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「Galaxy Z Flip5」は従来モデルから劇的進化し今が“買い時”を迎えた

ASCII.jp / 2023年11月18日 12時0分

 サムスン電子の「Galaxy Z Flip5」を使ってみました。7月26日に韓国・ソウルで「Galaxy Z Fold5」と同時に発表され、日本では9月1日に発売されました。2タイプの折りたたみスマホのうち、従来は“Galaxy Z Foldが主役”という印象でしたが、今期はサムスンがFlipを激推ししています。

 筆者は昨年リリースされた「Galaxy Z Flip4」を使っていますが、大きく進化したGalaxy Z Flip5に触れて「1年待つべきだったかも……」なんて思ったりもしました。そこで、前モデルとの比較も含めて、Flipユーザー視点でGalaxy Z Flip5をレビューします。

◆ヒンジの改良により、ほぼ隙間なく折りたためる

 Galaxy Z Flipシリーズの最大の利点は、コンパクトに折りたためること。Galaxy Z Flip5のサイズ感は前モデルと同等で、重さも同じ約187g。しかし、折りたたみ時に持つと、かなり薄くなったと感じました。

左がGalaxy Z Flip5、右がGalaxy Z Flip4

 その理由は横から見ると一目瞭然。前モデルまでは折りたたみ時に隙間が生じて、厚さが不均等でした。一方、Galaxy Z Flip5は「フレックスヒンジ」という新しいヒンジ構造の採用により、ほぼ隙間なく折りたためるように進化しています。

左がGalaxy Z Flip5、右がGalaxy Z Flip4。Flip5は前モデルよりも隙間は狭く、隙間の幅が均一になった

 折りたたみ時の表面のディスプレーが大きくなったことも特徴。前モデルのカバーディスプレーの画面サイズは約1.9型(260×512ドット)でしたが、Galaxy Z Flip5は約3.4型(720×748ドット)に。表示できる情報量が増えて、名称も「フレックスウィンドウ」に変更されています。

左がGalaxy Z Flip5、右がGalaxy Z Flip4。カバーディスプレーが大きくなり、表示できる情報量が増えた
左がGalaxy Z Flip5、右がGalaxy Z Flip4。メインディスプレーはどちらも約6.7型で、解像度は2680×1080ドット

 右側に指紋センサーを兼ねる電源ボタンと音量ボタン、左側にSIMスロット、底部にUSB Type-Cポートという配置は従来通り。両面のパネルはガラスで、フレームとヒンジにはアーマーアルミニウムを使用。ハイエンドモデルらしいリッチな質感です。

 前モデルまではヒンジに「Galaxy」と刻印されていましたが、Galaxy Z Flip5は「SAMSUNG」になっています。グローバルの仕様と同じになったわけですが、Galaxy Z Flip4を持っている筆者には、日本だけの「Galaxy」ロゴがレアに思えて気に入っています。

上がGalaxy Z Flip5、下がGalaxy Z Flip4。ヒンジのロゴが「Galaxy」から「SAMSUNG」に変わった
左側面にSIMスロットを搭載。nanoSIMは1枚しか挿せないがeSIMを追加可能。microSDには対応していない
底部のUSB Type-Cポートを搭載。スピーカーはメインディスプレー上部と底部にあり、ステレオ音声を出力できる

◆カバーディスプレーの使い勝手が大きく向上

 従来モデルのカバーディスプレーは、ガラケーのサブディスプレーのように、時刻や通知を確認するのが主な用途でした。電話をかけたり、音楽を操作したり、カメラを起動して撮影できる機能もありましたが、画面に表示される情報に制約があるので、急いでなければ“開いて操作したほうが使いやすい”というのが実情でした。

 一方、Galaxy Z Flip5のフレックスウィンドウは、閉じた状態での使い勝手がグンと向上。メインディスプレーと同じような操作で通知を見たり、クイック設定パネルを開いて設定を変更したりでき、さまざまなウィジェットを使うことも可能です。メインディスプレーではアプリを使いますが、フレックスウィンドウでは3.4型画面に最適化されたウィジェットが使える仕様になっています。

下方向にスワイプすると、クイック設定パネルが表示
左右にスワイプするとウィジェットが表示される
フレックスウィンドウで使うウィジェットは「設定」→「カバー画面」で変更できる

 ウイジェットだけでなく、一部のアプリを起動することも可能。プリインストールされているアプリでは「YouTube」「マップ」が対応。「Playストア」から入手するアプリでは「LINE」や「Netflix」が対応していました。個人的には「X(旧Twitter)」や「Instagram」も使えるといいなぁと思いました。今後のアップデートを期待したいところです。

