イヤホンで楽しむ360度立体音楽再生 アップルとボーズの最新モデルで聴き比べ
ASCII.jp / 2023年11月10日 19時0分
スマホとペアリングするだけで、360度周囲から聞こえるサウンドに包み込まれる立体音楽再生が楽しめるワイヤレスイヤホンの中から、アップルの「AirPods Pro」とボーズの「QuietComfort Ultra Earbuds」をピックアップします。それぞれの立体音楽再生機能の違いに迫りたいと思います。
アップル「AirPods」とボーズ「QuietComfort」の新製品が誕生
AirPods Proはアップルによるワイヤレスイヤホンの最上位モデルです。価格は3万9800円。プレッシャーのない自然なアクティブノイズキャンセリングと、周囲の環境音をクリアに取り込める外音取り込みの機能は完成度が高く、iPhoneやiPad、Macなどアップルのデバイスとの連携にも優れています。2023年の秋には充電ケースにUSB-Cコネクタを搭載するモデルが発売されました。
![](https://ascii.jp/img/2023/11/09/3636467/x/2d812e3548ee7426.png)
QuietComfort(クアイアット・コンフォート)と言えば、ボーズ独自のアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するヘッドホン・イヤホンのロングランヒットシリーズです。日本では2001年に最初のヘッドホン「QuietComfort」が発売されました。
![](https://ascii.jp/img/2023/11/09/3636468/x/144074fae2dfcb26.png)
今回紹介するQuietComfort Ultra Earbudsはシリーズで初めて立体音楽再生に対応した左右独立型のワイヤレスイヤホンです。アクティブノイズキャンセリング機能の効果はとても強力。価格は3万6740円です。
![](https://ascii.jp/img/2023/11/09/3636469/x/7bb97dec1f7727b9.png)
ふたつのイヤホンが採用する立体音楽再生技術とは
一般的なステレオ(2チャンネル)録音の音源も、良質なハードウェアを組み合わせて聴けば立体的な音場感が得られます。
一方、最近は「イマーシブオーディオ」や「空間オーディオ」「3Dオーディオ」など様々な呼ばれ方で話題を振りまく、没入型のオーディオエンターテインメントが台頭してきました。天井から、背後からサウンドが迫ってくるような、臨場感あふれる立体音楽再生を楽しむためには、スマホやイヤホンなどのハードウェアが立体音楽再生の技術に対応している必要があります。
アップルのAirPods Proは米ドルビーラボラトリーズの立体音響技術であるドルビーアトモスによる「空間オーディオ」に対応しています。現在は多くのアップルのデバイスと、Beatsブランドのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンで空間オーディオが楽しめます。
ボーズには「Boseイマーシブオーディオ」という、独自の新しい立体音楽再生の技術があります。これに最も早く対応したワイヤレスイヤホンがQuietComfort Ultra Earbudsです。
立体サウンドにも違いが表れた
AirPods Proで空間オーディオが楽しめるコンテンツはApple MusicやApple TV+などの配信サービスに揃っています。AirPods Proは様々なBluetoothオーディオに対応する機器と接続できますが、今のところiPhoneにiPad、Macなどアップルのデバイスと接続した時にだけ空間オーディオによる立体音楽再生が可能です。Android版のApple Musicアプリは、AirPods Proによる空間オーディオ再生をサポートしていません。
対してボーズのQuietComfort Ultra Earbudsは、iPhoneにAndroidスマホ、パソコンなど様々なBluetoothオーディオに対応する機器に接続して立体音楽再生が楽しめます。「Boseイマーシブオーディオ」がイヤホン側の信号処理によってあらゆる音源を「立体化」する技術だからです。
![](https://ascii.jp/img/2023/11/09/3636470/x/421a148db43a6035.png)
