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【レビュー】M3搭載iMacはゲームにシアター、空間オーディオが快適に楽しめる!

ASCII.jp / 2023年11月7日 12時0分

Apple M3チップを搭載する24インチのiMac

 アップルが最先端のシステムオンチップ「Apple M3」を発表しました。エントリークラスのチップ「M3」を載せたiMacが11月7日に発売を迎えました。どんな人におすすめなiMacなのか、実機を試しながら紹介します。

24インチのスリムな大画面を受け継いだiMac

 iMacは2021年にApple M1チップを搭載した時に大きくデザインを変更しました。当時の製品レポートはこちらの記事「【レビュー】新iMac、変わったのはデザインだけじゃない!画質・音質の魅力も増した」をご覧ください。

 M3搭載のiMacも、2021年のモデルで確立したエレガントなデザインと7色のカラーバリエーションを踏襲しています。24インチの4.5K高解像度Retinaディスプレイ、空間オーディオ再生に対応する6スピーカーシステム、1080pフロントカメラも引き継ぎました。

今回テストした「パープル」のiMac。上品な深い紫色です

 今回筆者が借りて試したiMacは、M3チップの仕様が8コアCPU/10コアGPUのモデルをベースに、24GBユニファイドメモリと2TBのストレージにエンハンスしたカスタムオーダーのマシンです。カラーバリエーションはパープル。M3搭載のiMacでは最大メモリ容量が16GBから24GBに拡大しています。

ワイヤレスマウスやキーボードの色も本体に統一されています
10コアGPUのモデルはThunderbolt/USB 4ポートと、USB 3ポートを2基ずつ搭載しています

 M3搭載のiMacは、8コアCPU/8コアGPU仕様のベースラインモデルが19万8000円から購入できます。USB 3ポートとギガビットEthernetが省かれ、添付されるアクセサリーがTouch IDのないMagic Keyboardになり、カラバリの選択肢がブルー/グリーン/ピンク/シルバーの4色に限られます。

10コアGPUのモデルは電源ユニットにEthernetポートを搭載
空間オーディオに対応する6スピーカーシステムを搭載。単体で迫力あるサウンドが楽しめます
1080p画質のフロントカメラ
高精細なグラフィックスが楽しめるゲーム「Lies of P」をiMacで試遊しました

高性能GPUとmacOSのゲームモードが存分に活きる

 M3搭載のiMacが、2021年発売のM1搭載iMacから変更された主なポイントは2つあります。ひとつはM3チップを構成するGPUの性能が飛躍しています。その効果により、一段とリアルなゲーミングコンテンツの映像が再現できるようになります。

 App Storeで配信されているNeoZiwのゲームタイトル「Lies of P」を、新しいM3搭載のiMacでプレイしてみました。レイトレーシングの技術により、リアルな光線や影を反映したコンピューターグラフィクスの映像がとても生々しく感じられます。動きも滑らかです。4.5K高解像度のディスプレイだからこそ、ゲームクリエイターがこだわりながら作り込んだ映像の細部が映えます。iMacで見る映像のように暗部、明部に隠れがちな情報が浮き彫りになるとゲームの勝敗にも関わってきます。

 macOS Sonomaには、Macでゲーミングコンテンツを立ち上げると自動でオンになる「ゲームモード」があります。ソニーのDualSenseワイヤレスゲームコントローラーの入力操作が意図したタイミングで鋭く反映され、BluetoothでペアリングしたAirPods Proには遅れることなくゲームの効果音が聞こえてきます。映像とサウンドが一体になるような、没入感あふれるゲーミング体験をかなえるゲームコンソールとしてもM3搭載のiMacは魅力です。

エンターテインメントマシンとしても優秀

 M3チップのGPUは、M1と同等のパフォーマンスを「約半分の消費電力」で実現します。そしてピーク時には、「最大65%増し」のパフォーマンスを発揮します。

ベンチマークソフトのMaxon Cinebenchで計測。GPUとCPU(シングルコア)、CPU(マルチコア)のスコアは軒並みハイレベル

 チップに統合されているメディアエンジンは、iPhone Proシリーズで撮影したProRes高画質動画の編集もスムーズにこなせるパフォーマンスを備えています。また、どちらかと言えばMacBook ProシリーズのようなモバイルPCに対して消費電力の節約に効いてくることですが、YouTubeやNetflixなどの動画配信プラットフォームに採用が広がる高効率な動画圧縮フォーマット「AV1」のハードウェアデコードにメディアエンジンが対応しました。

iMacは、Apple Musicで配信されているドルビーアトモスによる空間オーディオのコンテンツを単体でも高音質に楽しめるオールインワンマシンです

 サウンドは、フォースキャンセリングウーファーを備える6スピーカーシステムが優秀です。同日に発売を迎えるM3搭載のMacBook Proも内蔵スピーカーでリッチなサウンドを楽しめるのですが、iMacの方が低音の重心がさらに低く安定しています。中低音域は明瞭度が高く、奥行き方向への見晴らしに富む立体的な音場が描かれます。Apple Musicで配信されているドルビーアトモスによる空間オーディオのコンテンツを再生してみると、360度周囲を包み込むようなサウンドの高い鮮度が感じられました。

Wi-Fi 6E対応などコネクティビティも進化した

 M1搭載iMacから変更されたもうひとつのポイントは、ワイヤレスのコネクティビティです。Wi-Fiは6GHz帯の利用が可能な高速規格の「Wi-Fi 6E」に対応しました。同じW-Fi 6Eによるワイヤレス通信が可能なルーター機器を導入すれば、高速で低遅延、途切れにくい通信環境のもとでiMacを活用できます。

 もうひとつ新たに対応するBluetooth 5.3については、主にBluetoothオーディオの新技術である「LE Audio」に関連するアップデートが含まれます。M3搭載のiMacが発売される時点で、アップルから同社デバイスのBluetooth LE Audio対応についてアナウンスはありません。将来の対応に備えて準備は進んでいるのかもしれませんが、iMacの発売後すぐにユーザーが実感を伴うBluetooth 5.3対応によるメリットはなさそうです。

家族やオフィスの共用マシンとしても人気

 アップルによると、iMacは家族やオフィスに置いて、大勢のユーザーがシェアしながら活用するMacとしても根強い人気を誇っているそうです。

パネル部分の厚みは11.5ミリ。本体の質量は4.4kgなので抱えて持ち運ぶこともできます

 iMacはディスプレイ一体型のオールインワンマシンですが、質量が4.4kg前後と意外に軽いので、大人であればおそらくはひとりで抱えて持ち上げられるサイズ感です。電源ケーブルはiMacの背面にマグネットで吸着するコネクターを採用しているので着脱が簡単。基本は仕事部屋でリモートワークに活用しながら、リビングルームにも置き場所を作って動画や音楽をリラックスタイムに楽しむという使い方もできます。

 M3搭載iMacの購入を検討する際には、どの部分をカスタマイズするべきでしょうか。ストレージについてはiCloud+で拡張する手段もありますが、GPUのパフォーマンス、USB拡張ポートやメモリの容量は後からの強化が困難です。Thunderbolt/USB 4ポートと、USB 3ポートを2基ずつ備える10コアGPUのiMac(24万8800円)をベースに、必要なメモリをカスタムオーダーにより増強すれば、長く使いたおせるiMacになると思います。

 

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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