一部のアプリはフレックスウィンドウに対応
フレックスウィンドウで「マップ」を起動した画面。キーボードを表示させて、検索する地名を入力することも可能
フレックスウィンドウで使いたいアプリは「設定」→「ラボ」で設定できるが、まだ対応するアプリは少ない

 フレックスウィンドウによって、閉じたままで自撮りがしやすくなったことも利点。閉じた状態からは、フレックスウィンドウのタッチ操作または電源ボタンの2度押しでカメラを起動でき、撮影サイズ、セルフタイマーなどの撮影設定も可能。

 ポートレートモードや動画にも切り替えられ、閉じたままで撮影した画像を確認することもできます。自撮りをする機会が多い人は、これを目当てに買う価値もありそうです。

カバーディスプレーが大きくなったので、閉じた状態での自撮りのしやすさが向上

 カバーディスプレーが大きくなったことにより、ホーム画面のカスタマイズも楽しめるようになりました。プリセットされたデザインの中から好きなものを選べるほか、別売のケースの背面側に入れるNFC内蔵のシートに合わせたデザインになる機能も備えています。

閉じた状態での見栄えをカスタマイズできるようになったことも進化点

◆パフォーマンスは文句なし。電池持ちも及第点

 プロセッサーは、ハイエンド向けの「Snapdragon 8 Gen 2」を採用。しかも、Galaxy向けに最適化し、処理速度を3.36GHzに高めた「for Galaxy」エディションを搭載。つまり「Galaxy S23 Ultra」や「Galaxy Z Fold5」と同じチップを搭載しているわけです。メモリーは、それらのモデルが12GBなのに対して、Galaxy Z Flip5は8GBと少し控えめですが、それでも十分ハイスペックと呼べる仕様です。実際の使用感はきわめて軽快で、ベンチマークテストでも良好なスコアを記録しました。

「Geekbench 6」でベンチマークを測定した結果。ハイエンドモデルらしいスコアを記録した

 バッテリー容量は、前モデルから変わらず3700mAhなので、5Gのハイエンドモデルとしては少なめ。筆者が実際に使ってみると、1日は持つが2日持たせるのは厳しいかも……という印象でした。カバーディスプレーが大きくなったことにより、閉じた状態での電力使用が増えることを心配していたのですが、電池持ちは前モデルと同等と感じました。

◆自由なスタイルで撮れるカメラは、画質も良好

 アウトカメラは超広角(約1200万画素/F値2.2)+広角(約1200万画素/F値1.8)の2眼。インカメラは約1000万画素/F値2.2。カメラのスペックは前モデルと同等で、インカメラのF値のみ2.4から2.2へと若干明るくなっています。

 閉じたままでアウトカメラで自撮りしやすいことは先述しましたが、途中まで開いた状態ではアウトカメラ、インカメラのどちらでも撮影可能。自由な角度で固定できるので、好みのアングルで撮影することができます。

このように卓上に立ててアウトカメラで撮影することも可能。上にプレビュー、下に操作パネルが表示され、シャッター操作もしやすい。これを「フレックスモードパネル」と呼び、ほかの一部のアプリでも便利に使える

 撮影画質は鮮明で、空の青や木々の緑などは実際に見えるよりも鮮やかな色で写る印象。料理も美味しそうな色で写りました。望遠レンズは搭載されていませんが、デジタルズームは最大10倍で、10倍で撮っても、さほど画質が粗くならないことも魅力です。

超広角(0.5×)で撮影
広角(1×)で撮影
2倍ズーム(2×)では、ほとんど画質劣化は認められない
最大の10倍ズームにしても、かなりクッキリと写る
夜景もきれいに写せた
料理撮影も得意な印象

 動画撮影はそんなに試していませんが、静止画と同様に画質は良好。半分まで開いてL字型にして、ビデオカメラのように握って撮影できることも利点です。

【まとめ】新型ヒンジとフレックスウィンドウで完成度が向上

 フォルダブルスマホを使ったことがない人は、耐久性やディスプレーの凹みなどが気になるかもしれませんが、筆者はGalaxy Z Flip4を1年使ってまったくトラブルがありません。Galaxy Z Flip5はメインディスプレーがしずく型に曲がる新しいヒンジ構造を採用し、強度がさらに向上しているとのこと。折り曲がる部分の凹みも気にならず、不安なく使えるはずです。

 大きなフレックスウィンドウを必要とするか否かは、好みが分かれるでしょう。個人的には、シンプルに通知が見やすく、タッチ操作もしやすいので、大きいに越したことはないと感じました。

 縦折りのGalaxy Z Flipシリーズは、5世代目を迎えて誰にとっても満足できる完成度に達したと言えそうです。

 

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