Apple Musicで配信されているOfficial髭男dismのアルバム「Editorial」から『I LOVE...』をiPhoneで再生してみます。AirPods Proの空間オーディオはサウンドのバランスに偏りがなく、音場がクリアに見晴らせます。まるでミュージシャンが歌い、演奏するステージに飛び込んでしまったような自然な没入感が味わえます。
QuietComfort Ultra Earbudsの方はサウンドがより鮮やかで、音の輪郭線が太く描かれる印象を受けます。ボーカルや楽器の音像が前に力強く張り出してくるので、通常のステレオ再生の場合との「違い」は明らかに感じられると思います。
それぞれのイヤホンによる立体音楽再生は聴き比べてみると違いが見えてきます。どちらの方が心地よく感じられるかは好みが分かれるところかもしれません。
![](https://ascii.jp/img/2023/11/09/3636471/x/9cb862d0b75602c2.png)
Androidユーザーにも立体音楽再生が身近な体験になる
AirPods Proの場合、iPhoneなどアップルのデバイスでドルビーアトモスによる空間オーディオ対応のコンテンツを再生すれば立体音楽体験が得られるという、アップルによって整備された環境があります。一方、Android側は立体音楽再生が楽しめるデバイスやコンテンツがまだ曖昧です。
ボーズの独自技術により、あらゆる音源を「立体化」できるQuietComfort Ultra Earbudsが登場したことで、Androidスマホのユーザーにも立体音楽再生が身近なエンターテインメントになります。あまり馴染みのない楽曲ではなく、好きなアーティストの音楽、YouTubeやゲームの音声を立体化してみると、コンテンツのサウンドに没入できる体験の価値も見えてきます。
なお、AirPods ProをiPhoneにMacなど、アップルのデバイスにペアリングすると「ステレオを空間化」する機能が使えます。
AirPods ProとQuietComfort Ultra Earbudsには「ヘッドトラッキング機能」もあります。イヤホンを装着したまま顔の向きを変えても、空間の中に音像があるべき位置に定位するので、立体音楽再生の臨場感が一段と向上します。機能のオン・オフを切り替えながら違いを聴き比べてみてください。
![](https://ascii.jp/img/2021/04/07/3184591/x/466bf4e9644ae426.png)
筆者紹介――山本 敦 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
この記事に関連するニュース
-
Super X-Fiを内蔵。最高の没入型オーディオ体験を叶えるワイヤレスイヤホン&ヘッドホンが誕生
IGNITE / 2024年6月26日 21時30分
-
音質に優れた「BOSEのイヤフォン・ヘッドフォン」おすすめ4選 11段階の可変ノイズキャンセリング機能搭載! 3万円前後でワンランク上の音楽体験を【2024年6月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年6月26日 8時15分
-
1万円台で超小型ケース付き! 個性派イヤホン「Beats Solo Buds」を聴く
マイナビニュース / 2024年6月21日 7時0分
-
専門店の売れ筋&イチオシ「イヤホン&ヘッドホン」8選【買って得モノ&夏のトレンド大調査】
&GP / 2024年6月18日 20時0分
-
【Amazon得報】BOSEの完全ワイヤレスノイキャンイヤホンが23%オフの30,600円!
マイナビニュース / 2024年6月8日 16時26分
ランキング
-
13月末にコンビ解散したお笑い芸人、「また美人になった?」「見るたびにキレイになってく」と反響
ねとらぼ / 2024年7月5日 18時37分
-
2「マナー守れないなら釣りやめろ」テグス被害に遭った鳥のショッキングな姿に「胸が苦しい」 注意喚起に賛同の声続々
ねとらぼ / 2024年7月7日 6時30分
-
3Ryzen 5 8600Gを標準搭載する1.92LのBTO PC、超小型PCの決定版になりそう
ASCII.jp / 2024年7月7日 10時0分
-
4格安SIMでIPv6が使えると何かいいことがあるのか?
ASCII.jp / 2024年7月7日 12時0分
-
5「静岡40度」がトレンド入り「まだ梅雨明け前だってのに…」「そんな暑くなるところだっけ?」「酷暑日って初めて聞いた」
iza(イザ!) / 2024年7月7日 16時6分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)