M3搭載を機に「iMac」の良さを見直す(西田宗千佳)
ASCII.jp / 2023年11月9日 8時0分
アップルが11月7日に発売したばかりの「M3搭載iMac」のレビューをお届けする。
製品としてはノート型が主流ではあるものの、デスクトップ型のニーズはもちろん強い。「ディスプレイ一体型」はメインストリームとは言えないものの、デザインなどの点では魅力も多い。iMacはまさにそんな存在だろう。
今回はM3登場に合わせて改めて実機を借りることができたので、その魅力について考えてみたい。
4.5KパネルにはmacOS Sonomaが似合う
iMacが、M1をベースにリニューアルしたのは2021年初夏のこと。Mac向けAppleシリコン登場から半年が経過し、移行が本格化し始めた頃のことだ。
今回の新製品は、その頃のデザインをそのまま踏襲しており、プロセッサー以外の変更は見当たらない。では古びているか、というとそんなことはない。薄型で厚みが一定の「板」形状でシンプルなデザインの魅力は変わらない。今回はブルーのモデルを借りたが、やはり非常に美しい。
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特に感じるのは、OSが「macOS Sonoma」になり壁紙・スクリーンセーバーとして、4K解像度の高品質な写真が提供されるようになったからかとも思う。元々はApple TVのスクリーンセーバー向けだったのだが、あまりに品質が良いのでmacOSでも採用された……という経緯がある。iMacは4.5K解像度のディスプレイなので、新しい壁紙・スクリーンセーバーの解像感とのマッチングがとてもいい。
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キーボード(テンキーとTouch ID付き)のほかに、Magic MouseとMagic TrackPadがラインアップする。Apple Storeで購入する場合は、Magic MouseもしくはMagic TrackPad(+6000円)のいずれか、または両方(+1万6800円)を選ぶことができる。
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これらは充電用の端子がLightningとなっている。外に持ち運んで使うものでもないので、スマホやヘッドホンほど充電端子の違いにこだわる必然性はないと思うが、iPhone 15でLightning端子が廃止されたあともUSB-Cに変わらなかったのはちょっと意外ではあった。
筆者の試用機はインターフェースは、USB-C(USB 3.0)とThunderbolt 4がそれぞれ2つずつ。これはiMacとしては上位モデルに当たるものの仕様であり、下位モデルではThunderbolt 4が2つに減る。
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また下位モデルの場合、GPUコアが10から8になり、Touch ID付きのキーボードは+6000円のオプションとなる。電源コネクターに内蔵される有線LAN(イーサネット)コネクタもなくなる。
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ギリギリまで価格を抑えたい場合にはアリだが、3万6000円の価格差なので、可能ならば上位モデルの方をお勧めしておく。
M1 Proに匹敵するM3。iMacにはよりふさわしい
M3版の性能を、ほかの製品と比較してみよう。同じM3なので、MacBook Pro(M3版)との差は小さく、ほぼ同等と言っていい。
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M3はそもそもかなり高速になっており、2021年のハイエンド向けである「M1 Pro」に匹敵する。現状、これで性能的に困る人は少数派だろう。
特にiMacの場合、美しいディスプレイと高いグラフィック性能の組み合わせが良い。M1版でも快適だったが、M3ではグラフィック性能が高くなったこともあり、4.5Kのパネルを使っているiMacにはよく合う。
Macで3Dをバリバリに使ったゲームはまだ少ないが、App StoreやApple Arcadeはもちろん、SteamにもMac用のゲームは増え始めていて、それらを楽しむなら3D性能が求められる。
M1に対して倍くらいの性能にはなったから、それを活かすためにゲームを探してみるのも良さそうだ。4.5Kのネイティブ解像度で3Dゲームをやるにはまだ少し性能が足りないかな……とも思うが、2.5Kあたりなら良さそうだ。
また、映像配信を見るにも4.5Kのパネルと空間オーディオ対応内蔵スピーカーの組み合わせは良い。
要はiMacは「デスクトップのMacを自宅に置きたい」ならちょうどいい製品なのだ。これだけのディスプレイだから、性能は高い方が良い。M3になったのは間違いなくプラスである。本音を言えば、このデザインでプロセッサーをM3 Proあたりにした製品も用意して欲しい……とも思う。
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筆者紹介――西田 宗千佳
1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。
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