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目標達成できる人とできない人の違い

ASCII.jp / 2023年11月9日 7時0分

Luis Villasmil | Unsplash

 誰にもなんらかの目標はあるものだが、問題は、それを達成できる人とできない人とに分かれるということである。なかなかシビアな話だけれども、残念ながらそれは現実だ。しかし、そもそも達成できる人とできない人との違いはどこにあるのだろう?

 その点について『目標達成トレーニング』(大高弘之 著、アチーブメント出版)の著者は、「達成する人は、目標に対してあきらめず、行動し続けている」のだと述べている。いたって当然の話ではあるけれども、それを続けられない人がいるからこそ、できる人とできない人との間に差が生まれてしまうのかもしれない。

 そこで本書においては、目標達成を目指そうというときに、“小さな達成”を積み重ねていく方法を紹介しているのである。ちなみに著者は、上場食品商社、外資系人材派遣会社、外資系生命保険会社を経て、人財育成および中小企業経営者教育を行うアチーブメント株式会社に入社。トップセールス、トップコンサルタントとして活躍した実績を活かしつつ、トレーナーとして20年間でのべ3万人以上、年間160日以上の研修、講演をしているという人物。

 本書はそうした実績をベースとしたものであるわけだが、まず注目すべきは「目的と目標の違い」に焦点を当てていることである。端的にいえば、目標は通過点にすぎないというのだ。

「目的」を遂げるために「目標」があるので、達成とは目を吊り上げて心身を削りながら必死に取り組むものではありません。あなたがより幸せになるために、人生をコントロールしていくために、当たり前のように毎日おこなうものです。(18ページより)

自分がコントロールできるのは自分の思考と行動だけ

 目標達成への意欲が湧くのは、目的があるからこそ。そして目標を達成していくと、人生をコントロールできる感覚が身につくという。とはいえ私たちは、すべてのものごとをコントロールできるわけではない。そのため、うまくいかないと壁にぶつかり、みじめな気分になってしまったりする可能性もあるのだ。

 そこで、コントロールできないものを手放し、コントロールできるものだけをコントロールして生きていくべきだと著者は主張するのである。

 だが、はたして私たちがコントロールできるものとはなんだろう? この問いについては、以下のような記述がある。

自分、もっと言えば自分の思考と行動です。人生をコントロールするとは、自分をコントロールするということなのです。思考と行動のコントロールに集中すれば、人生をコントロールできるようになります。(34ページより)

 実際のところ、私たちはとかく、自分の願望よりも周囲の願望や思惑を優先してしまいがちである。したがって、「自分にとって価値のある人生とはどのようなものか、価値ある人間とはなにか?」ということを明確にするため、それを自由に書き出してみるべきだと著者はいう。

 簡単な話で、「人生の目的」などと大層なことを考えなくても、自分が大切にしたい価値観、もの、人を大切にしながら生きることが、求めるものを得る効果的な生き方につながるということだ。

目標達成につながる「4つの質問」

 さらにいえば、このことに関連して応用できそうなのが、著者も毎日実践しているという「セルフカウンセリング」である。

1.願望の明確化

わたしは何を求めているのか? わたしにとっていちばん大切なものは何か? わたしがほんとうに求めているものは? ↓

2.時間(お金)の使い方の現状をチェックする

そのために「今」何をしているのか? ↓

3.主観を絶対視せず、客観的に行動を自己評価する

その行動はわたしの求めているものを手に入れるのに効果的か? ↓

4.改善計画とその実践

もっとよい方法を考え出し、実行してみよう (42ページより)

 これら4つの質問をすることで、願望や価値観を確認し、「日々の実践に一貫性があるか」を自分自身に問いかけるということ。そうすることにより、価値ある人生を送ることができるようになるという。

 人それぞれ価値観は異なるので、目標も千差万別だろう。しかしいずれにしても、達成するたびに「自分の人生にとって価値あることができているな。幸せだな」と実感できるような目標を設定することが大切であるようだ。

 もちろん、人生の目標がなかったとしても生きてはいけるに違いない。だが、もしも願望を実現できるような人生を歩みたいのであれば、やはり目標は必要になってくるわけだ。

 大事なことは、毎日「価値ある人生だな。幸せな人生だ」と実感できるかどうかです。そう思える価値観にあるものはずっと続けたくなるはずです。  幸せとは探し求めて四苦八苦するのではなく、「幸せを実感できる自分になる」ことで、手に入るものです。(45ページより)

 いたってシンプルな考え方ではあるが、だからこそ忘れてしまいがちだともいえるのではないだろうか? だからこそ、ぜひとも記憶にとどめておきたいところだ。

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  • 目標達成トレーニング大高弘之アチーブメント出版

 

筆者紹介:印南敦史

作家、書評家。株式会社アンビエンス代表取締役。 1962年、東京都生まれ。 「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「東洋経済オンライン」「サライ.jp」「マイナビニュース」などで書評欄を担当し、年間700冊以上の読書量を誇る。 著書に『遅読家のための読書術』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(以上、星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、などのほか、音楽関連の書籍やエッセイなども多数。

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