに提供することもあって、IP68の防水・防塵性能とFeliCaには対応するなど日本向けのカスタマイズはしっかり施されいているので安心感は高い。

 また通信性能についてだが、SIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM構成で、5Gの対応周波数帯は45GHz帯(n79)には非対応であるほか、ミリ波の28GHz帯(n257)にも対応していない。

eSIM対応なのでSIMスロットはnanoSIM×1。microSDスロットは用意されていない

【まとめ】画質重視のカメラは好印象、価格にも期待

 まとめると、Xiaomi 13T Proはハイエンドかつ高速な急速充電に対応するという従来の「T」シリーズの特徴は維持しながらも、カメラの構成を大幅に変えスペックより画質を追及する方向に切り替えたことは非常にポジティブに評価できると感じた。ライカカメラ監修ではないとはいえ、カメラを重視するユーザーへの満足度はかなり高まったのではないだろうか。

 そうなると気になるのは価格だが、執筆時点ではまだ公表されていない。ただXiaomi 13T Proはシャオミ側も日本市場に向け非常に力を入れているモデルだけに、機能・性能だけにとどまらないサプライズにも期待したい。

 

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